投稿者 うめぼし殿下 日時 2001 年 11 月 04 日 09:34:13:
アフガン北部「深刻な状態」 60万人凍死の危機
「アフガン北部で、静かに、人の目に触れないまま、危険な事態が進んでいる」。国連の大島賢三事務次長(人道問題担当)は2日、ニューヨークの国連本部で日本人記者たちと会見し、アフガン国内の北部山岳地帯に逃げ込んだ国内避難民が、冬を前に「凍死も起きかねない深刻な状態」と強調した。10月30日まで10日間、周辺3カ国を歴訪して得た情報を踏まえた発言で、「表面化したときには手遅れ」と早い対応を呼びかけた。
大島次長によると、アフガン国内ではいま、約600万人が援助を必要としているが、うち100万人以上が国内難民で、そのうち約60万人が北部、北西部の山間部に集中している。この地域は国連のアフガン人職員やメディアもなかなか近づけず、実態は外部にはほとんど知られていないという。
今回のトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン訪問は、こうした北部地区への援助物資搬入の道筋をつけることが目的の一つだった。
トルクメニスタンではニヤゾフ大統領が「全面支援」を約束、国境に国連の事務所を作り、援助活動の基地も造ることになった。ウズベキスタンではカリモフ大統領との会談でアフガン国境を流れる川の使用が認められ、タジキスタンでは首都ドゥシャンベなどの空港の使用が認められた。
米英軍の武力行使後は、援助物資を搬送するトラックや運転手が不足しており、国連世界食糧計画(WFP)は、食糧や医薬品、冬用の衣類などを航空機から投下することも検討している。物資搬送用を含め、すでに複数の国から航空機提供の申し出があるという。
アナン国連事務総長の呼びかけに対し、国際社会からこれまで7億ドル以上の拠出金の約束があった。だが、実際に集まったのはまだ三十数%に過ぎない。
大島次長は「冬に入って軍事活動がこう着状態になったとき、人々がどんな状態になるか」を懸念。このままで推移すれば、どれだけの死者が出るか、「わからない」が、昨年の冬には西部のヘラートだけで子ども約150人が凍死していると指摘した。
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