投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 11 月 03 日 18:20:07:
11/02 18:36 役に立たない精密兵器 冬季の地上作戦は不可能 外信75
共同
米軍のアフガニスタン攻撃が大きな成果もなく手詰まりの兆候も
出ていることについて、旧ソ連軍のアフガン侵攻で作戦計画の策定
に当たったウラジーミル・ボグダノフ元参謀本部副作戦局長に見解
を聞いた。(モスクワ共同=吉田成之)
―これまでの米軍の空爆は効果を上げていないようだが。
「米軍はタリバン政権の防空施設を破壊したと言っているが、ア
フガンにはもともと近代的な防空網などない。対空砲はあるが、こ
れは米空軍にとって全く脅威ではない。空爆の『成果』は国内向け
の宣伝だろう」
―なぜ米軍の空爆には誤爆が多いのか。
「山岳地帯に基地をつくるタリバン軍への空爆には米軍の精密兵
器は役に立たない。この兵器は大規模な地上部隊や具体的な軍施設
が本来の目標だ。同じ場所に二日といないウサマ・ビンラディン氏
らの攻撃には地上での優秀な偵察部隊による攻撃目標の位置確定が
不可欠だ。今の米軍には信頼できる偵察要員がいないようだ」
―旧ソ連軍にはどんな偵察要員がいたのか。
「ソ連軍の偵察要員はアフガニスタン人の中で偵察網をつくった
。米軍も北部同盟から攻撃目標の誘導を受けているようだが、偵察
要員からの情報の信頼性を確かめないと誤った情報をつかまされる
ことになる」
―米軍が本格的な地上戦に踏み切る可能性が指摘されているが。
「地上部隊をアフガン国内に入れるとしたら、地形的には平地が
あるカブールとカンダハルに近いパキスタン国境から入れるしかな
いだろう。国境を越えたら、そこに基地をつくる。ウズベキスタン
からの侵攻は距離もあるし、ウズベクも了承しないだろう」
―地上作戦は成功するか。
「カンダハル方面から入ってもカブールに侵攻するには伝統的に
外国軍の存在を嫌うパシュトゥン人の激しい抵抗を覚悟しなければ
ならない。パシュトゥン人の各一族には伝統的に武装団がある。私
だったら地上戦の作戦は考えないだろう」
―冬季に入るが軍事作戦への影響は。
「山岳部はもうすぐ冠雪する。機動的な地上作戦は不可能になる
。地上作戦の開始は早くて半年後だろう」
【略歴】
ウラジーミル・ボグダノフ 30年5月23日キエフ生まれ。フ
ルンゼ陸軍大学卒。77年ソ連軍参謀本部南方部長。83年から9
1年まで同本部副作戦局長。現在はロシア軍参謀本部顧問。
(了) 011102 1835
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