投稿者 asahi 日時 2001 年 11 月 02 日 09:41:06:
自衛隊1000人派遣 対米英仏支援計画の原案判明
テロ対策特別措置法に基づいて日本の支援策を策定する基本計画の原案の全容が1
日、明らかになった。物資輸送や補給などの協力支援活動を実施する区域は、太平洋か
らアラビア海にまで広がり、派遣期間は今月から3カ月間を想定している。海上自衛隊
の艦艇4〜6隻と航空自衛隊のC130輸送機4機が派遣されるとし、陸上自衛隊は含
まれていない。また、支援するのは米軍だけでなく、英仏両軍も対象としている。
政府は米国と調整し、必要な修正を加えたうえで、最終的な計画を閣議決定する。計
画案は活動範囲などを可能な限り広くとっており、政治判断で変更することもあり得
る。
計画案は、基本方針や支援活動の内容、活動領域、派遣部隊など7項目からなる。
基本方針では「テロリズムの防止と根絶のため米英の行動を強く支持し、可能な限り
の協力をすることが適当」と強調。その上で、海外での自衛隊による協力支援活動とし
て、補給、輸送、整備、医療、通信機器の提供などを挙げる。
派遣規模は、海自が護衛艦3〜4隻、補給艦1〜2隻で、艦艇は最大6隻。乗組員な
どの総勢は千人規模になる見通しだ。空自はC130輸送機4機で、100人程度とな
る。隊員は9ミリ短銃を携行する。
活動範囲はインド洋、アラビア海、ベンガル湾、マラッカ海峡、太平洋中西部などの
公海と上空。外国領域ではハワイ・オアフ島やグアム、英領のディエゴガルシア島をあ
げている。これは神奈川・横須賀基地に拠点を置く米第7艦隊の作戦範囲とほぼ重な
る。
基本計画では輸送ルートは明記していないが、艦船は主に日本からディエゴガルシア
島、さらにはアラビア海などに燃料や物資を輸送。米、英仏軍などの艦船に直接、供給
することも可能という。ハワイやグアムからの輸送は、輸送機などの使用を想定してい
る。ただ、政府関係者には「(最終的に)ハワイは含まれない」との見方もある。
当初、浮上していた陸上自衛隊によるパキスタン国内での野戦病院設営などは盛り込
まれていない。
このほか、日本国内での支援策として、在日米軍基地への物資輸送や米軍基地内の廃
棄物処理を日本が受け持つことまで盛り込まれている。さらに自衛隊は、テロによる破
壊行為などを防止するため、米軍の施設や区域などを警護できる。
政府は首相を本部長とする「テロ対策支援本部」を内閣官房に設置し、来年2月まで
支援を続け、その後は、アフガニスタン情勢や米軍などの展開状況を検討しながら、更
新していく方針だ。
今月上旬にも情報収集目的で、海自佐世保基地の護衛艦や補給艦が出港する予定。基
本計画が閣議決定され、実施要項がつくられる。出動命令が出された後20日以内に、
国会の承認を求めることになる。(03:10)