投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 01 日 21:48:11:
イラン政府はアフガニスタンのタリバーン政権に対し、食糧などの物資約100トンを送る人道支援に踏み切った。アラブ諸国とも国交を断絶され、国際的に孤立化したタリバーン政権に対する2国間の支援は、きわめて異例だ。
ロイター通信が1日、タリバーン情報省幹部の話として伝えた。イランの人道支援組織である赤新月社(赤十字にあたる)が小麦や食料油、毛布、薬品などをアフガン北西部の拠点都市ヘラートに輸送したという。
イスラマバードのイラン大使館関係者も朝日新聞記者に支援を確認した。
こうした支援がさらに増えるのか、北西部だけでなくカブールにも届くのかは不透明だ。
イランは、反タリバーン勢力である北部同盟を軍事的に支援してきた。タリバーンの主流派であるパシュトゥン民族がイスラム教のスンニ派であるため、シーア派のイランとタリバーンは対立関係を続けてきた。
だが、ヘラートなどアフガン北西部は歴史的にイランとの国境貿易が盛んだ。タリバーン穏健派で知られるハイルラ・ヘラート州知事は対イラン関係改善に独自の努力を続けていた。このため、「今回の支援は必ずしもタリバーン中枢部への積極支援ではない」との見方があるが、イランには、アフガン難民が250万人もいる。これ以上の流出を防ぐため、援助に踏み切ったとの見方もある。
次期アフガン政権をめぐる思惑もちらつく。イラン革命で王制を打倒したイランは、アフガンのザヒル・シャー元国王復活には断固反対の立場だ。北部同盟の支援を続けながらも、米国への抵抗をしぶとく続けるタリバーンとの関係改善にイランが配慮を始めた可能性がある。(21:34)