投稿者 ザワヒリ博士 日時 2001 年 11 月 26 日 19:42:45:
アフガン:
反米抗戦展開を表明 ヘクマティアル元首相
【イスラマバード春日孝之】アフガニスタンからイランに亡命中のグルブディン・ヘクマティアル元首相は26日、毎日新聞の電話インタビューに応じ、27日からボンで開かれるアフガン各派代表者会議に関し、「米国が自らの傀儡政権を樹立しようとしている」と主張、タリバンと連携して反米抗戦を展開していく決意を改めて表明した。
元首相は、ソ連侵攻に伴うアフガン戦争(1979―89年)中、最大のゲリラ組織「イスラム党」(最盛時約10万)を率い、今も兵力の大半はアフガン国内に残留しているという。だが、ボン会議からは、タリバン同様、排除されている。
元首相は「ボン会議は表向き国連主導だが、参加する各勢力を選んだのは米国だ。すべての民族・勢力が選挙によって新政権を樹立しない限り、アフガンに安定はもたらされない」と述べ、ボン会議を通して、アフガン問題を解決することは不可能だと言い切った。
とくに、米国が新政権の中核的存在とみなしているローマ亡命中のザヒル・シャー元国王に関し、「ソ連がアフガンに侵攻して樹立したカルマル政権(当時)と同様、米国の操り人形になる。アフガンの将来はアフガン人が決める」と述べた。
その上で、元首相は北部同盟を含めたアフガンの各勢力に対し、「過去の(各勢力同士の)争いを忘れ、この国の自由と独立を守るため、ソ連侵攻に対して団結したように、米国の暴挙に対しても再団結すべきだ」と訴え、タリバンと連携して「反米抗戦」していく考えを改めて強調した。
元首相は、対米抗戦する理由のひとつとして、「米国はアフガン空爆で、これまでにアフガン国内の15のモスク(イスラム礼拝堂)を破壊し、多くの一般市民を殺害した。かつてのナチス・ドイツやアフガン共産党より残虐だ。やりたい放題の米国はいかなる信仰心も持ち合わせていない」と語った。
注 イスラム党はイスラム原理主義派で、タリバン同様、アフガンの多数派民族パシュトゥン人主体。92年に旧ゲリラ各派が樹立したラバニ政権で首相に就任した。その後、旧ゲリラ各派の主導権争いで内戦が勃発。94年にタリバンが出現したことで、それまで支援を受けていたパキスタンや米国に見限られ、タリバンのカブール制圧(96年)後、元首相はイランに亡命した。
[毎日新聞11月26日] ( 2001-11-26-19:14 )