投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 26 日 17:56:41:
米中枢テロで、大詰めを迎えつつある黒幕ウサマ・ビンラーディン（４４）の捕縛作戦。潜伏の可能性が高いアフガニスタン南東部にある４０００メートル級の山岳地帯は、間もなく厳寒の時期を迎える。頑強な米特殊部隊にはハンデとなる気象だが、意外や意外、厳寒が山岳ゲリラ戦では米軍の味方になるかもしれない。北部クンドゥズでの全面投降で、タリバンの拠点が南部カンダハルだけなるなど、ポスト・タリバンの動きも風雲急を告げている。
「藁の中から針を探すようなもの」（ラムズフェルド米国防長官）というように、ゲリラ戦を得意とするタリバン兵士が護衛するラディンを難攻不落の険しい山岳の洞窟で捕縛できるかどうか、米軍の空爆が始まった当初は可能性が低いのではと懸念されていた。
ここにきて、タリバンが本拠地を置く南部カンダハル近郊からウルズガンなど３州にかけての南東部にかけ、ＪＲ山手線内側に匹敵する約７８平方キロの南東部周辺の山岳地帯に的を絞ったとされる。いぶり出し作戦を続ければ捕縛、暗殺が確実に可能となった。
アフガンに無数の拠点を持ち、タリバンの庇護を受けていたラディンだが、米軍と北部同盟の大攻勢の前に敗走を続け、タリバン政権が崩壊した。
タリバンはカンダハルでの最後の攻防を除き、拠点の大半を失った。受入国もなく、ラディンは国外脱出もままならない。
「（最終的な）居場所はまだ特定されていない」（ラムズフェルド国防長官）一方で、「確実に行動半径を狭められている」（ライス米大統領補佐官）。「不朽の自由」作戦の目的達成への自信をにじませる。
厳冬になると気温がマイナス２０度に下がる北部と異なり、南東部は比較的、きつさが緩む。ただ、亜熱帯性・大陸性の乾燥気候で気温の日較差が激しい。
最低気温はこの時期でも氷点下に達する。ラディンが潜むとされる山岳地帯では、例年、零度からマイナス１０度に達する寒波が訪れるという。
無数の洞窟に対する無差別爆撃でラディンが潜伏先を転々と変えているのは、いずれも切り立った山間部の洞くつとされる。
この先、冬が深まるにつれ、深夜から未明の潜伏場所は、相当冷え込むのではないかとの観測もある。
デルタフォース、グリーンベレーなど米特殊部隊の頑強な健康体でさえ、厳しいとみられる酷寒だが、腎臓の悪化など、衰弱説が流れるラディンにとってはなお一層のことである。
酷寒をしのぐには、何らかの方法で暖房を取る必要がある。それが特殊部隊の追跡の重要なカギとなり、「暖を取ることが命取り」になるとの見方がある。
軍事評論家の神浦元彰氏は「ヘリや無人偵察機などに搭載した赤外線探知装置を使えば、追跡が容易になるかもしれない」と話す。
「歩いている人間や車両の熱も簡単に探知できる。海上上空なら、潜水艦の熱も探知できる。赤外線を通すと、周囲との温度差が大きければ大きい部分ほど白い形で浮かび上がる」
つまり、寒さが厳しくなるアフガン山間部では、「高度３００メートルのヘリからでも、人間の体温でさえ感知して、白く浮かび上がる」と神浦氏はいう。
約１００人の部下や、「人間の盾」とする女性と子供を引き連れて潜伏先を変えるラディンの場合、「冬になれば一般に人の動きが（寒さで）制限されるため、赤外線探知にはさらに好都合」（神浦氏）だという。
ラディンが食事や暖を取るため、たき火などをしていると仮定すれば周囲との熱差は言うまでもない。
「たき火の煙は横に流すことはできるが、火の熱は、岩の割れ目からも漏れ出る。そうすれば、高度１０００−２０００メートルからでも、十分に探知できる」というのだ。
神浦氏によると、「このシステム自体が大きくないから、無人偵察機にも簡単に搭載できる」という。
そのうえで、神浦氏は「その情報を後方待機の前線本部に送り込み、潜伏場所を急襲できる。入り口に爆弾を仕掛けたり、突撃したりすることも、十分に考えられる」と話している。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。