投稿者 WW 日時 2001 年 11 月 25 日 05:44:20:
(回答先: 無人偵察機「プレデター」、捕捉作戦で活躍〔読売新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 23 日 20:12:38)
UAVプレデターは、アメリカ軍がボスニア紛争やユーゴ空爆で使用して随分宣伝した。無人偵察や救出などにも使用するということで、未来兵器としてもてはやされている無人偵察飛行機だ。UAVとは,Unmanned Aerial Vehicleのことだね。無人でありながらさまざまな偵察や支援作戦を行なうと宣伝されてきた兵器だ。
最近になって読売新聞がこういう記事を掲載しているが、アメリカではずっと国防総省発情報でこの種のプロパガンダが続いているね。ただし、このUAVの能力がそんなに高いかどうかは疑問のようだね。
アメリカ国防総省の評価担当官がプレデター機の性能アセスメントをして、30億円という高価な機体であるにもかかわらず性能が低い事を指摘しているというね。これはアメリカのネット上で公開されている情報だね。特に、悪天候に弱く通信能力が低いという問題があるらしい。墜落事故も多い。これなら第二次大戦の偵察機の方がまだ良い。となるとユーゴの山岳地帯の偵察では所定のミッションは全然こなしていなかったということだろうね。
アメリカ軍は、イラクでもこのUAVを偵察に使用していた。しかし、イラクでは既に二回も撃墜されているというね。これをイラク側がテレビで放送している。イラク軍はアメリカ軍のUAVを自国の防空体制を宣伝する材料に使っているね。
イラクでは、中国企業が入札した光ファイバー網の防空体制も建設された。イラク政府側では、アメリカ軍がイラク内の300箇所を1000機のミサイルで攻撃する作戦計画を持っているとも暴露して宣伝している。イラクの防空体制が堅固に再建されたために、アメリカ軍はイラク攻撃に踏み切れないという事らしいね。
今年はプレデターの能力の低さも判明してきたことから、アメリカ空軍は新しいUAVとして「グローバルホーク」も使用すると発表しているね。ただ、これも最近になってテスト飛行をした物なので実戦に利用できるか否かは不明だ。もっとも、これの技術で9月「テロ攻撃」事変の旅客機は遠隔操作されていたというアメリカ人の見方があるという事実が佐藤雅彦の報告にあるけどね。
そもそもハリウッド映画とかが演出する現代戦争の架空世界と現実世界の戦争はまったく違う。読売新聞社などは、残念ながら今もそれが理解できていないね。架空世界で使われるハイテクは、現実の戦争では使えない。だから、現実の戦争は多くが失敗している。それを理解していないから、戦争を支援すると口にする。それで後で後悔したりする。これは日本の防衛庁と小泉政権の対応にも見られる問題だ。11月になり小泉政権の支持率が下げて来たことは、政権の叫んだ架空と現実との齟齬を大衆が嗅ぎ取ったものだろうね。
読売では主戦論をとっているわけだけど、アメリカ政府のプレスキットつまり報道関係者に配る報道用資料を読んで咀嚼し、ようやくの思いで記事にしている。そんな感じが紙面から伝わってくる。自分の言葉ではない感じだね。これでは駄目だね。
エールを送るつもりはないが、読売新聞に限らず既成メディアはもっとがんばってほしいね。現地取材に金を使わない既成メディアは駄目だね。ネットでこうして公開される「無料」情報の方が、その価値という点で活字や放送をはるかに凌駕している状態だからね。
この現状は通信を買って報道にしている日本のテレビ局、出版社、新聞社にとっては脅威だね。無料でも一流の情報を大衆に提供するメディア関係者がネットに増えると、既成メディアが存在を脅かされる時代ともなるだろう。
ところがマスメディアなどの情報権力機構は、自分の足元が掘り崩されているのに気が付いていないね。アフガニスタン戦争で主戦論や条件付賛成論を唱える各新聞社や系列テレビや雑誌社のケースは、その好例と言えるね。情報権力機構といってもテレビ、出版、電通とかでサラリーマンをしている人間や霞ヶ関で楽して役人をしている人間がやっているわけだから、大帝国であるアメリカの戦略が失敗するということまでは考えもつかなかっただろうね。日本の政治家も全部同じだろうしね。これは日本の盲点だったわけだね。
この戦争はアメリカ政府の戦略思想「パウエルドクトリン」の最後なのかもしれないと言えるだろうね。つまりアメリカ政府の軍事的優位もユニラテラリズムも、この小さな国アフガニスタンの小さなゲリラ勢力との戦争で重大局面を迎えるということだね。パウエルドクトリンは空爆戦略と政治的プロパガンダで成り立っているにもかかわらず、アフガニスタン戦争でその双方が破綻しているらしいからね。
アフガニスタン戦争がアメリカの所定の戦略と違ってゲリラ戦になっていることは、その証明というしかないだろうね。いくらカンダハルなどの都市部を攻撃して制圧したとしても、その先にゲリラ戦争があるという事だね。あとは言わずもがなだね。
10月からやっているのにまたアメリカ政府が偵察衛星でオサマビンラディン氏を捜索するとかUAVで捜索するというのも、国民だましのプロパガンダに過ぎないだろうね。10月から同じ宣伝が繰り返されている。それでも結果が出ないのは、この戦争の戦略思想が破綻しているということだろうね。日本のマスメディアが相変わらずその後追い報道をしているのは、残念ながら日本の報道左右各派の稚拙さを証明したといえるだろうね。