投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 25 日 17:16:37:
【ニューヨーク24日=青木伸行】
米中枢同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラーディン氏の行方は判然としないままだが、米国の司法関係者の間では同氏の身柄が拘束された場合の裁判をめぐる論議が起こっている。ブッシュ米大統領は「法の裁きにかける」と語ったが、ジョンズ・ホプキンス大学のルース・ウィッジウッド教授(国際法)は「どこでどう裁くかは現実の重要な問題だ」と語る。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、ビンラーディン氏らが身柄拘束された場合、米国の反テロリズム法によって米国内の法廷、具体的にはニューヨーク連邦地裁で審理が行われる可能性が高い。同連邦地裁は同氏も起訴されたケニア、タンザニアでの米大使館同時爆破事件の審理の舞台となっている。
ウィッジウッド教授は「同時爆破事件の審理を通じ浮上した問題点は、米政府が収集したテロリストに関する証拠や情報源などが明らかにされるため、テロリストに有利な情報を与えることになることだ」と指摘する。
一方、テロへの怒りが高揚する米国で「(被告への)先入観をもたない十二人の陪審員を選定するのは難しい」とニューヨーク大学のゴールドストーン客員教授。公正さ維持への懸念から米国で裁くことへの疑問が一部の国からあがるとみる司法関係者もいる。また、同教授は死刑廃止の国際世論を反映し、死刑に異議を唱える動きが出て終身刑となる可能性も排除できず、その場合、将来的な身柄奪還抗争への危惧(きぐ)も指摘した。
一九九三年の世界貿易センタービル爆破事件の裁判に携わった弁護士のロナルド・クビー氏は「裁判はビンラーディン氏の“勝利”を宣伝する場に容易になりうる」と警告した。