イスラエル軍が撤退拒否、米の仲介に限界〔読売新聞〕

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 23 日 22:51:03:

【エルサレム23日=当間敏雄】
イスラエル政府が22日深夜、米国が強く求めたイスラエル軍のパレスチナ自治区撤退を拒否したことは、米国のパレスチナ問題をめぐる仲介能力の限界を露呈させた。シャロン首相は、パレスチナ側がゼエビ観光相暗殺犯らの引き渡しなどの最後通告に応じるまで軍事圧力をかけ続ける構えで、パレスチナ情勢はいよいよ歯止めが利かなくなってきた。
イスラエルは同夜の首相府声明で「(17日の)観光相暗殺で(パレスチナは)越えてはならぬ一線を越えた。テロリスト捕縛と侵入阻止のため必要な限り軍は自治区にとどまる。市民防衛のため自衛権を行使しているだけで、他の民主国家と何ら変わらない」と米国の撤退要請をはねつけた。
イスラエル情報機関は同日までに、観光相暗殺犯の逃走に自治政府の治安組織の一部が関与したとの疑いを強め、首相に報告した。イスラエルでは米国の撤退要請を、対アフガニスタン軍事行動で必須なアラブ・イスラム諸国の協力維持のためのメッセージと見て、深刻には受け止めていない空気も流れており、要請拒否の背景となった。
パレスチナ自治政府のアラファト議長は22日、「法に違反したものはだれであろうと逮捕する」と強調した。しかし、イスラエル政府の圧力に屈する形で最後通告を受け入れれば、民心離反に直結しかねないため、犯人引き渡しは困難との見方が強い。
イスラエル軍は23日未明、ヨルダン川西岸カルキリヤで、今年6月に22人の死者を出したテルアビブで起きた自爆テロ犯の家をブルドーザーで破壊、ガザ南部ラファでも民家数棟を取り壊した。軍の18日以来の自治区侵攻でパレスチナ人死者も続出しており、パレスチナ住民の怒りが増幅している。
一方、エルサレムでは22日夜、観光相を追悼する右派の大規模集会が開かれ、約8万人が参加、アラファト議長とビンラーディンを並べたポスターを掲げながら「アラファトを排除せよ」と気勢をあげた。
(10月23日22:27)

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