投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 08 日 15:31:02:
(CNN) 米英のアフガニスタン攻撃を受けて、パキスタンのムシャラフ大統領は8日朝(日本時間同日午後2時すぎ)、首都イスラマバードで会見し、攻撃はテロリストのみを対象に短期間で終了すると米英政府から言質を得ているなど、同じイスラム国家への攻撃に協力することとなった条件を説明した。大統領は、「攻撃終了の後は、バランスのとれた政治的解決が必要になる」として、タリバン政権に対抗する北部同盟が漁夫の利を得るようなことがあってはならないと警告した。
ムシャラフ大統領は会見で開口一番、「テロの被害にあった米国民にお悔やみを申し上げる」として、「テロに対抗するため、協力を求められ、国際社会に参加することを選んだ」と、反タリバン姿勢を改めて強調した。
大統領は、「タリバン政権と唯一関係をもつ政府として、ウサマ・ビンラディン(氏)の引渡しなどの交渉に最善を尽くしたが、成果に結びつかなかったため、7日夜の攻撃開始につながった」と説明。
北部同盟をけんせい
大統領は、米英首脳と最後まで緊密に連絡をとりあって、今後の展開について打ち合わせたとして、(1)軍事行動 (2)政治体制の確立3)国内復興――の3段階について話した。
軍事行動について大統領は、攻撃は短期間で終了し、あくまでもテロリストの施設のみを標的としたもので、民間人への被害は出さないと、米英から「固く約束されている」と説明。「カブール、カンダハル、ジャララバードなどが攻撃されたと伝えられているが、市街地ではなく、その近隣にあるテロ訓練キャンプが攻撃されたのだと信じている」と述べた。
さらに、タリバンに対する攻撃に乗じて、北部同盟が得をするようなことがあってはならないと、強く警告した。
民族構成に配慮した統治システムを
軍事行動によってテロ組織排除の目的が達成された後は、「アフガニスタン国内に統一と平和をもたらすため、多民族の人口比に充分配慮した統治システムを、アフガニスタン国民が自ら樹立できるよう、国際社会が協力しなくてはならない」として、打倒タリバン後の政治体制を外国が押し付けてはならないと、改めて釘をさした。「パキスタンとして、国の西側には、友好的なアフガニスタンがあったほうがいい」と再度、北部同盟を主軸に据えた新政権は認めない意向を示唆した。
アフガニスタンの国内復興についても、「アフガンの国民生活を平常な状態に戻すため」、農地開発、インフラ整備、人道援助の継続などについて、ブッシュ米大統領とブレア英首相とすでに意見調整が進んでいると明らかにした。
パキスタンは「通常業務」を強調
大統領はさらに、パキスタン国内の反応について、「国民の大多数は政府を支持している」と強調。その上で、アフガニスタン攻撃の影響で、パキスタン国内から外国資本や外国人労働者が流出していると指摘した。
大統領は、「こうした動きは気持ちとしては理解できるが、パキスタン経済に大きな影響を与える」と、経済が悪化すれば、国内の反米世論を抑えきれなくなると示唆。「ソ連のアフガン侵攻のときも、パキスタンは『通常業務』を続けた。現在もパキスタンは『通常業務』を続けている」と、外国資本の流出を食い止めたい意向を示した。