投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 20 日 20:21:17:
10/20 09:37 タリバン打倒で一致 米、イランに「共通利害」 関 外信30
【ワシントン19日共同=杉田弘毅】米国とイランが米中枢同時
テロ直後に、アフガニスタン情勢を協議する四カ国協議の場で、タ
リバン政権に代わる安定政権の樹立について「共通の利害」を確認
、同政権打倒で一致していたことが十九日分かった。同協議に出席
した外交筋が明らかにした。
両国は一九七九年のイラン革命で国交を断絶し敵対関係にあった
が、関係改善への重要なステップとして注目されている。
四カ国協議は米国、イラン、イタリア、ドイツが昨年十二月から
アフガニスタンの安定を模索するために二、三カ月に一回の割合で
開催。同時テロ発生からは回数が増え、十月初旬までにジュネーブ
などで既に三回開いた。
米国とイランは、同時テロの発生でタリバン政権の一掃が不可欠
となったとの認識を確認。両国は国交がないため四カ国協議を通し
て新政権づくりを協議することになった。
米国は反テロ政権をアフガニスタンに樹立する必要に迫られてい
る。一方、イランは友好的な政権を樹立する絶好の機会ととらえ、
対米対話の拡大も狙っているとみられる。
四カ国協議は米国が副国務次官補、イランは外務次官補らが出席
。イラン代表は「アフガニスタンだけでなく地域全体を協議したい
」と米国に提案するなど、関係改善のメッセージを送る場としてい
る。
アフガニスタン問題では、パキスタンなど周辺国六カ国と米国と
ロシアによる「六プラス二」会議が開かれてきた。だが、タリバン
政権を嫌う米国やイランと、同政権を支援するパキスタンが対立、
新たに四カ国協議の枠組みができた。
今年一月まで米国のアフガニスタン政策を担当したインダーファ
ース前国務次官補は十八日、イランと米国は数年前からタリバン政
権の政策を強く懸念、アフガニスタンの安定を求める「同じ立場を
とってきた」と語った。
(了) 011020 0936
[2001-10-20-09:37]
10/20 09:44 共通の敵利用し接近 独自性捨てぬイラン 外信44
【ワシントン19日共同=杉田弘毅】米国とイランがアフガニス
タンのタリバン政権の打倒で合意した背景には、「共通の敵」を利
用して、関係の抜本的改善を模索しようとの両国の思惑がある。十
年前の湾岸戦争でイラクを封じ込める形で両国が関係改善を模索し
たのと同じパターンだ。
イランは(1)タリバン政権が生産する麻薬の大量流入(2)イ
ラン人と同じシーア派アフガニスタン住民の弾圧(3)アフガニス
タン難民流入の危機感―からタリバン政権への敵意を強めた。
一九九八年夏には、タリバン兵がイラン外交官多数を殺害、両国
が国境に兵力を集結させ一触即発の緊張となった。
米中枢同時テロでイランは、米兵がアフガニスタンに絡む戦闘で
イラン領で死傷した場合に、イランが救助するとのメッセージを米
政府に一方的に伝え、パウエル国務長官は「米軍がイランに助けを
頼む可能性はないと思うが、興味深い」と述べている。
イランの対米政策はこうした融和的な面と激しい非難が混じり合
い「二重人格」(米政府当局者)といわれる。だが、ハタミ政権の
下でイラン国民は、対米強硬派である保守派から徐々に距離を置い
ている。独自性を保ちながら「駆け引きのダンス」(同)を米国と
踊り、段階的に関係を強めていく流れは定着したといえる。
(了) 011020 0943
[2001-10-20-09:44]
10/20 09:48 4カ国協議とは 外信31
共同
4カ国協議 アフガニスタン情勢を協議するため、パキスタン、
中国など周辺6カ国と米国、ロシアが1998年9月、アナン国連
事務総長の招集で外相会談を開催。この6プラス2協議が空洞化し
たため、米国とイランが将来の政権の担い手とも言われるザヒル・
シャー元国王が亡命しているイタリア、アフガニスタンの民主化勢
力が本拠地にするドイツを加えて昨年12月に4カ国協議を始めた
。国交のない米、イラン両国にとっては対話の唯一のチャンネル。
イランはこれらの協議で極めて協力的で、オルブライト前国務長官
はイランとの関係改善が可能と判断していた。(ワシントン共同)
(了) 011020 0947
[2001-10-20-09:48]