ムジャヒディン援助はソ連の侵攻以前のCIA謀略と大統領補佐官が認めてた

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投稿者 木村愛二 日時 2001 年 10 月 17 日 17:30:14:

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『亜空間通信』47号(2001/10/17)
【ムジャヒディン援助はソ連の侵攻以前のCIA謀略と大統領補佐官が認めてた】

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 転送、転載、引用、訳出、訳し直し、間違いの指摘など、大歓迎!

 本日の早朝、受け取った電子手紙の中に「Date: Wed, 17 Oct 2001 03:17:29 +0900」、つまり、夜中の3時過ぎに発信された以下に紹介する通信(個人情報削除)があった。

 アフガンへのソ連の侵攻には、やはり、事前のアメリカのCIA謀略があったのであって、それが文字記録として公刊されていたのだった。

 ああ、大変、今日もまた一日、PCトランサー・プラチナとかを使って、訳さなくては収ま(オサマ)らなくなってしまった。

 以下、個人情報削除で引用。

木村愛二様

 先日、メールをお送りし、フランスからの資料をお送り頂いた者です。

 10月3日付で掲載された、自衛隊後方支援関連の次の記事を拝読しました。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/akuukan-01-10-27.html

 この記事の後半部に、次の箇所があります。

「カーター大統領がソ連のアフガニスタン侵攻という煮え湯を飲まされ、あわてて軍 事費増大を行った」云々。

 このジミー・カーターとアフガニスタン支援政策の開始について、1998年に、カーター政権当時のブレジンスキー補佐官がフランスのヌーベルオブセルバトゥール誌に語った記事の採録が、インターネットにありましたので、再録してお送りします。

 これは、フランス語の記事を英訳したものです。英訳者は、末尾に掲載されています。

 以下の記事によると、カーターも補佐官や情報機関も、ソ連軍がアフガニスタンに侵攻するほぼ半年前の1979年7月3日から反ソ分子への秘密援助を始めていたということです。この日、7月3日、カーター大統領が最初の秘密援助の指令に署名したとの事です。

 以上、ご参考にお送りする次第です。

 以上で引用終わり。

 なお、上記の「煮え湯を飲まされ、あわてて」という箇所は、私の文章ではない。「アメリカの国防問題にふれた単行本」の希有な例として紹介した『超大国アメリカ/そのパワーの源泉』の記述である。私は、当然、この文章を引用した当時から、事前のCIA謀略を疑っていた。

 以下に拙訳を添えて紹介する英文記事に関しては、念を入れてヤフーでフランスに飛び、フランス語の記事の存在を確認した。

 以下のURLで、キーワードにZbigniew Brzezinskiを入れて検索を命じたら、一発で出てきた。完全に同じものであった。

http://archives.nouvelobs.com/

 以下の中の最重要箇所、「実際には、1979年7月3日」( Indeed, it was July 3, 1979 ) のフランス語は、c'est en effet le 3 juillet 1979 となっている。

 以下、対訳の引用。

Interview of Zbigniew Brzezinski Le Nouvel Observateur (France), Jan 15-21, 1998, p. 76*

ズビグニュー・ブレジンスキーに対する『ル・ヌーヴェル・オブゼルヴァトゥール』
(フランス)1998年1月15-21日号のインタビュー記事(p. 76) *

Q: The former director of the CIA, Robert Gates, stated in his memoirs ["From the Shadows"], that American intelligence services began to aid the Mujahadeen in Afghanistan 6 months before the Soviet intervention. In this period you were the national security adviser to President Carter. You therefore played a role in this affair. Is that correct?

質問:CIAの元長官、ロバート・ゲイツは、彼の回顧録『物陰から』の中で、 ― 「アメリカの情報機関はソビエトの干渉の6か月前にアフガニスタンでムジャヒディンを援助し始めた」―と述べた。この期間に、貴方はカーター大統領の国家安全保障補佐官であった。したがって貴方は、この工作で何らかの役割を果たしたと思われるが、その通りか?

Brzezinski: Yes. According to the official version of history, CIA aid to the Mujahadeen began during 1980, that is to say, after the Soviet army invaded Afghanistan, 24 Dec 1979. But the reality, secretly guarded until now, is completely otherwise: Indeed, it was July 3, 1979 that President Carter signed the first directive for secret aid to the opponents of the pro-Soviet regime in Kabul. And that very day, I wrote a note to the president in which I explained to him that in my opinion this aid was going to induce a Soviet military intervention.

ブレジンスキー:はい、その通り。政府の公式発表に基づく歴史によれば、ムジャヒディンに対するCIAの援助は1980年、すなわち、1979年12月24日にソビエト軍がアフガニスタンに侵攻した後に開始されたことになっている。しかし、現在まで極秘にされてきた事実に基づくと、この記述は完全に間違っている。実際には、カーター大統領がカブールのソ連寄り政権の敵手に対する秘密の援助のための最初の指令に署名したのは、1979年7月3日であった。まさしくその日、私は、大統領に向けて、この援助がソビエト軍の干渉を誘発するであろうという私の意見を彼に説明するための書面をしたためた。

Q: Despite this risk, you were an advocate of this covert action. But perhaps you yourself desired this Soviet entry into war and looked to provoke it?

質問:この危険を承知の上で、貴方は、この隠密作戦の唱導者の一人となった。ところで多分、貴方自身、この時にソビエトの参戦を望み、この作戦を、それへの挑発と看做していたのではないか?

Brzezinski: It isn't quite that. We didn't push the Russians to intervene, but we knowingly increased the probability that they would.

ブレジンスキー:全くその通りとは言えない。我々はロシアが介入するように背中を押したわけではないが、故意に彼らがそうする可能性を増やしたのである。

Q: When the Soviets justified their intervention by asserting that they intended to fight against a secret involvement of the United States in Afghanistan, people didn't believe them. However, there was a basis of truth. You don't regret anything today?

質問:ソビエトが彼らの干渉を正当化して、彼らの意図が、アフガニスタンへのアメリカ合衆国の隠密の関与に反対して戦うことにあったと主張したとき、人々はそれを信じなかった。しかし、真実の基礎があった。貴方は現在、何ら後悔しないか?

Brzezinski: Regret what? That secret operation was an excellent idea. It had the effect of drawing the Russians into the Afghan trap and you want me to regret it? The day that the Soviets officially crossed the border, I wrote to President Carter: We now have the opportunity of giving to the USSR its Vietnam war. Indeed, for almost 10 years, Moscow had to carry on a war unsupportable by the government, a conflict that brought about the demoralization and finally the breakup of the Soviet empire.

ブレジンスキー:何を後悔せよと言うのか。あの隠密作戦は卓見であった。あれは、ロシアをアフガニスタンの罠に嵌める効果を挙げたのであって、それを貴誌は、私に後悔せよと言うのか。ソビエトが公然と国境を越えた日、私はカーター大統領宛てに書いた。我々は今、ソ連にヴェトナム戦争を与える機会を得た、と。その通りに事態は進み、ほぼ10年の間、モスクワの首脳は、足元の政府が支持できない戦争を続けなければならなくなり、内部的な対立が激化し、道徳的な退廃の結果、最終的にはソビエト帝国の解体に至ったのである。

Q: And neither do you regret having supported the Islamic [integrisme], having given arms and advice to future terrorists?

質問:貴方は、イスラム[ 原理主義 ]を援助し、将来のテロリストに武器と助言を与えたことについても全く後悔しないのか。

Brzezinski: What is most important to the history of the world? The Taliban or the collapse of the Soviet empire? Some stirred-up Moslems or the liberation of Central Europe and the end of the cold war

ブレジンスキー:何が世界の歴史の上で最も重要なのか。タリバンか、または、ソヴィエト帝国の崩壊なのか。わずかばかりの扇動されたイスラム教徒なのか、あるいは中央ヨーロッパの解放と冷戦の終結なのか。

Q: Some stirred-up Moslems? But it has been said and repeated: Islamic fundamentalism represents a world menace today.

質問:あれを、わずかばかりの扇動されたイスラム教徒と言うのか。現在、イスラム原理主義は世界の脅威を代表すると、何度も繰り返し語られているが。

Brzezinski: Nonsense! It is said that the West had a global policy in regard to Islam. That is stupid. There isn't a global Islam. Look at Islam in a rational manner and without demagoguery or emotion. It is the leading religion of the world with 1.5 billion followers. But what is there in common among Saudi Arabian fundamentalism, moderate Morocco, Pakistan militarism, Egyptian pro-Western or Central Asian secularism? Nothing more than what unites the Christian countries.

ブレジンスキー:ナンセンス! 西側にはイスラム教に対しての世界的な方針があったとも語られているが、愚かなことである。世界的なイスラム教などはない。イスラム教を、民衆扇動の目的や感情を抜きにして、合理的な方法で見るべきである。あれは15億人の信者を擁する世界の主要な宗教である。しかし、原理主義のサウジアラビアと、穏健なモロッコと、戦闘的なパキスタンと、、西欧びいきのエジプトと、あるいは、中心アジアの世俗主義と、それらの中のどこに共通したものがあるか。キリスト教国の団結と似たり寄ったりである。

* There are at least two editions of this magazine; with the perhaps sole exception of the Library of Congress, the version sent to the United States is shorter than the French version, and the Brzezinski interview was not included in the shorter version.

* この雑誌には少なくとも2つの版がある。米国議会図書館にあるおそらく唯一の例外を除くと、アメリカ合衆国に送られた版はフランスの版より短くて、その短い版にはブレジンスキー・インタビューが入っていない。

The above has been translated from the French by Bill Blum author of the indispensable, "Killing Hope: US Military and CIA Interventions Since World War II" and "Rogue State: A Guide to the World's Only Superpower" Portions of the books can be read at:

 上記は、必読文献、『希望の殺戮:第二次世界大戦以後のアメリカ軍とCIAによる干渉』および『ごろつき国家:世界の唯一の超大国への案内書』の著者、ビル・ブルームによって、フランス語から翻訳された。

 両著の一部分は、下記で読むことができる:

http://members.aol..com/superogue/homepage.htm
http://members.aol.com/superogue/homepage.htm

 以上で引用終わり。

 ただし、上記のhomepage.htmのいずれも、即座に「ない」と断られた。理由は分からない。

 以上。


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木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
ある時は自称"嘘発見"名探偵。ある時は年齢別世界記録を目指す生涯水泳選手。
E-mail:altmedka@jca.apc.org
URL:http://www.jca.apc.org/~altmedka/
altmedka:Alternative Medium by KIMURA Aiji
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