投稿者 dembo 日時 2001 年 10 月 16 日 23:36:08:
外から見た2000年米大統領選挙
2000年12月14日
http://www.billtotten.com/japanese/ow1/00432.html
米国の大統領選挙もゴアの敗北宣言により、ブッシュの当選が確定しましたが、私の米国の友人から、今回の大統領選挙が他の国の出来事であったら米国人はどう見るか、というメールが送られてきました。ブッシュがどうやって勝利を手にしたか、また彼の人物像が客観的に描写されています。これまで米国は、民主選挙が行われていない国々に対して、民主主義のあり方を教えたり、選挙のやり方に口をはさんだりしてきましたが、自分たちが広めてきた民主主義のやり方で自国の大統領さえ満足に決められない国にその資格があるのでしょうか。今回の選挙には、米国の偽善ぶりが最もよく表れていたと思います。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。(ビル・トッテン)
外から見た2000年米大統領選挙
今回の米国大統領選が、もし第三世界のどこかの国の出来事だったら、米国人はどのような反応を示しただろうか。
1. 勝利宣言した候補者は、元首相の息子で、その首相は以前その国の秘密警察(CIA)の長官も務めていた。
2. 勝利宣言した候補者は、民主主義になる以前の植民地時代の遺物である、選挙人獲得数で勝利したものの、総得票数では敗れていた。
3. 勝利宣言した候補者の当選が確定したのは、彼の弟が知事を務める州の投票方法に問題があったからだった。
4. 投票用紙に不備があった選挙区は、勝利宣言した候補者の対立候補に有利な選挙区であったが、その投票用紙の不備のために、数千票がまったく違う候補者に流れていた。
5. その国で最も蔑視されている階級に属する人々の投票率は、自分たちの生活を案じてか過去最高を記録し、ほぼ全員の投票者が、勝利宣言した候補者に反対票を投じた。
6. 最も蔑視されている階級のうち何百人もの投票者は、勝利宣言をした候補者の弟が知事を務める州の警察によって、投票所に行く途中で投票妨害に遭った。
7. 勝敗を左右した州の投票総数600万票のうち、勝利宣言した候補者と、対立候補との得票差はわずか327票だった。これは、機械による集計誤差の範囲を下回る僅差である。
8. 勝利宣言した候補者とその政党は、手作業によって慎重に票を調べることに反対すると同時に、問題となっている州、あるいは最も争点となっている選挙区の再集計にも反対した。
9. 勝利宣言した候補者は大きな州の現役知事である。この州の人権に関する記録は最悪で、国内で最多の死刑を執行してきた。
10. 勝利宣言した候補者は主な公約として、最高裁判所の裁判官に自分と意見の合う人権侵害者を任命すると発表している。
このような選挙があったという報道記事を読んだ人は、これは勝利宣言した候補者の権利行使欲以外のなにものでもないと思うだろう。そして読者は誰もが、どこか聞いたこともない国で行われた、民主主義以前の、あるいは反民主主義国家の気の毒な国民に関する記事だと、ため息をつきながらページをめくるに違いない。