投稿者 比ヤング 日時 2001 年 10 月 16 日 00:16:26:
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国会からの手紙 2001/10/15-2
第125号:テロ対策特別措置法・党首会談決裂
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◇ 民主党は反対
先ほど(午後10時10分すぎ〜)、党首会談の結果を伝える鳩山代表の記者
会見がありました。
結論から言えば、私たち民主党が生命線だと考えていた「国会における事前承
認」が受け入れられなかったために、交渉は決裂しました。鳩山代表は、「民
主党は反対することになります。」と述べました。
◇ 会談の様子
以下の記述は、記者会見で述べられたことを私なりに整理した会談の様子です。
党首会談と言いながら、小泉首相は目をつぶって聞いていただけ。
1時間の会談中も、2回だけ言葉を発しただけ。
途中に1回「民主党も飲める案ということで、与党3党で修正を加えたので、
よろしく頼む。」という趣旨の発言。(与党は、国会の「事後」承認を加えま
した。実質的には当初の政府案と変わりません。)
最後に1回「とにかく、よろしく頼む。」という趣旨の発言。
鳩山代表とすれば、与党3党の案で一切譲歩しないのであれば、党首会談なん
て必要ない。小泉首相は、周りからほとんど権限を与えられていないのではな
いか、という印象をうけた。
民主党側とすれば、与党3党の合意案を押しつけられるだけで、会談の途中も
小泉首相は目をつぶっており「寝ているのか」という印象をも受け、非常に不
誠実だと感じた。
◇ てつの分析と意見
小泉首相は、「民主党も基本的には賛成のはず。まあ、内部事情があるのでしょ
う。」とテレビのニュースで言っていましたが、私たちにとっては、自分たち
の不誠実な対応を棚にあげたひどい話です。
私たちが国会の事前承認を求めていたのは、何も党利党略からではありません。
このメルマガでも述べてきたように、派遣についての具体的なことを国会とい
う公開の場で議論するためです。事実、周辺事態法やPKO協力法でも、自衛
隊の派遣には、国会の事前承認が必要とされています。
政府は、「今回のテロのための特別な法律だから」として、事前承認を不要と
しています。しかし、それならば、法案を支える事実として、具体的に想定し
ていることを国会の答弁で答える必要があります。
しかし、今の法案審議では、どこに派遣するのか、何を持っていくのか、その
ようなことも一切答えていません。それにもにもかかわらず、国会の事前承認
を認めないというのは、理屈に合わないのです。
今回の交渉の決裂には、民主党に譲歩することに対して、公明党と保守党の強
い反対があったと言われています。公明党とすれば、民主党の参加によって、
連立与党の中での自分たちの存在意義が低下するのを危惧した。そうなれば、
公明党が画策している選挙制度改正ができなくなる、ということです。
私は、これが事実ならば、この国の民主主義は行き着くところまで落ちてしまっ
たと思います。衆議院議員の選挙制度を自分たちの有利になる中選挙制度に変
えるために、安全保障の議論を人質に取る。それは、一人の議員としても、一
人の国民としても、決して認めることはできません。
このテロ対策法が、本当にこの国の未来のためになるのか。今後、皆さんの厳
しい目で、チェックしてください。
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「国会からの手紙」 第125号 発行部数:4213部 tegami@kokkai.org
発行人:てつ /衆議院議員・中村哲治(なかむら・てつじ)
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