投稿者 木村愛二 日時 2001 年 10 月 12 日 14:45:21:
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『亜空間通信』39号(2001/10/12)
【CNNと米軍心理戦争部局との腐れ縁/湾岸戦争報道の偽りの前史を再録】
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転送、転載、引用、大歓迎!
本通信では「11.9.アメリカ重大事件」に関して、イスラエル関与の疑惑を追及している。会員から、[ ★阿修羅♪ 戦争・国際情勢 ] に似たような説が載っているというので、覗いてみたら、ついつい自分も投稿したくなり、その[3 ] まで付き合っている。以下のURLである。
http://www.asyura.com/sora/war3/index.html
昨日、そこへ以下に一部を紹介する投稿が載った。
題は「CNNと米軍心理戦争部局との腐れ縁」である。
投稿者 佐藤雅彦 日時 2001 年 10 月 11 日 19:48:20:
●9・11米国事変が起きた直後の先月15日に、私は以下の投稿を行ない、その引用記事のなかでCNN報道の“信頼性ギャップ”について言及しました。
【 http://asyura.com/sora/war1/msg/243.html
戦争・国際情勢 投稿NO:243 2001/9/15 10:03:15
投稿者: 佐藤雅彦
題 名: 世界貿易センタービル攻撃計画を、金貸し屋たちは事前に警告を受けていたのに、議会は知らされていなかった!】
[中略]
「昨年、米軍の心理戦(psyop: psychological operation)の専門家がCNNに潜入して“仕事”をしていたことが暴露され、大きな問題になった [中略]。
[中略]
最新のニュースとして、米軍諜報部局と連中が、南カリフォルニア大学(たしかスピルバーグなどが卒業した映画学科があったはず……)で、『ダイハード』などの脚本家を呼んで“相談事”を行なったとのこと。
この件は、本日あたりの日本のスポーツ新聞にも報じられているようですが、軍部が招請したのか、ハリウッド側が招請したのか――おそらく両者の利害が一致したということだろうが――興味ぶかいところです。
[後略]
以上で引用終わり。
CNNは、湾岸戦争報道で一躍大手に踊りでたが、最初から臭気紛々だった。以下、わが電網宝庫で無料公開中の『湾岸報道に偽りあり/隠された十数年来の米軍事計画に迫る』(汐文社、1992.5.28. 定価2500円、初版残部僅少) から該当部分を再録する。この時にも、意図的な「映像詐欺」情報操作の疑いが濃かったのである。
p.44-46.
おかしな画面構成の謎が判明。抹殺された記者とコメント
『ザ・スクープ』は、さらに、最初に出現した水鳥の映像を撮ったITN記者、ピーター・シャープの証言を得た。問題のヴィデオのオリジナル版も入手した。
撮影者不明でキャスターのコメントが入っていないことと、「画面構成」の技術に疑問があったのだが、この疑問に関して、『ザ・スクープ』は番組の冒頭にオリジナル版をそのまま流すことで、劇的な回答を与えた。
ITNが製作したオリジナル版では、記者のシャープがマイクを握り、現場でコメントしていたのだった。ただし、そのコメントはいささかも、イラクによる原油放出作戦または環境テロを、匂わせようとしてはいなかった。シャープはまず「クウェイト市の近くで爆破されたタンクから流出した原油」という、加害者名を避けた表現を使い、「どちらの側も、この大惨事の責任を認めてはいませんが……」と語っていた。
前後の事情を総合すると、シャープはむしろ、同盟軍側の「爆撃」による流出だと推測していたらしい。シャープ自身が、『ザ・スクープ』のインタヴューに答えて、要旨、次のように語っている。「ただちにサダム・フセインが流したとは思わなかった。同盟軍の飛行機が飛んでいるのを見ていたし、同盟軍がタンカーを爆撃したニュースを知っていたので、最初はタンカーからの流出だと思った。だが、量が多いので、爆破された貯蔵タンクからの流出だと考えて、そうレポートした」
さて、ITNのオリジナル版はロンドン時間の一月二十五日午後五時四十分、そのままの姿で一度放映された。その二十分後には、CNNが同じものを全米、全世界に配信した。CNNの外報部長は、シャープ記者の「原油流出の原因は明らかでない」という趣旨のコメントを記憶しており、『ザ・スクープ』の質問に答えて、そのコメントが「疑問の余地なく」必要だったと語っている。
ところが、同じ映像をロンドンで受信し、ニューヨークに配信したテレビ・ネットが、もう一つあった。それがWTNである。WTNは、撮影スタッフに断わりなしに、油の流出源に関するコメントをカットしていた。オリジナル版は二分五十五秒だったが、WTN版は一分三十五秒しかなかった。
四時間後、ワシントン時間の一月二十五日午後五時には、ブッシュ大統領が記者会見で問題の「環境テロ」発表を行なった。その模様はCNNのネットで全世界に配信されたが、キャスターの紹介コメントの背後には、原油の波にもまれる黒い水鳥の映像がインサートされていた。その後に、いかにも痛々しい顔を作ったブッシュが登場し、次のような形容でサダム・フセインを告発した。
「この行為にはなんらの道理もない。自暴自棄。最後のあがき。いかなる軍事的教義にも当てはまらない。まさに一種の病的行為」
同盟軍は、同じ趣旨のブリーフィングを行ない、地図を指して、イラクがアフマディ沖のシーアイランドから油を放出していると主張した。以後、水鳥と「イラクが環境破壊」のコメントは、ワンセットで世界中のブラウン管に登場。シャープ記者の姿と、そのオリジナル・コメントは、完全に抹殺された。
[中略]
p.82-84.
ネットワークによる国際的な思想支配にも経済的土台
「ヴィデオ」の「垂れ流し」放映が簡単に行なわれるようになった理由として大きいのは、やはりカネの問題であるが、背景には、それを促進するようなメカニズムがある。
テレヴィというメディアの特性の一端については、すでに元イギリス秘密情報部員リチャード・ディーコンの著書『情報操作』の一部を引用した。簡単にいうと、「いっそうつけ入りやすくなった」のが現状である。ただし、その「つけ入りやすい」性質にも、いくつかの段階がある。今度の湾岸戦争で顕著になったのは、衛星を使う世界規模の中継であるが、それにも色々ある。
一番有名になったのはCNNのバグダッドからの中継であるが、これにも本当の「リアルタイム」である生の現場中継と、いったんヴィデオに収録し編集してからの送信とがある。いわゆる三大ネットからの送信には、さらに番組として製作されたものも加わる。さらに厳密にいうと、これらを受信するネット契約を日本で結んだのは、NHKを含む日本のキー局であって、個々の地方放送局ではない。
以上が、形の上での中央支配ないしはアメリカ支配のメディアの状況であり、この傾向がますます強まったのが湾岸戦争報道の特徴である。
国際的なネット契約には、やはり国際的な値段がある。CNNとこれまで三年契約を結んでいたテレビ朝日の場合、一年で三五〇万ドル(約五億円)の年間契約料だったが、湾岸戦争以後の交渉で、契約期間は四年に延長したものの、契約料は一年約一千万ドル(約一四億円)と、三倍に近い値上げ要求をのまされた。また、自社製作による放送も、こういう国際報道では極端に費用がかさむ。NHKは湾岸戦争報道で約四三億七千万円を使い、担当者は「こんなにカネのかかる取材は、これが最後になるんじゃないでしょうか」(『朝日』91・7・17)などと語っている。このうち、二〇億円が衛星中継の回線費用である。テレビ朝日系列では総経費約二〇億円で、その半分が回線費用だった。
舶来品の「ヴィデオ」にもフィルムの前史があって、フィルムを編集していた時代のドキュメンタリー番組の制作者仲間には、「サルベージ」という内輪の用語があった。製作費が少ないと、沈没船から引き揚げるように古い外国製記録フィルムを探し出して、そのいくつかをつなぎ合わせ、新しい番組に仕上げるのである。だから湾岸戦争報道では、アメリカとのネット契約と自社の海外取材で、通常予算を大幅に上回る費用を使ってしまった日本のテレヴィ局が、あまり深く考えることなしに「ヴィデオ」を再生して使ったのだ。新しく必要な作業は、ナレーションの日本語訳だけ。カネも手間も省けるのだから、この誘惑に打ち勝つのは容易ではない。
だが、「タダほど高いものはない」。逆にいうと、この仕組みを巧妙に利用する側にとって、こんなに「安い買物はない」のだ。ドゥ・リュデールが伝えたアメリカの「パッケージ」は、そういうメディア状況下にある視聴者をターゲットにしたトマホーク・ミサイルだと考えるべきであろう。しかもその裏に、先に紹介したようなCIAさえも巻き込む力を持つタカ派「Bチーム」が暗躍していたとしたら、これはすでに国際的な謀略そのものである。
以上で引用終わり。
その後に私は、上記の『ザ・スクープ』およびその拡大版の特集(以上の全部について、放送界では評価の高いギャラクシー賞を受賞)の録画から『誰が水鳥を殺したか』を作った。「湾岸戦争の報道操作は続いている」というのが、私の主張である。上記のごとく、CNNは、テレビ朝日との契約料三倍近く値上げしたのだが、その際、湾契約料の一部として岸戦争関係の録画の版権をも押さえたのである。テレビ朝日の番組担当者に聞いても要領を得ないのだが、私は、いわゆる「お蔵入り」による意図的情報操作と判断している。
しかし私は録画を持っている。当時の担当ディレクターは契約者で、現在は外れているから、もう遠慮する必要はないので、私は改めてテレビ朝日に原作者としての権利を主張し、「録画を使って自分なりの編集をした作品を普及する。CNNが版権侵害と訴えてくれば、『しめこの兎』で、相手に取って不足はない」と通告しておいた。
上記のヴィデオ、『誰が水鳥を殺したか』は、当時の担当ディレクターと一緒に、市民集会で講師として「湾岸戦争の報道操作は続いている」という題名の話をした時に、説明用に作成しものである。複写が欲しい方は申し込まれたい。
頒価は2000円、送料は500円。
申し込みは郵便振り込みで、同上の合計金額の振り込みと同時に通信欄に記入。
口座名:亜空間通信、口座番号:00130-3- 74345
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木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
ある時は自称"嘘発見"名探偵。ある時は年齢別世界記録を目指す生涯水泳選手。
E-mail:altmedka@jca.apc.org
URL:http://www.jca.apc.org/~altmedka/
altmedka:Alternative Medium by KIMURA Aiji
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