投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 10 日 03:16:16:
【マレーシア】首相「報復攻撃支持できない」
7日夜(マレーシア時間8日未明)に開始された米英連合軍のアフガニスタン攻撃について、政府は8日、報復行動を支持しないとの立場を表明した。同日の国会開
会時に演説したマハティール首相は、「テロリズムとの戦いは支持するが、対アフガン攻撃は支持できない」「今回の攻撃は悲劇を生むことになる」などと述べ、戦争
ではテロ根絶は不可能と強調する一方、報復攻撃で無実な人々が犠牲になることを懸念した。「テロリストたちは(報復攻撃から)逃れることができるかもしれない。
殺されたり捕らえられたとしても、テロリストは生き残る」としたマハティール首相は、武力行使がテロを根絶できるという保証はないと訴えたほか、「なぜテロが行わ
れるのかを突き止め、その原因に注意を向けることが、テロ根絶に向けた唯一のアプローチになる」と主張した。
首相はこのほか、国内政情にも言及し、「マレーシアは、政権を投票で選ぶ民主主義制度を実践しており、効果を上げている」と指摘。その上で「テロリズムは(政権
交代のための)選択になりえない」と言明した。
首相はさらに、テロ組織とイスラム教が関連づけられている問題について「テロリズムはイスラム教徒の独占手段ではない。ユダヤ教徒やヒンドゥー教徒、仏教徒、
キリスト教徒、無神論者もテロ活動を行ってきた」と強調。反テロの方針を明確にするため、イスラム諸国は会議を招集するべきとした。
一方、カタールのドーハで10日に行われるイスラム諸国会議機構(OIC)特別会議に出席するためにアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに立ち寄っていたサイド・ハミ
ド外相は8日、アフガン攻撃で周辺状況が悪化した場合には、パキスタンに滞在している高等弁務官事務所(大使館)の職員や留学生らを同国から避難させる可能
性を示している。
■野党PAS 「米国は犯罪者だ」
最大野党の全マレーシア・イスラム党(PAS)は8日、同日未明(マレーシア時間)に米英連合軍がアフガニスタンを攻撃したことについて、「米国とその同盟国は、ア
フガン政権(タリバン)との話し合いなしに攻撃を仕掛けた犯罪者だ」と強く非難した。
PASのアジザン・アブドゥル・ラザク広報担当は「駐パキスタンのアフガン(タリバン)代表はこれまで数回にわたり、オサマ・ビンラディン氏がテロ攻撃の容疑者であ
る証拠を差し出すことを条件に米国に話し合いを要求していた」と指摘。マレーシア政府に対しては、「(1998年11月、アンワル前副首相支持者による反政府運動を
支持する発言をした)ゴア前米副大統領を非難した首相なら、アフガンを攻撃した米国を支持することはないだろう」と述べ、米国の報復攻撃に賛同せず、アフガン国
民に自国の政権選びを任せるよう求めた。
同広報担当はこのほか、地元メディアに対し「公平な報道を望む」と付け加えた。
このほか、アンワル前副首相夫人のワンアジザ議長が率いる野党の国民正義党も、米英連合軍によるアフガン攻撃を遺憾とする声明を発表。「暴力で暴力を制する
ことはできず、逆により多くの暴力を生む。空爆はテロ問題を解決できない。テロ問題の解決は国連に委ねるべき」と主張し、米国とその同盟国に対し、直ちにアフガ
ンに対する武力行使を停止するよう訴えた。(NNA)
[10月9日0時26分更新]
# 「ソロス氏」を堂々と非難したマハティール首相、今回もやりますねぇ。