投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 09 日 19:14:49:
10/09 16:48 ロシアを西側先進国と認知 欧米とテロ対策連携強化 外経80
共同
米中枢同時テロに対する国際協調態勢について、英王立国際問題
研究所のブリジット・グランビル国際経済部長に聞いた。(ロンド
ン共同=長谷川健司)
―テロ対策でロシアが欧米と連携を強めているが。
「プーチン大統領は政治にたけており、米国にテロ情報提供や中
央アジア諸国への接近容認など全面協力を打ち出した。その引き換
えに、世界貿易機関(WTO)加盟への支援、対外債務削減、チェ
チェン政策への理解などで欧米から利益を得る。政治、経済両面か
らロシアは西側先進国の仲間と認知されるだろう」
―中央アジア諸国に変化は。 研究所
「どこにあるかも知られなかった国に関心が向いた。支援の必要
性が認識され、真の対話が始まる。これらの国が世界に触れ、指導
部に何をもたらすかが興味深い」
―テロの背景に貧困があるのでは。
「ウサマ・ビンラディン氏のように中心人物が富裕な場合がある
ことに注意が必要だが、貧困、不公平、絶望感がテロの下地をつく
っているのは事実だ」
「貧富の格差縮小のため先進国には是正すべき政策がある。欧州
連合(EU)は農産物、米国は繊維製品を発展途上国に市場開放し
ていない。十一月のWTO閣僚会議はなんとしても開催し、金持ち
国が貧しい国に配慮した通商合意をすることが極めて重要だ」
―テロ対策でカネや人の流れが規制され、経済のグローバル化が
止まるのか。
「一時的に極端な方策が取られることはあっても、そのうち元に
戻る。カネの力は常に強いし、商売は商売だ」
―世界経済の見通しは。
「世界不況になると言う人が多いが、今は実際の兆候はない。主
要国が金融緩和など正しい対策を講じており、経済の急減速は防げ
るはずだ。経済大国日本は、銀行システム再構築など改革をさらに
実行するのが世界のためにもなる。(小泉)首相にとって改革を促
進する絶好の機会だ」
× ×
ブリジット・グランビル パリ生まれ。フランス・ディジョン大
学などで経済を専攻。欧州委員会のモスクワ駐在エコノミスト、ロ
シア大蔵省顧問などを経て1999年1月から現職。44歳。
(了) 011009 1647
[2001-10-09-16:48]