サダム・フセイン大統領の第一、第二公開書簡 

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投稿者 dembo 日時 2001 年 10 月 09 日 12:51:45:

サダム・フセイン大統領の第一、第二公開書簡  

駐日イラク大使館から発表されたサダム・フセイン大統領の第一、第二書簡 を送ります
アラブの考えを知る上で、また今回の連続テロの背景をする上で重要な示唆に富んで
いると思います。
世界に占める中東地域の重要性を知る上で、活用して下さい。  "阿部政雄"

_____________________________________

サダム・フセインよりアメリカおよび西欧諸国民とその政府への第一公開書簡
2001年9月15日

 慈悲深く慈愛あまねくアッラーの御名の下に
 今一度、われわれは2001年にアメリカで発生した事件とその様々な結果につ
いて論評したい。この事件の翌日、この事件とその他の諸事件についてのわれわれの
立場の骨子を発表したが、アメリカで、特に西欧、さらに世界全般に生まれたその余
波は、各国の指導者が、この事件の経過を単に追っているばかりではなく、各自の国
民、国家、人類全体全体に対する責任の意味を理解し、この事件を追跡するために、
事件の進展を理解し、それによって国や国民の立場を詳細に説明することが重要となっ
てきている。
 
 この大事件が発生すると間もなく、アラブの統治者やイスラ−ムをその国民の宗教
とする国々の主権者は、慌ただしく、この事件を非難した。西欧諸国の指導者も声明
文を発表し、決議を採択したが、その中にはアメリカと手を結んで、テロリズムを糾
弾すると言う危険なものも含まれていた。

 まだ確かにもなっていない前から、西欧諸国は事件の当事者と立証されるであろう
とされる特定の当事者に、まるで宣戦布告をするかのように、アメリカに軍隊をその
兵力を参加させることを決定した。

 すでに言われているごとく、現状を説明し、あるいは特定の国々にアメリカがこれ
まで取ってきた行動を比較してみれば、アメリカが軍事的報復を行なうためには、こ
の事件の実行犯のあるものたちが、アメリカから名指されたり、あるいはこの作戦を
そそのかしたと言われる国から来た言うことで十分であろうと言うのは不思議でない。
われわれは、この計画者や実行犯人のあるものたちが、西欧に住んでいたり、あるい
はその国籍を持っていたり、その意図と策謀がイスラ−ム当事者に向けられていたと
判明した時、これらの国が同じような行動をとったかどうかは、疑問にでろう。
 
 アメリカと西欧諸国の数カ国がまぎれもなくイスラ−ム教徒を標的にしていること
は、そのメディアによる戦争熱を煽っていることからも大いにあり得ることである。

 アメリカで発生した事件は異常な事件であった。それは決して単純な事件でない。
アメリカの公式の情報筋の発表した数字によれば、その犠牲者の数は膨大なものとい
う。アメリカと西欧諸国が単純な疑いを抱き、あるいは気紛れによって、他国を砲火
にさらす兵を動かし、武力を行使する力を持っていること、あるいは発作的な怒りや
貪欲さから、あるいはシオニストにそそのかされて、破壊しようとしたり、害を与え
ようとする相手に、アメリカ製ミサイルを撃ち込んだり、NATOの戦闘部隊を派遣
する力を保持していることができることを誰も疑わないし否定しない。

 世界の多くの国は、アメリカの科学技術力によって苦しめられてきた結果、多くの
諸国民はかれらの国の中で、アメリカが数千人、いや何百万人の人々を殺してきたこ
とを知り抜いている。

 アメリカで発生した事件は異常な事件であった。それは決して単純な事件でない。
 この犯行の実行犯人が海外からやって来たという仮説に立つと、メディアの報道が
指摘しているように、アメリカ国内でその怒りを爆発させために、ある者たちが海を
渡ってアメリカにやってきたのは、これが最初である。

 この事件が前例のないものである以上、アメリカや西欧の技術的科学的能力を備え
た人びとが、従来の方法によってこの事件と対処することが賢明ではないだろうか?
  

 もし仮に標的と目的にされるものが、イスラ−ム諸国の中の一国もしくはそれ以上
の国々であったなら、西欧諸国のいくつかの国のメディアと諜報機関の情報が伝えて
いるように、これはアメリカや西欧諸国が、常に新しい武器を実験してみたいという
場所にその砲口を向けた方向にあてはまるからであろう。

 われわれはもう一度尋ねる。アメリカが砲撃の照準を特定の目標に会わせ、西欧諸
国政府の支援を得て、それに害を与え、破壊しようとすることが、この問題を解決す
るだろうか。あるいは、アラブ諸国とイスラ−ム教徒を含む国々にたいしてアメリカ
や若干の西欧諸国によってその砲火が浴びせることが、現在世界を不安定にしている
重要な理由の一つではないだろうか?
 
 2001年1月11日の行動がアメリカに加えた災禍は、まさに、こうした一連の
積み重ねられた行動の結果ではないだろうか。これが主要な問題点であり、これは、
アメリカ政府が西欧の諸政府あるいは西欧の世論とともに、何よりもまず、冷静にま
た責任を持って回答すべきでことである。決して感情的反応とか、アメリカがこれま
で世界に向けて行なってきた古めかしい方法を繰り返してはならない。

 2001年9月12日、われわれはこの日以前には、アメリカに向け、武器を携え
て大西洋を渡ったものは、誰もいなかったと言った。唯一の例外は、ヨーロッパ人が
アメリカ合衆国を作るために渡っただけである。アメリカは世界に破壊と死の兵器を
携えて大西洋を渡った国である。ここで、われわれは、質問したい。すでに9月11
日以前に、アメリカは日本に投下した原爆兵器を含むアメリカの武器を、より激烈か
つより強力な方法で使う力を十分備えているのではないか、と。あるいは、世界の中
のどの抑圧的な勢力もやっているように、無責任なやり方で、また正当性もなくこう
した武器を使用することが、アメリカを、西欧とアメリカの分類による第三世界と中
間世界、さらに文明社会の中で最も嫌われた国にしたのではないか、と。

 もしアメリカの指導者ならびに西側その他の諸国における現支配者の中で音頭をと
る者たちが理性的になるならば、もしアメリカがみずからをシオニズムとの邪悪な同
盟関係から切り離するなら、アメリカ国家の安全保障ばかりか世界の安全保障も達成
されるであろう。シオニズムはアメリカと西側の数カ国を利用して、世界を搾取し、
世界を血と無知のなかに陥れようとしてきたのである。

 アメリカ国民がもっとも必要としているのは、勇敢かつ正直にありのままの真実を
彼らに語ってくれる者である。アメリカを襲った事件の兇悪さにもかかわらず、もし
アメリカ国民が本当の覚醒にいたるために事件から教訓を汲みとりたいと望むなら、
彼らが必要とするのはファンファーレやチアリーダーではない。そうではなくて、ア
メリカの支配者達をふくめて世界が、アメリカ国民に対して、真実を語る勇気を持つ
ように、そして正しいことに従い、間違ったことや不正には従わず、理性と情熱をもっ
て、困難のなかでも好機をつかみ能力を発揮し、公正かつ公平に責任を担うように、
と断言すべきなのである。

 さらに、われわれはアメリカ国民にむかって、2001年9月11日に起こったこ
とは、アメリカ政府とその軍隊が世界でおこなっていることと比較されるべきだと断
言したい。たとえば国際機関は、アメリカならびに西側の数カ国が押しつけている経
済封鎖のために、150万人以上のイラク国民がこれまでに死亡し、そのうえにアメ
リカがイラクに敵対する同盟者とともに遂行した軍事作戦によって幾万人が死傷した、
と公表している。何百の橋梁、教会、モスク(イスラム教寺院)、大学、学校、工場、
宮殿、ホテル、そして何千の民家が米・欧の爆撃によって破壊され、あるいは損傷を
受けたし、そうした爆撃は今でもイラクに対して継続されているのである。もし諸君
がこうした破壊の場面を西側メディアによる映像を通じて繰り返し目にしたとしたら、
特にそうした映像に男性ならびに女性や子ども達の遺骨もまじていたとしたら、残酷
さこそ劣るとしても、それはボーイングの旅客機が衝突した二つのビルの映像となん
ら違わないことに気づくだろう。しかしながら、一つだけ違いもある。すなわち、標
的にむけてミサイルや爆弾を操っている者は、それがアメリカ人であれ西欧の人間で
あれ、たいてい自動制御によって操作しているのであるため、それがまるで娯楽ゲー
ムに興じているかのように思われる理由にもなっている。
だが2001年9月11日の事件を起こした者について言えば、彼らは射程に近接し
たところで操縦し、不退転の決意で自分の生命をすすんで投げ出して実行した。その
ためにアメリカ人やそれに同調する世界は、自分の生命を犠牲にさせる理論、このよ
うな形で彼らに自らを犠牲にするのをいとわなくさせているのは何のためか、といっ
たことを理解すべきである。

 西側で作成された文書によれば、アメリカの経済封鎖と侵略が原因となって、25
00万人の人口のうち150万人が死亡するという事態は、イラクが全人口の約25
分の1を失ったということ意味である。そして、ちょうど諸君の美しい超高層ビルが
破壊されて諸君の悲しみが生じたように、シオニストたちが使うアメリカ製の武器に
よって、レバノンやパレスチナ、イラクでは美しい建物や大事な家屋がその住人のう
えに崩れ落ちた。湾岸戦争時のイラクでは、アメリカ軍の爆撃によって、民間人のた
めの退避壕であったアメリヤ・シェルターという一カ所だけでも、子ども、青年、老
人の男女400人以上が死亡したのである。

 ちょうど9月11日という同じ日、イラクに侵入した米英軍の一機が撃墜された。
パレスチナで進行している事態について言えば、もしシオニストが諸君のテレビにア
メリカ製の武器で毎日のように殺される子どもや成人男女の死体を映しだし、それと
ともにシオニストを後押しするアメリカ人を映しだすならば、君たちが感じる痛みは
慰められるだろうか。被害をこうむった時にアメリカ人が正しい解決策と正しい進路
を見つけ出すためには、アメリカ人は自国以外の世界の諸国民に与えてきた痛みを感
じとるようになるべきである。

 米欧諸国によってアラブ人とイスラーム教徒に押しつけられているすべての問題は、
それを理由にして、イスラーム教徒が人種主義者になることはなかったし、バグダッ
ドやダマスカス、チュニス、カイロ、その他のアラブ諸国の首都で街路を歩行する西
欧人にイスラム教徒が嫌がらせをすることもなかった。こうしたことは西側の人間、
とりわけアメリカ人がバグダッドに対して邪悪な攻撃を展開するために、まるでサウ
ジアラビアを占領したかと思わせるほどアラブ人とイスラーム教徒にとっての聖地を
侮辱したときにでさえ、あるいはアメリカの空母がアラビア湾に遊弋(ゆうよく)し、
その艦載機が毎日何トンもの爆弾とミサイルを投下するためにイラクの領空を飛びか
い、その結果、約20万トンの爆弾がイラクに投下されたときでさえ、さらにはまた
劣化ウラン弾が使用されたときにおいてさえである!! これらすべてのことは、ア
ラブ人とイスラーム教徒だけが知られているのではなく、世界中にもよく知られてい
る事実なのである。それにもかかわらず、ある一日、アメリカに起こった一つの事件
を理由にして、しかもあろうことか確証のない告発にもとづいて、アラブ人とイスラ
ム教徒はアメリカ国籍を持つ者も含めて、アメリカや幾つかの西欧諸国であからさま
に公然たる嫌がらせを受けている。西欧の数カ国は、あるイスラム教国に対するアメ
リカの軍事行動に参加する準備をはじめている。こうしてみると、狂信的になってい
るのは誰なのか?

 そしてこれは幾人かの西側指導者によって以前から是認されていたことだが、こう
した事態はあるイスラム教国に対する軍事侵攻とか、新たなる十字軍、狂信主義といっ
た最も悪名高い狂信ぶりと結びついている。それは西側世界とNATO諸国によるイ
ラクに対しての十字軍をアラブ人とイスラム教徒に思いださせている。

 最後に、もし君たち西側の支配層が自国民の血を敬い大事に思うのなら、なぜ君た
ちはアラブ人とイスラム教徒の血を含む他の人間の流血を招くような事態を安易に考
えつくのか? もし君たちがみずからの価値を尊重するのなら、なぜアラブ人とイス
ラム教徒の価値を尊重しないのか? アメリカには武力ではなく分別が必要である。
アメリカが西側諸国とともに軍事力を極端な形で行使してきた結果気づいたことは、
アメリカは彼らが求めるものを達成できないという事実である。アメリカの支配者た
ちは、まさに自国民が安全かつ安定した生活を送ることができるようにするために、
分別ある努力をしてみたらどうだろうか?

 慈悲深く慈愛あまねくアッラーの御名の下に
 すべての者を分別と美しい教えにより汝の主の道に招くなら、至高の慈悲深き方法
で彼らと論じよ。なぜならば、神の道より離れし者と、導きを授かる者こそ、神のもっ
とも知りたまう者なればなり。


__________________________________

アメリカ合衆国および西側世界の諸国民と政府へ
       サダム・フセインからの第二の公開書簡     

            2001年9月18日

 いま一度9月11日にアメリカを襲った事件に対するコメントにたち帰ってみよう。
それはこの事件の意味ゆえにではなく、われわれも信仰を共にする民族として今回の
事態から派生している結果の巻き添えになっているからである。

 われわれはすでに先の機会に、アメリカ合衆国がこの50年ないしはそれ以上にわ
たって軍事力を行使してきたことから分別を持つ必要があると主張した。もし今回の
事件に関して何かを言ったり,その態度をあからかにしたいと望む者がいるならば、
また、もし世界の平和と安定に関心を持つ者がいるのなら、われわれは現在もなお、
より重要なことは米国に対して世界が助言しなければならないということだと考えて
いる。このたびアメリカで起こったことは、米国と世界が米国内からではなく国外か
らもたらされているという評決を納得するかどうかということである。

 もし告発者が他人を納得させようと望んだり、告発に耳を傾けさせようと期待する
のなら、あるいはまた、みずからの義務として告発に最低限度の関心を払うならば、
いかなる容疑も証拠にもとづくべきであるということは、法律的にも一般的な基準に
おいても、取引や社会生活さらには政治生活においてさえも議論の余地はない。しか
し米国はそのような容疑についての最低限の証拠を入手する以前に、立証されてもい
ない容疑をつくりあげた。まず第一に、事態を明らかにする機会さえも活かされなかっ
た。煽動と脅迫の大宣伝が展開され、興奮して国家や集団や個人までひっくるめて非
難の基盤を広げることによって、なにやら無責任なことが主張され始めた。
 米国政府高官は容疑を作りあげ、誘導されたメディアやシオニストのメディアばか
りでなく公認・非公認の者にもフリーハンドを与えて、国民の心理に容疑を認めさせ
る準に着手したのである。これは何を意味するだろうか?

 一言でいうと、米国は法律を意に介しない。法律に依拠することもない、という意
味である。今回の問題であれ、その他の問題であれ、米国は危険な政策をとっていて、
対立する見解には関心を払おうとはしないでいる。米国は証拠固めになんの努力もし
ないと判断する理由はここにある。その結果、米国が評決を下すのに何の証拠も必要
とされないのである。米国の政府高官以外の者が納得しようが納得すまいが、なんら
かの発言があり、評決が下されればそれでいいのだ。つまり、米国は1990年以来
追及してきた政策を維持しており、全世界の人民と諸国政府の見解は無視するという
ことである。米国がみずからを世界の民主国家(そのナンバーワン)であると触れま
わっているにもかかわらず、他者の見解は重みを持たないし留意されることもないの
だ。民主主義の根本的意味は、西洋世界において最初に出現した標準においてさえ、
国民が十分に認識して責任を負えるようにするために事実は国民の前に明らかにされ
るべきだ、というものである。米国は今回の事件で正反対の態度をとっているとわれ
われが主張するのは、実際的な見地にもとづく説明なのである。つまり、アメリカの
政府高官は自国の国民の見解さえも尊重せず、世界中で孤立しているのである。

 このようにして、アメリカの政府高官は国民をだまし、誤った印象をふりまくメディ
アをあおって敵にむけて駆りたてているかのようである。そして彼らが非難する事件
の責任がその敵にあるという証拠は何も示すことができないでいる。これら米国政府
高官たちが成し遂げようとしていることは、この事件が起こる前から敵として疑われ
ていた者に対して米国人民の敵意を誘発することである。アメリカの納税者は策略に
よって自国の高級軍人や政府高官レベルの激高した議論に引きまわされ、この脅迫を
受け入れるようにあらかじめ準備されたもとに置かれているようだ。

 政治的な審判はいつも同じ根拠、手続き、経過が裁判官や刑事裁判所によって採用
されてから発せられるとは限らない、と論じる者がいるかもしれない。むしろ、正し
さを証明しうる結論にいたるには判例と背景説明があれば十分にこと足りるんだ、と。
議論するうえで、仮にわれわれがこの見解に同調するとして、メディアや政治宣伝か
ら生まれた声明、たとえそれが今回のような、政治的声明であったとしても、われわ
れはそれは正しいかもしれないと言おう。この意味において、誤りは必ずしも致命的
なものではない。

 しかし、この見解は戦争においても通用するだろうか?
 戦争というのは通常の状態ではないのだと、いま一度われわれは主張する。それは
諸国とその国民の日常生活のなかで処置されることでもない。戦争はやむをえない例
外的な事態である。たとえ特定の政党や国家に対する容疑が固まっているとしても、
告発者が容疑をかけている当事者に戦争を宣言するほど結論的な証拠は十分でない。
また死亡や財産の破壊やその後の重大な衝撃をふくめて、内外の国民が耐えなければ
ならない痛みに対して責任を負えるほどのものでもない。それはただ米国政府がある
宗教に対して国籍を特定することなく容疑をかけているだけのことである。

 政府高官がその内部で主張しているだけのことであり、米国政府としては明言して
ない−−こう主張する者の調停案を受け入れることとしよう。実際に数人の政府高官
が、自分たちの政策方針は想定されている宗教に対して容疑をかけるものではないと
否定している。しかしながら、われわれはある民族、ある国家、指名された集団や個
人に対して戦争を宣言したり容疑をかけるほどの証拠が欠けており、適切な告発をお
こなうための黄金律のような健全なルールに反しているのみか、こうした事実は、今
回の事態がイスラム教徒によって引き起こされたという明確な証拠もなしに、それ以
前から準備されていた容疑にもとづくものだと理解する以外にないと信じている。こ
のような嫌疑は、世論がそれを受け入れるように、あるいはそれに反対することは不
協和音のように聞こえるのでその嫌疑に歩調をあわせるように仕向け、メディアの気
ままに活躍させることによって補完された。
 次にリストをあげる:

 アフガニスタン、オサマ・ビンラディン、イスラム教の政党ないしは組織であるカ
イーダ、シリア、イエメン、アルジェリア、イラク、レバノン、パレスティナ。
 このリストは機会さえあれば大国の政策次第で削除と追加がなされ、あるいは戦争
を布告する好機をうかがっていた大国の指示によって手が加えられたりするだろう。
リストの細目が増えるか減るかは、その前線に立つアラブを含むイスラム教徒の告発
という以外には何の意味もない。基本的に自分たち自身とその政策がアラブおよびイ
スラム教徒に敵対するものだと米国政府高官が考えていなければ、このようなリスト
がなぜ彼らの心に浮かんだりするのだろうか? 

 今回の告発は、彼らの外交政策が、アメリカ合衆国の政策とは両立しないと言う想
定、つまり世界およびパレスティナに対する米国・シオニスト同盟の政策には屈服し
ないという想定の上に成り立っているという古い恨みに決着をつけたいという以外に
意味はないだろう。 

 数カ国を目標にすえることを念頭においているからこそ、戦争が長びくかもしれな
いと語った米国高官の声明を考えてみよう。脅迫ということでいえば、彼らの呵責な
きテロリズムと脅迫の政策に基づいて、そのリストは長くも短くもなるけれど、とに
かく幾つかの国家と政党を対象とした脅迫とテロリズムに注目してほしい。そのテロ
リズムの最たるものは、シオニスト国家およびその下劣な帝国主義政治の侵略によっ
て、アラブ諸国民、イスラム教徒、パレスティナ人民もやがてその闘技場から立ち去
るだろうという彼らの幻想に目を向けてほしい。

 法的な基準でなくとも今日的な基準に照らしてみる時に、こうした容疑が熟慮する
こともなく手早く作りあげられたということは、米国政府の心的状況が今回の事件よ
り以前に前もって準備されていたことを物語っている。すなわち、イスラムはアラブ
民族とともにイスラム教徒を指導しており彼らは米国の敵である、という決定的な評
決に等しい前提ができあがっていたということである。より正確にいうならば、米国
はアラブ民族ならびにイスラム教徒と敵対しているという見解を、米国がその支配者
のレベルで最終的な評決として採択しているのだ。そうした文脈のなかで、彼らは心
の底でこの最終的な評決をあたためていたのである。これにもとづいて彼らは準備を
さらにすすめた。同じようにして彼らは(心の中に)コンピューターを用意したが、
それはこのような前提条件でプログラムされ、すでに結論的な評決の形がとられてい
た。このことは、シオニストの政策にとってお気に入りの政治評論家たち、いわゆる
解説者たち、元長官および大臣といった者たちに与えられている自由な発言権を思い
浮かばせる。それは、最近の10年ないし15年以上にわたって、彼らシオニストた
ちが、イスラムの教義とそれに含まれた意味にもとづく信仰はその関係者ともどもア
メリカと西欧社会にとっての新たなる敵であることを当然と思わせることを狙ったも
のであり、アメリカの支配層がシオニストの思想と陰謀の影響を受けた西欧数カ国の
支配層の協力を得て行動する上で隠れ簑となるもである。

 明らかに、この想定は、もはや精密な点検や試験のための純粋な仮説という次元で
はなくなっている。それは結論的な評決の本質的な部分になってしまっている。熟慮
することも基礎的な証拠を入手することもなく、結論的な評決を決定するために、事
前に推定されていた証拠に基づいて評決が即断的に下された理由はここにある。イス
ラム教国やアラブ諸国のすべての政府に対して容疑がかけられたばかりでなく、アラ
ブ民族および名指された者、政党、国家と政府のすべてを含む全イスラム教徒が容疑
者にしたてあげられたのである。これらの国々やその人たちの政策は米国を喜ばせる
わけではなく、その政策と立場は米国にとって心地よいものではないからで、とりわ
け、彼らがパレスティナの解放とアメリカによるイラク侵略の停止を要求し、みずか
らの独立と民族遺産をかたくなに守っている以上なおさらである。

 現実に展開されているこのような結論に驚いている者は誰であれ、より丁寧に言え
ば、評決をやりなおす余地を認める人々は、以下に示すわれわれの評決をよく考えて
みて頂きたい。

 米国は戦争状態にあると宣言した。それは事件が起こって間もない瞬間から戦争熱
をあおり、まるでその機会を待ち望んでいたかのようであった。米国は戦争に必要な
基金、あるいはその一部を計上した。戦争にいたるにはそこに行き着く過程があるは
ずだし、それを構成する部分があるはずだ。敵が誰であるかを特定もしないうちに宣
戦布告した国のことを、諸君はこれまでの歴史で耳にしたり何かの本で読んだことが
あるだろうか? 米国にふりかかった事件と共に戦争状態を宣言するための好機が到
来したのだ。国外の敵によって引き起こされたものか、それとも国内の者による犯行
かさえ、まだ判明していない。このようにアメリカの名によって宣言された戦争は、
事件のせいだという理由とならなくなった。むしろ、今回の事件は戦争を引き起こす
好機となったが、この戦争は、どんな場合でも、この事件の結果ではないのである。

 それはこの事件が引き起こしたなりゆきなんだ、と主張する者がいるかもしれない。
アメリカ政府高官が感じた痛みの大きさは自国人民がこうむったものとして受け止め
られ、被災者の苦しみを前にして受けた同情がアメリカの支配層を刺激して宣戦布告
へと駆りたてたのだ、と。だが国民のこうむっている犠牲は今回の事件によって引き
起こされたものだけではない。世界の諸国家ならびに自由を愛する人々に対する陰謀
や暗殺、破壊工作のたくらみを実現することに没頭している米国当局者の失政によっ
て引き起こされているのである。彼らは他の選択肢を放りだして戦争をはじめるため
に、大急ぎで宣戦布告をして特定集団を名指しする、そのため当事者は戦争に突入す
るしか選択の余地がなくなってしまった。いま一度われわれは主張する。これが告発
とそれによる解決を促すための理由や根拠となりうるだろうか? では、なぜ根拠と
なりえないのだろうか? もし米国の高官のレベルで解決策が前もって計画されたも
のではなく、熱い旋風の結果として戦争決議という結果になったのだというなら、な
ぜ諸君は熟慮か冒険かという同じプレッシャーのもとで誰かがそのような情熱を発揮
して、これに立ち向かうことを期待できないのだろうか?

 いま一度われわれは主張する。米国政府ならびに西側同盟諸国の政府は、アラブ民
族とイスラム教徒にさらには世界に対して過去にもまた現在でも、同盟国の軛の下に
苦しんだすべての地域で、思いのままに権力を振るい、軍隊を配備し、こうしたこと
を経験した人々を脅すことが効力をなくしてしまった今では、あとは分別に頼ること
が必要となっている。尊厳、祖国の主権および誠実な人間の自由は、他の厳粛なこと
がらと並ぶアラブ民族はもちろん真のイスラム教徒が支持している聖なる訴えである。
もし現実に即して今回の事態が仕組まれた緊張であり、それがアラブとイスラム教徒
に対する戦争を決定したというなら、決定に参加した者たちが宣戦布告に口実を見つ
けようとしているという状態のもとで、まさしく全能の神以外の誰かこれを未然に防
ぐことができるものがいなのだろうか?神を知り、神を恐れるようになった者、神を
信じるようになった者が十分な知識を掴んだ時に、諸国民の意思を表明する誰かが現
れないものだろうか。

 「われわれにとってアッラーは十全であり、アッラーは凡ゆる事態の最良の処理者
であり給う」(聖コーラン)
 いま一度われわれは主張する。民衆はもはや米国のかかげるスローガンを信用して
いないし、米国から害悪をもたらされようとしている人々を認める。米国がテロリズ
ムとたたかうと唱えたときでさえ、米国はそれを国際法にしたがって世界中に適用す
ることをしない。しかし米国は、世界に自分たちの欲求を押し付けつけようとし、米
国が自国にとって有害であると考えるものを拒否し、その他の種類のものを世界に輸
出すると言うアメリカの意図に基づくものとしている。このことを証明するために、
はたして米国は自国人民にむかって、米国に反対して活動している組織が自国内にど
れほど多く存在するかを語ることができるだろうか?と問いたい。 そして、テロリ
ズムという言葉を二重の基準で使わずに、一つの基準で使うなら、いま指摘したうち
のどれだけの組織にテロリズムという言葉が適用されるだろうか? また、どれだけ
の組織に対して米国は公然と、または非公然のうちに、財政支出をおこなっているだ
ろうか?他国における殺人と窃盗で非難されている組織のうちのどれほど多くが現在
も米国内に存在しているだろうか? 

 米国がこのような目録を自国人民と世界にむけて発表し、米国のスパイや友人と呼
ばれている者に対しても一つの基準、一つの規範をあてはめることに着手するという
のはどうだろう。そして、パレスチナ占領地やチュニス、レバノンにおけるパレスチ
ナ人殺害に関わるシオニストに対して、米国はこれと同じ荒療治を施してみたらどう
だろう。また、米国がみずからの秘密情報機関を彼らが関わった特殊任務と殺人の容
疑で告発し、小説の形で出版したらどうだろう。こうした提案が実現されたときだけ、
はじめてアメリカは信用される努力をしているとして再生アメリカのスローガンが信
用されるだろう。そうなったときにはじめて米国の信じることを世界が実行するよう
要求することが道理にかない、それが米国の安全保障と世界の安全保障のために有益
であるということになるのである。

 今や機は熟しており、見解を発表する好機である。それは米国民と西側世界の諸国
民全体にむけて発せられているものだ。シオニズムは1897年に有名なバーゼル会
議(第一回シオニスト会議)を招集して以降、世界の支配を企ててきた。それ以後、
シオニズムはこの方針のもとに活動してきた。それは成果をあげてきており、意思決
定センターとして皆さんの国でもあちこちにある金融やメディアおよび通商センター
を支配することによって、皆さんも気づくことができるようになっている。しかしシ
オニズムの支配は、まだ、その意図が絶対的かつ最終的なものとなるほどには達成さ
れてない。その可能性が生まれるのは、世界最大のブロックによって支持された二つ
の宗教が衝突したときである。さもなければ、シオニズムのすべての野望の成就は拒
まれるだろう。そこでシオニズムの指導者たちは、世界支配への可能性をひらく唯一
の機会として、キリスト教とイスラム教の衝突を願って工作してしている。盗みを働
く犬が目を開けて食べ物を獲得しようとしているのに家族は嘆いてばかりいるという
状況にまさる好機は外にあるだろうか。西側世界の良識ある人々がこのことに気づい
ているだろうか? それともシオニズムがその目的を達成するためにこれらの良識あ
る人々を出し抜くのだろうか?


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