投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 08 日 21:01:04:
【ワシントン布施広】米当局者によると、ブッシュ大統領は7日、パウエル国務長官に週内にもインド、パキスタンを歴訪するよう命じた。アフガニスタン攻撃に伴い域内が不安定化しているため、「核保有国」のインド、パキスタンの関係安定を図り、タリバン政権崩壊後のアフガン新体制についても協議する必要があるためとみられる。
パキスタンはタリバン政権を承認する唯一の国だが、インドは反タリバン連合(北部同盟)に近く、アフガン情勢をめぐってインドとパキスタンは微妙に対立している。米国は「全アフガン人による新政権」をつくりたい意向で、新政権発足に当たっては、北部同盟を支援するロシアも含めた多国間協議が必要になりそうだ。
また、米国はパキスタンの「危うい政治状況」(アーミテージ国務副長官)を懸念、同国の政変により核兵器が過激な勢力の手に渡ることを恐れている。このため米国は、経済支援などでムシャラフ政権を支える必要があるが、こうした姿勢がインドの反発を買えば、核保有国同士の対立が強まり、アフガン包囲網がほころびかねない。
米国は当面、インドとパキスタンへの「等距離外交」を推進するよりなく、パウエル長官はパキスタン訪問によってムシャラフ政権をテコ入れするとともに、インドに対して米国の立場に理解を求める方針とみられる。
[毎日新聞10月8日] ( 2001-10-08-20:50 )