投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 27 日 12:37:12:
米国の同時多発テロを受け、日本国内の自治体が危機管理体制の見直しを迫られている。東京都が7都県市による首都機能のバックアップ体制確立に乗り出す構えを見せているほか、地元の米軍基地との緊急連絡網を設置したり、テロの被災者をスムーズに病院に受け入れるシステムの整備に乗り出したりしている自治体もある。警備当局でも、原子力発電所や飛行場、ヘリポートなどを狙った新たな形態のテロ行為に備えるなど、現場の緊張感は高まっている。
■自治体
「これを戦争と受け取らない方がぼけている」。東京都の石原慎太郎知事は、都議会でそう語り、首都の危機管理強化を表明。国の機能が集中する霞が関周辺がテロでまひする事態も想定して、首都圏の4都県と3政令市が協力して国の行政機能をバックアップする体制の必要性を訴えた。
一方、米海兵隊岩国基地を抱える山口県岩国市は、基地との緊急時の連絡体制を設ける準備を始めた。事件直後、市が海兵隊に連絡したところ、留守番電話になっており、職員が直接、基地に出向かなければならなかったことを受けての措置だ。
埼玉県はテロ被災者を緊急収容できるよう、県内の医療機関239施設に設置しているコンピューター端末を「災害モード」に切り替え、医療機関に入院の受け入れ可能な人数を毎日報告させている。また、サッカーのワールドカップ会場の新潟市は20日、災害対策議員連盟の議員約30人が集まり、テロを視野に入れたフーリガン対策の勉強会を開いた。
■原発
多くの原子力事業所を抱える茨城県は事件後、県警が県内に21か所ある原子力事業所周辺に、機動隊員約70人、自動車警ら隊員約70人の計140人を動員して24時間体制のパトロールを続けている。さらに米軍の軍事行動に対抗したイスラム過激派のテロの可能性も想定し、22日からは、商業用の原子炉が稼働している発電所にも機動隊員を固定配置する措置を取った。
一方、沿岸の巡視を行っている那珂湊海上保安部では、原子力事業所が多い東海村とひたちなか市の沿岸を中心に、沖合からの航空機や船によるテロ攻撃を発見するために、巡視範囲を広げるとともに、夜間の警備を日中と同レベルに引き上げている。新潟県など日本海沿岸の原発を管理する電力会社も、沿岸からのテロ襲撃に備え、原子炉を緊急停止するための訓練を連日続けている。
■生物化学テロ
「イスラム過激派が、小型機を使った生物化学テロを計画していた可能性がある」――。米国の捜査当局が、新たなテロの可能性を示唆したことを受け、警視庁や大阪府警は、民間の軽飛行機を乗っ取って薬品を散布する生物化学テロや、自爆テロを防ぐ対策を進めている。
特に、警視庁では、民間の小型機が多い調布飛行場を管理する都に対し、夜間の機体の施錠を確認するよう指導しており、同飛行場や江東区の東京へリポートを管轄する警察署にもパトロールの強化を指示した。
また、核や生物兵器、化学兵器を使った「NBCテロ」が万一発生した場合には、防護服を備えた「NBCテロ捜査隊」などが即座に出動できるよう、夜間も交代で待機する24時間体制をとった。
さらに、米大使館や官邸などでは、機動隊員が制服の上から対弾防護衣や鉄製ヘルメットを着用。自動車を使った自爆テロ対策として、従来の警備車に替えて、表面を鉄板で覆った大型の特殊警備車を配備したり、「フラワーポット」と呼ばれる花壇型の車止めを、数台ずつ並べたりするなどの措置を取っている。
(9月27日12:20)