投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 07 日 18:12:19:
10/06 17:23 東南アジアにも長い影 テロ組織アルカイダ 外信60
共同
米中枢同時テロでブッシュ米政権が壊滅を目指すウサマ・ビンラ
ディン氏のテロ組織「アルカイダ」。六十カ国以上に拠点を持つと
いわれ、東南アジアでもインドネシアのイスラム原理主義組織と連
携するなど、広範囲に゛影″を落としている。国境を越える「イス
ラム戦士」に、各国は監視を強めている。(共同)
▽「聖戦」支援
約一億八千万人(全人口の九割)と世界最大のイスラム教徒を抱
えるインドネシア。アルカイダの影は各地で続発する宗教抗争やキ
リスト教会爆破事件などの背後に見え隠れする。
関係を疑われている非公然組織「ダルル・イスラム運動」のアル
・ハイダルさん(31)によると、同運動は「国際ムジャヒディン
(イスラム戦士)ネットワークの一翼」だ。「一九九九年三月ごろ
、アフガニスタンからサウジアラビア人の使者が訪れ、マルク諸島
の聖戦支援を決めた」と言う。
ハイダルさんは「使者はアルカイダとは名乗らなかったが、そう
に違いない。戦士たちの輸送費を提供してくれた」と語る。マルク
諸島では同年初めからイスラム教徒とキリスト教徒の抗争が起き、
これまでに数千人が殺害された。
一方、これに先立つ九八年末にはアフガンからのヨルダン人使者
が独立紛争の続くアチェ特別州を訪れた。しかし独立派の武装闘争
を「聖戦ではない」と判断、支援を見合わせたという。(ジャカル
タ、米元文秋)
▽飛び火を懸念
インドネシア同様、イスラム教徒人口の多いマレーシア。同時テ
ロ実行犯の一人がビンラディン氏の関係者と接触している場面が治
安当局にビデオ撮影されていた。実行犯数人が昨年、数回にわたっ
て入国していたことも分かっている。
当局は「イスラムの勉強」の名目でアフガニスタンやパキスタン
に入るマレーシア人学生が実際は軍事訓練を受け、帰国後に過激派
組織「マレーシアのムジャヒディン」(KMM)に参加していると
みて監視を強化、KMMとテロ実行犯のつながりも捜査中だ。
米誌によると、アルカイダは九四年、マレーシア東部クダ州でエ
ビの養殖に投資したこともある。またビンラディン氏一族の企業が
クアラルンプール国際空港のトンネル建設工事を請け負ったことが
判明。マハティール首相は「一族すべてがテロリストではない」と
釈明に追われた。
一方、マレーシアやインドネシアなどイスラム教国に囲まれる多
民族国家シンガポールの立場は複雑だ。基本的には親米路線で、米
軍の基地使用を認める軍事協定も結んでいる。政府やその管理下に
あるシンガポール・イスラム評議会などは「今こそ多民族国家の真
価が問われる」と自制を呼び掛け、周辺国の対立の火種が飛び火し
ないよう細心の注意を払っている。(シンガポール、五井憲子)
▽NGOがパイプ役
フィリピン・ミンダナオ島の独立を目指し、欧米人らの誘拐を繰
り返すイスラム原理主義過激派、アブ・サヤフ。アラビア語で「剣
士」を意味し、約千三百人。九一年にモロ民族解放戦線(MNLF
)の和平路線に反発して創設された。ビンラディン氏の強い影響を
受けている。
アブ・サヤフとビンラディン氏を結ぶのは同氏の義兄弟でサウジ
アラビア人のモハマド・ジャマル・カリファ氏。妻がフィリピン人
で九○年代初めから九五年までミンダナオ島に滞在。非政府組織(
NGO)「国際イスラム救援機構」を運営し「アルカイダ」とのパ
イプをつくった。
ニューヨークの世界貿易センタービル爆破事件(九三年二月)の
共犯で、九五年一月、マニラ潜伏中に逮捕されたパキスタン人テロ
リスト、アブドル・ハキム・ムラド受刑者もこのネットワークでフ
ィリピンに潜入したとみられる。
フィリピン政府は国内のイスラム系五団体がビンラディン氏につ
ながりを持っている可能性があるとみて、資金凍結に向けた捜査を
進めている。(マニラ、桑原正樹)
(了) 011006 1722
[2001-10-06-17:23]
10/06 18:14 訂正(外)東南アジアのアルカ イダ ●●●●●● 外信60
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共X3T542外信60S「東南アジアにも長い影」(6)完(
4)の2―3行目「マレーシア東部クダ州」を「マレーシア西部ク
ダ州」と訂正。
(了) 011006 1813
[2001-10-06-18:14]