投稿者 木村愛二 日時 2001 年 10 月 06 日 17:21:25:
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『亜空間通信』33号(2001/10/06)
【シャロンが一九三八年のミュンヘン協定を持ち出した図々しさを根底から批判】
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
転送、転載、引用、、大歓迎!
先に下記の記事を紹介したが、続報との比較のために再録する。まさに「ベタ記事恐るべし」の典型であって、その次に紹介するように本日の朝刊にもやはりベタ記事で、それへのアメリカ政府の反応が載った。
『日本経済新聞』(2001.10.05. 夕)
米のアラブ接近/イスラエル不満/首相、けん制発言
【カイロ4日=横田勇人】
イスラエルのシャロン首相は四日夜の記者会見で、「(米国は)我々を犠牲にしてアラプを抱き込もうとすべきでない。我々はそれを認めない」と述ベ、プッシユ政権が対テロ包囲網にアラプ各国を加えようとしていることに強い不満を表明した。
シャロン首相は一九三八年のミュンヘン協定で欧州諸国がナチスドイツによるチェコスロバキア併合を容認した結果、ヒトラーの台頭を招いた歴史を引き合いに「米国をはじめ西側民主主義国は、一時的解決のためにチェコを犠牲にした過ちを繰り返すべきでない」と強調した。
『日本経済新聞』(2001.10.06)
イスラエル首相発言/米政府「許容できぬ」
【ワシントン支局5日】
フライシャー米大統領報道官は五日の記者団との懇談で、シヤロン・イスラエル首相がブッシユ政権のアラブ諸国への接近を批判した発言について「許容できないものだ」と語った。
シャロン首相は欧米諸国が第二次大戦前にナチス・ドイツに譲歩したことを取り上げて米政府の方針を「アラブ諸国に融和政策をとっている」と批判した。
フライシャー報道官は「米国がアラブに融和政策をとることはない」と述べるとともに、イスラエル、パレスチナ自治政府が和平プロセスヘ復帰するよう改めて呼び掛けた。
次は先にも紹介したイギリスの独立系メディア情報です。興味のある方は訪問さえたい。
nhttp://news.independent.co.uk/world/middle_east
Sharon appeals to America not to 'appease' Arabs
さて、最も重要なことは、シャロンが党首のリクード党は、最初に首相になったシャミールらが「ナチに協力を申し出てイギリス軍に逮捕された」という歴史的事実を持つ極悪の極右である。だから、知る人ぞ知る問題なのであって、シャロンの図々しさは桁外れと言わねばならない。その極右の有り様は、わが電網宝庫で無料公開している拙訳『偽イスラエル政治神話』の中の以極右下の頁に要約されている。
http://www.jca.apc.org/~altmedka/nise-11.html
以下、さらに忙しい方のために、中心部分をここに転載する。
[ロンメル戦車軍団と呼応する協力作戦を提案]
シオニストとナチの政治的協力関係は、一九四一年にその絶頂期を迎えた。その当時、シオニストのもっとも過激な集団、“レヒ”(“イスラエル解放戦士団”)を率いていたアブラハム・シュテルンが死んで、その跡を継いだ三頭政治の一角をイツァク・シャミールが占めた。そのシャミールは、《道徳的観点から見て許し難い犯罪、すなわち、イギリスに敵対し、ナチス・ドイツのヒトラーとの同盟を唱導するという犯罪》(『ベン=グリオン/武装した予言者』)を犯していた。
グエヴァのキブーツのメンバーで、著名な労働組合指導者、エリーゼル・ハレヴィ氏は、テル・アヴィヴの週刊紙『ホタム』(83・8・19)の掲載記事で、以上の犯罪の存在を証明する文書を暴露した。その文書には、イツァク・シャミール(当時はイェゼルニツキと名乗っていた)とアブラハム・シュテルンの署名が入っていた。届け先はアンカラのドイツの大使館であり、その時期にはヨーロッパで激戦が続き、ロンメル元帥が率いる戦車軍団がすでにエジプトに侵攻していた。文書の特筆すべき部分は、つぎのよ うである。
《われわれはあなた方と同じ考えだ。ではなぜ、お互いに協力し合わないのか?》
『ハアーレツ』紙は一九八三年一月三一日号で、「秘密」と記された手紙を紹介した。その手紙は、アンカラに派遣されていたヒトラーの使節、フランツ・フォン・パペンが、彼の上司宛てに出したもので、シュテルン集団のメンバーとの接触を物語っていた。添付のメモは、ダマスカスにいたナチの秘密情報部員、ヴェルナー・オットー・フォン・ヘンチッヒによるもので、シュテルンとシャミールの密使との合議が記されていた。特筆すべき部分は、つぎのようである。
《イスラエルの解放運動と、ヨーロッパの新しい秩序とが共同作戦を行うことは、イギリスを孤立させ撃破するために、あらゆる協力関係を結合して活用することの重要性を強調した第三帝国の総統、ヒトラーの演説の内容と一致する》
これらの文書は、エルサレムのホロコースト記念館(ヤド・ヴァシェム)に収められており、分類番号はE234151ー8である。
実際にシュテルン集団の司令官の一人だったイスラエル・エルダッド氏は、テル・アヴィヴの日刊紙『イディオット・アハロノート』の一九八三年二月四日号に掲載された記事の中で、彼らの運動体とナチス・ドイツの公式の代表との間での合議があったのは確かだと断言した。
彼は、彼の仲間がイスラエル解放戦士団(シュテルン集団)を代表して、ドイツの考え方にもとづくヨーロッパの新しい秩序との利害の一致と、パレスチナのユダヤ人の熱望をナチに対して説明したことは確実だと、率直に認めた。文書の題名と主要な内容は、つぎのようである。
《パレスチナ民族解放戦士団(NMO、イルグン・ツェヴァイ・レウミ)のヨーロッパにおけるユダヤ人問題解決とNMOのドイツに立つ戦争への積極的参加の基本原則》
《ドイツの国家社会主義国家の指導者の演説から察すると、ユダヤ人問題の根本的な解決のためには、巨大な人口からなるヨーロッパのユダヤ人の移送(Judenreines Europa)が必要になってくる。
このヨーロッパのユダヤ人の巨大な人口の移送は、ユダヤ人問題を解決するための基礎的な条件であるが、その条件を満たす方法は、この巨大な人口をパレスチナ、すなわち、歴史的な境界を持つユダヤ人国家に配置すること以外にない。
ユダヤ人問題を決定的な手段で解決し、ユダヤ民族を解放することこそが、“イスラエル解放運動”(レヒ)とその軍事組織、パレスチナ解放戦士団(イルグン・ツヴァイ・レウミ)の、政治的活動と長年の戦いの目的である。
NMOは、ドイツ内部のシオニストの活動に対するドイツ政府の好意的な立場と、シオニストの移民計画を熟知しており、つぎのように評価している。
(1)ドイツの考え方にもとづくヨーロッパの新しい秩序の建設と、レヒに体現されているパレスチナのユダヤ人の掛け値のない熱望との間には、共通の利害が存在し得る。
(2)新しいドイツと再生するヘブライ国家(Volkisch Nationalen Hebraertum)との間の協力は可能である。
(3)国家的かつ全体主義的で、ドイツと協定で結ばれる歴史的なユダヤ人国家が確立するならば、将来において、ドイツの中東での立場を維持し強化するために役立つ。
ドイツ政府が、以上の民族的な熱望を承認するという条件の下で、“イスラエル解放運動”(レヒ)と、パレスチナ民族解放戦士 団(NMO)は、ドイツ側に立つ戦争への参加を申し出る。
イスラエル解放運動の協力は、ドイツ総統のヒトラー氏が最近の演説の中で、その重要性を強調したような、イギリスの孤立化と撃破に向けての、あらゆる交渉と同盟の強化の方向に添っている。
その組織構造と世界観に基づいて、NMOは、ヨーロッパの全体主義運動と緊密に連携している》
(この文書の原本はドイツに保存されており、デヴィッド・イスラエリ著『一八八九年から一九四五年の間のドイツの政策の中でのパレスチナ問題』の付録として収録されている)
この問題に関して十数本の記事を載せたイスラエルの報道によれば、ナチは一度たりとも、このシュテルン、シャミール氏とその仲間の提案を、真剣に検討していない。
談合自体は、同盟軍の部隊が一九四二年六月、ナチの秘密情報部のダマスカスの事務所そのものの中で、アブラハム・シュテルンとイツァク・シャミールの密使、M・ナフタリ・ルーベンチックを逮捕したために、中断の憂き目を見た。集団の他のメンバーは、一九四一年一二月にイツァク・シャミールが“テロリズムと敵であるナチとの協力”を理由にイギリス当局に逮捕されるまで、接触の努力を続けていた。
以上のような過去は、イツァク・シャミールが首相となり、現在もなお、最も獰猛にヨルダンの西側の占領継続を主張する有“反対勢力”の頭目であることを、いささかも妨げない。なぜなら、これが現実なのであって、シオニストの指導者たちは、互いに内部で競いはするものの、唯一の征服者、唯一の主人になるために、パレスチナのすべての現住のアラブ人を、テロリズム、土地徴用、退去命令で追い払うという人種主義の目的追求に関しては、まったく同じなのだからである。
以上。
************************************
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
ある時は自称"嘘発見"名探偵。ある時は年齢別世界記録を目指す生涯水泳選手。
E-mail:altmedka@jca.apc.org
URL:http://www.jca.apc.org/~altmedka/
altmedka:Alternative Medium by KIMURA Aiji
Big big name, ah, ah, ah........
************************************