麻薬がタリバンの資金源に 関連施設は報復攻撃の標的

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投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 05 日 21:34:03:

10/05 16:49 麻薬がタリバンの資金源に 関連施設は報復攻撃の標 外信85
共同
 女性に対する人権侵害などとともにアフガニスタンのタリバン政
権が国際的非難を浴びているのが、麻薬問題。麻薬生産、密売は同
政権の有力な資金源だが、国内外で汚職や社会不安などの温床とな
っているため、米中枢同時テロに対する報復攻撃計画では、アヘン
の貯蔵庫やヘロインの精製施設なども標的の一つとされている。 
 タリバン政権は一九九○年代半ば以降、歳入増の方策としてアヘ
ンの原料となるケシの栽培を奨励。米国務省の二○○○年版「国際
麻薬戦略報告」によると、同年のアフガニスタンでのアヘン生産量
は約三千七百トン(推定)で、世界生産の72%を占めるまでに至
った。                           
 しかし、タリバン政権は昨年七月に突然、「反イスラム的」とし
てケシ栽培の全面禁止を命令。このため「今年の生産量は七十四ト
ンほどに急減する」(米政府高官)見通しだ。         
 この高官によると、同時テロ後、同政権が米軍の報復攻撃を恐れ
て大量のアヘンを放出、地元のアヘン価格は一時急落したが、禁止
命令前四十四ドルだった一キロ当たりの価格は現在、四百二十九ド
ルにまで高騰した。                     
 米政府はアヘンの生産量の激減にもかかわらず、大規模な密輸が
続いていることから、アフガニスタン国内に大量に貯蔵されている
とみて、懸念を深めている。タリバン政権が収入確保を狙い、同時
テロ後にケシ栽培を解禁したとの情報も気になるところだ。   
 同報告によると、アフガニスタンで生産された麻薬の半分は、国
内のほかイランやパキスタン、タジキスタンなどの近隣諸国に、残
りは欧米などに流出。国連薬物統制計画(UNDCP)は、カブー
ルやジャララバード、カンダハルなどの都市部のほか、国外の難民
キャンプでも麻薬中毒者が急増中と警告している。       
 また、麻薬取引は地方都市幹部の腐敗の温床となっているだけで
なく、密売業者と近隣諸国治安当局との抗争など、周辺地域で社会
不安を招いている。                     
 テロ組織に対する資金供給の遮断を狙う米国はこうした近隣諸国
のタリバン政権に対する不満をくみ取りながら、アヘンの貯蔵庫や
精製施設などを攻撃目標にする方針とされる。米側は既に、イラン
や中央アジア諸国に対し、アフガニスタンの麻薬ネットワークなど
に関する情報提供を促しているもようだ。(共同)       
(了)  011005 1648              
[2001-10-05-16:49]

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