投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 05 日 20:46:37:
回答先: サウジ基地使用を楽観 米国防長官 投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 04 日 18:24:42:
10/04 17:57 裏に複雑なお家の事情 基地使用許可で悩むサウジ 外信90
【カイロ4日共同】米中枢同時テロへの報復攻撃に絡み、サウジ
アラビアが米軍の同国基地使用に難色を示している。ラムズフェル
ド米国防長官が三日、リヤドを訪問したが、この問題に関する明確
な返答は得られなかったもようだ。背景には複雑な国内事情と、ア
ブドラ皇太子をめぐる微妙な政治環境がある。
▽二つの顔
メッカとメディナのイスラム教二大聖地を擁するサウジ。その守
護者としてのイスラム世界向けの顔と、国防のほぼすべてを依存す
る米国向けの顔の両立を迫られていることが、矛盾のひとつの根源
だ。
「守護者」としては自国内の基地がイスラム教徒攻撃の拠点とな
ることは避けたい。米国に肩入れし過ぎてアラブ諸国の反発を招け
ば、国内に跳ね返る危険がある。
サウジ国内ではサウド王家の富の独占や腐敗への不満が根強い。
同国出身のウサマ・ビンラディン氏がロンドンで一九九○年代半ば
に設立した王族の堕落を糾弾する「改革委員会」への同調者もいる
。「独裁打倒」を叫ぶ反体制派のテロ活動激化の可能性も高い。九
五年にはリヤドの国家警護隊訓練施設で爆弾テロが発生、米国人六
人が死亡した。
▽王家の確執
もう一つの問題が王家の確執。親米派のファハド国王は病弱で、
実権はイスラム保守派で民族派とされるアブドラ皇太子が握る。
対タリバン政策を長年担当した情報機関の責任者トルキ王子が最
近、突然解任され、国王派と皇太子派が後任を争うなど、王室内部
で確執が強まっているとの観測も流れ始めた。基地使用許可の可能
性を否定したスルタン国防航空相は次期皇太子候補の最右翼だ。
国王と皇太子は九一年の湾岸戦争でも「異教徒」である米国によ
る基地使用と駐留問題で衝突した。湾岸戦争でサウジは米軍五千人
の常駐を認めたが、その後の対イラク大規模攻撃に際しても、プリ
ンス・スルタン空軍基地からの米軍機発進は許していない。
リヤドの観測筋は「サウジは米側にあいまいな内諾を与えながら
、外向けには基地使用反対を主張する玉虫色の解決法で乗り切る考
えだろう」とみている。
(了) 011004 1757
[2001-10-04-17:57]