投稿者 アブナイネタのROMです 日時 2001 年 10 月 04 日 13:22:23:
回答先: 英国王立国際問題研究所の分析が10月1日の朝日新聞に 投稿者 倉田佳典@外出中 日時 2001 年 10 月 03 日 12:10:03:
いつもお世話になっているので、恩返し。
報復の行方 私はこう見る
英王立国際研究所 ウィリアム・ホプキンソン氏
攻撃は周囲の衝突招く
タリバーンの戦力はとるに足りないが、山岳部でのゲリラ戦ではあなどれない。基地や後方支援に恵まれたソ連軍を駆逐し、国土の大半を制圧した。巨大な後方支援を必要とする米軍がうまくやれるとは思わない。
たとえ、屈服させたとしても、そこにとどまり、テロリストを摘発することは難しい。これは古典的な戦争ではない。米軍が帰れば、状況は元に戻るだけの話だ。
アフガニスタンは極度に貧しい。干ばつが3年も続き、まともな政府機能もない。人口は過去10年で半分になった。19世紀の大英帝国とロシア帝国による確執以来、この国がまともな姿になったことはない。今度のテロ戦争も、安定を予見させるものはない。
米国が攻撃すれば、周辺世界も変わる。パキスタンは、ばらばらになる恐れがある。制裁解除で経済は多少上向こうが、インドとの間にカシミール問題を、国内にイスラム原理主義をかかえるこの国は、今回の対米協力によって、政治的には一層不安定になろう。難民も大量に流入する。
同じことは、タジキスタンをはじめ他の中央アジア諸国すべてについて言える。
中東地域でも、多くの衝突を誘発するだろう。カブール爆撃で、もし一般市民が千人も死ねば、サウジアラビアでは反体制運動が燃え上がるだろうし、エジプトでもそうだ。イスラエルは過去の悪い行動様式に戻り、事態を悪化させよう。
ブッシュ大統領には、何かしなければならないという圧力がかかっている。問題は、最初の攻撃が有効でなかった後の長い戦いだ。ビンラディンを殺したとしても、次の日には20人の新しいビンラディンが生まれるかもしれないのだ。
テロとの戦いは、短期的には警察的活動、諜報、国際的な司法の整備、長期的にはパレスチナ問題やイスラム世界の貧困に取り組む政策だ。米国が一国主義的に軍事に傾斜すれば、団結は壊れる。ブレア英首相はブッシュ氏に正しい方向を指し示すべきだ。日本ができることは、テロの原因を断つには何をすべきか、国際社会のご意見番になることだと思う。
聞き手・写真 ロンドン=村松泰雄