投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 9 月 26 日 19:18:08:
09/26 16:28 米の軍事報復に募る不安 アフガニスタン系米国人 外信84
【ニューヨーク26日共同】「米国がアフガニスタンへの軍事報
復に踏み切れば、罪もない人々の血がまた流れることになる」。と
び色のひとみに憂いをたたえながら、中年の男性信者がつぶやいた
。ニューヨーク・クイーンズ区にあるアフガニスタン系米国人のた
めのモスク(イスラム教寺院)。モスク幹部や信者は米中枢同時テ
ロを非難する一方で、故国の行く末を案じていた。
「世界貿易センタービルへの攻撃は身の毛もよだつ出来事だった
。こうしたテロ行為を正当化するつもりはない。平和を愛するイス
ラムの教えに反しており、強く非難する」。イマーム(イスラム導
師)のムハマド・シザード師(41)は語気を強めた。
ニューヨークに二万人余りいるといわれるアフガン系住民。鮮や
かなブルーに彩られたドームとミナレット(せん塔)が印象的なシ
ザード師のモスクは、故国の内戦から逃れてきた同胞の心をいやす
中心的な場となってきた。
しかし、テロ事件を機に、敵意がモスクを包み始める。鉄さくに
テロの犠牲者の顔写真を掲載した新聞が張り付けられたり、信者に
脅迫電話が寄せられ、ニューヨーク市警は二十四時間態勢で警備を
続けている。
「事件直後は客足が半減し、脅迫電話もかかってきた。事件から
二週間を経てようやく客足が戻ったんだが…」。アフガン料理店を
営む信者のルージ・ヨセフさん(39)は、米国の軍事報復が今後
の生活にもたらす悪影響への不安をにじませる。
シザード師も「旧ソ連の軍事侵攻を機に、わが故国の民衆は約二
十年にわたる内戦に苦しんできた。民衆に圧政を敷いているタリバ
ン政権への裁きは当然だが、庶民を危険にさらすことには反対だ」
と憂慮した。
モスクには、コロンビア大大学院で経営学を教える白人のキリス
ト教徒、セス・フリーマン教授(41)も来ていた。「われわれは
第二次大戦中に日系米国人を迫害したが、その過ちを繰り返しては
いけません」と静かに語った。
(了) 010926 1627
[2001-09-26-16:28]