投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 03 日 22:03:22:
10/03 16:12 カンボジア型の和平が理想 元国王を和解の象徴に 外信76
共同
イタリアに亡命中のアフガニスタンのザヒル・シャー元国王と反
タリバン勢力の「北部同盟」が国家統一への「最高評議会」設立で
合意したことを受け、パキスタン北西部ペシャワルで、アフガニス
タン研究センターのラスル・アミン所長(62)に「ポスト・タリ
バン」の国家の在り方などについて聞いた。(ペシャワル共同=近
藤順夫)
―「タリバン後」のアフガニスタンの青写真が見えてきたが。
「一九七三年のクーデターでザヒル・シャー元国王が追放される
まで、アフガニスタンは平和だった。国民も良き時代を覚えている
。なぜ今、元国王を必要としているのか。彼だけが戦闘に明け暮れ
た多民族国家の和解の象徴になり得るからだ」
―国王はどのような役割を果たすのか。
「国王が和平のカギを握るという意味で、アフガニスタンはカン
ボジアに似ている。国民から敬愛されていたシアヌーク国王が九一
年に北京から帰国、各派をまとめ、国連主導の下で新しいカンボジ
アをつくり上げた。内戦で疲弊した国家の再建には、シアヌーク国
王同様、ザヒル・シャー元国王の存在が不可欠だ」
―将来的に立憲君主制を目指すべきか。
「元国王は君主制の復活を望んでいない。国家の父として、最高
評議会、国民大会議を経て暫定政権を樹立するという和解プロセス
が達成できれば、それで満足だと思う。彼は野心家ではない」
―総選挙の実施は。
「国民の声を聴き、国際社会の一員になるため、暫定政権樹立後
、二年以内に実施すべきだ。長年、アフガニスタンで選挙は行われ
ていないので、国連やイスラム諸国会議機構(OIC)の協力が必
要となる」
―タリバン勢力は新政権から完全に除外すべきか。
「タリバンのうち、パキスタン国内の神学校で学んだ、アフガニ
スタンの伝統や文化を知らないメンバーと、チェチェンやパキスタ
ン、アラブ系の非アフガニスタンのメンバーは一掃しなければなら
ない。残りの教育と理性のあるタリバン支持者は歓迎すべきだ」
―米中枢同時テロの黒幕とされるウサマ・ビンラディン氏の取り
扱いは。
「(タリバン最高指導者の)オマル師は、ビンラディン氏を『ア
フガニスタンの大事な客』と呼んだが、結局はオマル師個人の客だ
った。テロにかかわっていないというのなら、ビンラディン氏は堂
々と法廷で無実を訴えるべきだ」
ラスル・アミン 1939年5月アフガニスタン北東部コナル生
まれ。カブール大学教授(政治学)の時に共産主義を批判。一時投
獄され、釈放後の80年1月にペシャワルに脱出し、アフガニスタ
ン研究センターを開設した。
(了) 011003 1611
[2001-10-03-16:12]