投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 03 日 21:35:08:
10/02 16:49 グローバル化がテロ生む 仏農民活動家ボベ氏 外信81
共同
経済グローバル化の象徴とも言えるニューヨークの世界貿易セン
タービルなどが破壊された米中枢同時テロについて、反グローバリ
ズム運動を主導し続けるフランス中小農家組合「農民同盟」のジョ
ゼ・ボベ国際広報部長(48)に聞いた。(パリ共同=信夫聡)
―なぜグローバル化に異を唱えるのか。
「一部の者だけが途方もない上前をはねる『支配の論理』だから
だ。グローバル化のおかげで金持ちになったアフリカ人やイスラム
教徒はいない。フランスであれ日本であれ、農業は細るばかり。今
や世界の三富豪の所得が、貧困に苦しむ四十五カ国の歳入合計を上
回る。グローバル化は貧富の差を広げている」
―テロも反グローバリズムの表れなのか。
「それは違う。今回のテロリストらは一種の『バブル長者』だ。
グローバル化の恩恵を受けたと言える。タックスヘイブン(租税回
避地)やマネーロンダリング(資金洗浄)、実体経済を全く反映し
ないマネーゲーム…。一刻も早く国際資本規制体制、国際捜査網を
築く必要がある」
―米国への同情が運動を委縮させるのでは。
「米国内でさえ、多くの学者や市民団体が(報復)戦争反対を主
張し始めた。私は米国が『支配の論理』を捨て、国際機関の真ん中
で超大国の役割を果たすことを望む。貧しい者など存在しないかの
ごとくバブルに浮かれた米国に対する南半球の不満を解消するのは
簡単ではない」
―報復攻撃には賛成か。
「まずは捜査するべきだ。『戦争だ』と激高したり、テロにおび
えたりしていては冷静な捜査ができないだろう。米国は国際刑事裁
判所の設立条約を批准していないから、すぐに批准し、捜査を尽く
してテロリストに有罪を宣告し、『処刑』を行うのは、その後でな
ければならない」
―×――×――×―
ジョゼ・ボベ氏 フランス・ボルドー生まれ。1971年から南
部ミヨーで開拓農民。87年、中小農家組合「農民同盟」を設立。
99年8月、グローバル化の象徴としてハンバーガー店マクドナル
ドを破壊し逮捕された(上訴中)。「フォアグラの国にホルモン肥
育牛肉は不要だ」と主張。「反グローバリズム」の旗手となり、同
年末の世界貿易機関(WTO)閣僚会議の際も米シアトルでデモ隊
を率いた。(パリ共同)
(了) 011002 1648
[2001-10-02-16:49]