投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 03 日 15:02:41:
同時多発テロに対する軍事報復のため、全国の在日米軍基地で動きが活発になっている。91年の湾岸戦争時は空母「ミッドウェー」など海軍の主要部隊が在日米軍基地から出撃し、多国籍軍の一翼を担った。今回はさらに沖縄駐留の特殊部隊が作戦参加するとみられている。日米安保条約では極東の守りが任務の在日米軍だが、日本から遠く離れた地域の作戦行動に向け準備は最終局面を迎えている。
●基地の動き
米軍佐世保基地(長崎県)では2日、強襲揚陸艦「エセックス」など揚陸艦3隻、掃海艇2隻が出港した。海上自衛隊の護衛艦が警戒にあたるなど、緊張に包まれた。
横須賀基地(神奈川県)からは1日、空母「キティホーク」が出港した。米海軍によると、インド洋に向かったという。湾岸戦争後の掃海艇派遣に携わった元海自潜水艦隊司令官の西村義明さんは「中東に展開中の空母部隊の交代で、当面は後方に配置されるだろう」と推測する。
嘉手納基地(沖縄県)では9月16日にF15戦闘機とKC135空中給油機がアラスカの基地に向かい、F15戦闘機はその後、アフガニスタンへの出撃拠点の一つとなるトルコの基地に向かった。
三沢基地(青森県)では、地上攻撃能力の高い米空軍F16戦闘機約30機の飛行訓練が続く。湾岸戦争で三沢の部隊はソ連をにらんで中東派遣は見送られたが、世界情勢の変化で今回は「参戦」の可能性も指摘される。
湾岸戦争後、財政上の理由やピナツボ火山の噴火(91年6月)で、米国はフィリピンのクラーク空軍基地、スービック海軍基地を閉鎖した。湾岸戦争時はクラーク基地が空軍の補給、訓練基地だった。現在沖縄に駐留している空軍特殊部隊も、当時はクラーク基地に駐留していた。
在日米軍に詳しいNPO「ピースデポ」(横浜市)代表の梅林宏道さんは「米軍は基地縮小の流れにあったが、思いやり予算で維持経費が安上がりな在日基地はそのまま残した。クラーク基地などの廃止で、湾岸戦争時より日本の基地の役割は増している」と話す。
●特殊部隊
アフガンは内陸国で、山岳ゲリラ戦に対応できる特殊部隊が投入されるとの見方が専門家の間で高まっている。
沖縄には米陸軍「グリーンベレー」、海軍特殊部隊「シールズ」、空軍特殊部隊「第353特殊作戦軍」、海兵隊で特殊作戦用に訓練された「第31MEU」が駐留する。「第31MEU」は補給なしに30日間戦う能力を持つ。これらの部隊が沖縄からアフガン最前線に出撃する可能性がある。特殊部隊のうちグリーンベレー以外は湾岸戦争後に沖縄に移ったものだ。
●厳戒の基地
横田基地(東京都)では、一時最高レベル「D」の警戒態勢が敷かれた。各ゲートにはコンクリート製の障害物を置き、フェンス際には航空機のタラップが2基配置され、土のうが積まれたタラップ上で米兵が警戒する。
長年、基地を監視している遠藤洋一・福生市議は「ベトナム戦争のころから基地を見ているが、これほど徹底した警備は初めて」と話す。
山口県の岩国基地は正面ゲートに機関銃を装備した軍用車を配置した。あまりの厳戒ぶりに、岩国市には市民から「基地がテロ攻撃を受ければ、私たちも巻き添え」と、不安の声も寄せられた。
[毎日新聞10月3日] ( 2001-10-03-14:57 )