投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 02 日 23:00:18:
米中枢同時テロで、ブッシュ米大統領が２日、準備完了を宣言した米英両軍の限定的な空爆に併せ、黒幕ウサマ・ビンラーディン（４４）と、ラディン（略称）をかくまうアフガニスタンのタリバン政権に対する包囲網が完成した。米国の基地使用を認めたり領空通過を許可したりするなど、周辺国の大半が足並みをそろえた。米軍も空母「カールビンソン」など２隻の空母機動部隊や３００機の航空機の展開を終えた。タリバンの命運も、いよいよ「風前のともしび」となるのか−。
米国はテロ事件直後から、アフガン周辺諸国にラディンと、支援するイスラム原理主義勢力「タリバン」を壊滅するため、軍事的な協力を求め続けてきた。
アフガンと国境を接する国では、イラン以外は大枠で協力を取り付けることに成功。協力体制のなかで、中国とサウジアラビア以外は基地使用にまで踏み込んでおり、米軍は攻撃の足がかりを確保した。
世界で３カ国だけだったタリバン承認国のうち、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）とサウジアラビアが相次いで断交、残るパキスタンは断交はしていないが米軍への全面協力を選択した。タリバンは事実上“世界の孤児”だ。
サウジは承認していたとはいえ、王族に反抗するラディンの国籍を剥奪している。「アフガン人に対するビザの発給も最近は制限していた」（外交筋）ように、外交関係は希薄になっていた。ただ、サウジ王族にすらシンパがいるのも事実で、関係は非常に複雑だ。
イランの場合は先月下旬、ストロー英外相が先月２５日にテヘラン市内でハタミ大統領らと会談したほか、高村正彦元外相が日本政府の特使として、サウジに続き、イランを訪問して米国への協力という包囲網への参加を呼びかける。
イランは米国を敵視する一方、タリバンも敵ととらえる。だから「敵の敵は味方という構図で、湾岸戦争で多国籍軍がイラクを攻撃したときと同様に、米軍のアフガン攻撃を黙認する」（中東関係者）というのが大方の見方である。
中東調査会の中島勇研究員は「タリバンにとって、サウジやＵＡＥとの断交は実害はあまりないが、パキスタンの国境閉鎖は痛い。物資はパキスタン経由で入っており、この補給路が断たれると、いくらタリバンに気力があっても、勝ち負けは見えている。兵糧攻めにどの程度耐えられるか、時間の問題だ」とみる。
パキスタンには、アフガン国境に近いクエッタやペシャワルの基地に第８２空てい師団や第１０１空中強襲師団の所属部隊が到着、１００−１３０機のＦ１５、Ｆ１６戦闘機、Ｂ５２爆撃機、ＡＷＡＣＳ（空中警戒管制機）などが配備されている。
ウズベキスタンのタシケント基地には偵察機が到着し、同国には特殊部隊のための捜索救難機も配備されるとの情報もある。
米陸軍「グリーンベレー」や英陸軍「ＳＡＳ」（空てい部隊）などの特殊部隊の一部は既にアフガンに侵入、作戦を開始した。国境線近くに前線司令部も構築、限定的な空爆に向け“地ならし”ができている。
インド洋やペルシャ湾に２隻の空母機動部隊を展開。トルコやサウジなど陸上基地への派遣と併せて、３００機の戦闘・爆撃機を既に配備している。
「戦闘遂行に十分な兵力はとりあえず整った」と外交筋は言う。大量に発生すると考えられているアフガン難民に対応する態勢も、自衛隊などに役割分担させて整えつつある。
タリバンと対立する北部同盟は、米露から最新兵器の供与を受け、アフガン北部で大攻勢をかける。
周辺国を取り込んだ米国のタリバン包囲網は、米英両軍の空爆を待つばかりとなっている。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。