投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 02 日 17:45:13:
10/02 15:45 炭疽菌毒素の抑制に成功 テロ懸念の中、治療に期待 外信69
【ワシントン1日共同】感染すると敗血症などを起こして死ぬこ
とも多い炭疽(たんそ)菌の毒素の働きを抑えることに、米ハーバ
ード大の二グループが成功した。炭疽菌を使った生物兵器によるテ
ロへの懸念が高まる中、ワクチン以外の治療法開発への道を開く研
究として注目されそうだ。
炭疽菌の毒素は、免疫を担う細胞の一つマクロファージを攻撃す
るため、菌の大量増殖につながる。
同大のウィリアム・ディートリヒ助教授らは、炭疽菌に強いマウ
スと弱いマウスを比較し、「Kif1C」という遺伝子に違いがあ
ることを発見。
炭疽菌毒素に弱いマクロファージで耐性型のKif1Cを人工的
に発現させると、毒素があっても生き残る細胞が四倍に増えた。
人間も似た遺伝子を持っている可能性が高く、この遺伝子を調べ
れば炭疽菌への抵抗力が分かる。新たな治療法の開発につながる可
能性もあるという。
一方、同大学の別のグループは、炭疽菌の毒素が作用する過程を
阻害する物質を発見。この物質を多数つなげた人工高分子を作って
マウスに与えることで、致死量の十倍以上の毒素を与えたマウスの
生存率を大幅に高めることに成功した。
炭疽菌は家畜の病原菌だが、人間に感染することもあり、生物兵
器の材料として使われることも多い。
(了) 011002 1544
[2001-10-02-15:45]