投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 02 日 17:44:31:
10/02 15:05 中東経済、テロで打撃 観光客激減、失業増 外経88
【カイロ2日共同】米中枢同時テロの経済的打撃が中東地域に広
がっている。影響は観光業や株式投資、製造業などに及び、゛テロ
失業″も出始めた。米国が報復攻撃に踏み切れば、市民生活が一層
圧迫されるのは必至だ。
影響が最も深刻なのはエジプト。国営のエジプト航空はテロで旅
客が約40%減ったため、九月末までにアジア、米国路線の減便と
従業員約二百七十人の解雇を決定。米航空会社のカイロ支店閉鎖で
も百人以上が急きょ解雇された。
旅行業者によると、十月は欧米のほか日本などからのツアー客の
キャンセルも続発している。
トルコでは今年の観光客が約十万人減少する見通し。ヨルダンで
は米国が「テロ支援国」としてイラクも攻撃するとの観測から、株
価への影響が出始めている。産油国のサウジアラビアなどでも、米
国の株価低下で大きな損失を被った投資家が相次いだ。
米国がテロ事件の最重要容疑者と名指しするウサマ・ビンラディ
ン氏の組織には、中東出身のイスラム原理主義者が多く参加してい
るとされる。
原理主義活発化の背景には一九八○―九○年代の市場経済化に取
り残された低所得者層の不満がある。カイロの会社経営者は「米国
が報復に踏み切れば経済は一層悪化し、かえって原理主義の土壌が
肥やされていくだろう」と、強硬なテロ対策による長期的な逆効果
を懸念している。
(了) 011002 1504
[2001-10-02-15:05]