投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 02 日 10:53:04:
イタリア国営テレビが1日、米情報筋の話として、ドバイのウサマ・ビンラディン氏関連の銀行口座から米中枢同時テロの実行犯モハメド・アッタ容疑者(33)の口座に事件直前に送金があったと伝えた。これが米国がビンラディン氏を首謀者とみている「直接の証拠」の1つとみられる。米政府は、ビンラディン氏とタリバン政権を一体とみなし、政権の打倒を目標としている。ラムズフェルド米国防長官は同日、「米国が行動を起こす時がまもなくやって来る。米軍はその時米国人に誇りを与えてくれる」と語り、報復の軍事作戦の開始時期が近いことを示唆した。
国営RAIテレビによると、ビンラディン氏の関連銀行口座から、アッタ容疑者の口座にテロ直前の9月8日か9日に送金があったという。アッタ容疑者は今回のニューヨークとワシントンを襲った同時テロの実行犯19人のうちの主犯格で、世界貿易センタービルに最初に突っ込んだアメリカン航空機をハイジャックし操縦していたとみられている。同時テロとビンラディン氏を直接結びつける部分が明らかになったのは初めてで、同テレビはこれ
が米政権がビンラディン氏の関与を示す「直接証拠」の1つという。
米政権は、タリバン政権がビンラディン氏と事実上一体となっているとの認識を示し、政権の打倒も辞さない考えであることも明らかになった。カード大統領首席補佐官は「タリバンがテロ支援を続けるなら権力の座を降りるべき」と強調。ブッシュ政権が、タリバン政権そのものの転覆を公言したのは初めて。
ブッシュ大統領はまた、秘密工作の指示も出している。タリバン政権をかく乱し、弱体化させるため反タリバン勢力への資金提供を承認した。資金援助の額は明らかになっていないが、提供される資金は(1)反タリバン勢力の武器購入(2)タリバン司令官を寝返らせるための工作費−などに充てられる。具体的には「北部同盟」や南部の反タリバン勢力をサポートする。
米国がタリバン政権転覆後に描くのは、ローマに亡命中のザヒル・シャー元国王(86)や北部同盟などを中心にした親米新政権づくりだ。元国王と北部同盟はこの日、ローマで声明を発表し、アフガニスタンの国家統一を目指す「最高評議会」を設立することで合意したことを明らかにした。「最高評議会」は、元国王がブッシュ米大統領に9月18日付の親書で伝えていた、暫定政権樹立計画に沿ったもので、米政府の暗黙の了解を得た上での合意の公算が大きい。
ラムズフェルド米国防長官は1日、米統合参謀本部議長の交代式で米軍幹部を前に「米国が行動を起こす時が間もなくやってくる。米軍はその時米国人に誇りを与えてくれる」と語り、軍事作戦の開始時期が近いことを示唆。長官は演説で「ブッシュ大統領は2週間前(の議会演説で)、米軍に攻撃準備を始めろと命じた。行動を起こす時が間もなくやってくる」と述べた。また、陸、海、空、海兵隊の各軍が「万全の態勢」をとっていると語
った。