投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 02 日 10:39:09:
自由か、安全か。連続テロ事件で多数の死者・行方不明者が出たニューヨークで、事件直後から、市や政府が「安全最優先」を理由にたて続けに市民生活の規制強化策を打ち出している。交通管理や盗聴権限の拡大などで、市民からは「『自由の国』でなくなったようだ」と戸惑う声もあがっている。
「有毒物質を使った新たなテロ計画の情報がある」
司法省はこんな情報をもとに、9月25日から各地でトラックやワゴン車の車両検問を始めた。これをきっかけに、市内各地で大渋滞が発生。場所によっては最高で4時間も身動きがとれないほどひどい状態になった。
さらにこの渋滞緩和を理由に、ジュリアーニ市長は一部地域で乗用車の一人利用も禁止した。マイカー通勤者にはさらに不便になる。市長は「事件でもっとつらい思いをしている人々がいる。我慢して」と訴えた。
崩壊した世界貿易センタービルから2キロほど離れた橋の近くで、食品を積んだトラック運転手のロナルド・パーチェさんは、進まぬ車列にうんざりした様子で話した。
「安全のためと頭では理解しているが、すごく不便になったのも事実だ」
世界貿易センタービルの周辺では、観光客らによる写真撮影が禁止された。「遺族への配慮」として市が決めた。規制地区の外では撮影できるが、現場の警官には禁止内容が伝わっておらず、撮影しようとする人との間で苦情や小競り合いが相次ぐ。
市長は28日、「地区外で撮影する権利は奪わない」と述べた。
「許容範囲を超えた規制」として反対の声が出ているのが、アシュクロフト司法長官が提案した「反テロ対策」。捜査当局による盗聴権限や、移民に対する拘束権などを拡大する内容が盛り込まれている。ブッシュ大統領は「我々は戦争状態にある。盗聴は違憲ではない」と述べた。
しかし市民団体は「プライバシー侵害になる。議会は認めるべきではない」と主張する。
マンハッタンで28日、米国旗を買っていた女性(33)は「テロは怖いが、盗聴権限の拡大には反対。安全か自由かを選べと迫られるのはいや。私は自由な米国を愛している」と話した。
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