投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 01 日 20:02:19:
湾岸での米軍作戦に不可欠となるサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地の使用許可をめぐって、サウジ王家内部の意見統一が遅れている。同時多発テロ後に訪米したサウド・サウジアラビア外相は、米作戦への全面的な協力を約束した、と伝えられたが、同国のスルタン国防相が「基地使用許可の報道はナンセンス」と否定するなど、揺れ動いているのが実情だ。
湾岸戦争以来、同基地はイラク上空からの偵察行動を中心とする指揮統制センターを完備し、空中警戒管制機(AWACS)などによる情報収集・分析の中枢となってきた。米がアフガニスタンへの本格的な作戦を開始すれば、同基地からの米軍機の発進に加え、前線での作戦指揮に重要な役割を果たすことになる。だが、いまのままだと米軍の活動が制約される恐れも出ている。
スルタン国防相は9月30日、「モスレムもしくはアラブ人との戦争に、(異教徒の)兵士一人であっても我が国を使うことは許さない」と述べ、メッカ、メディナの2大聖地を抱えるイスラム国家サウジの立場をサウジ紙に説明した。さらに「サウジ領空の通過は認めるが、地上施設は使わせない」とも付け加えた。
サウジ各紙は、基地使用の合意を伝える米報道に対し、「サウジを困惑させる意図で流された」と一斉に反発、パレスチナに対するイスラエルの「国家テロ」を引き合いに出して反米ムードをあおっている。
スルタン国防相の息子であるバンダル駐米サウジ大使は、父親の発言後、「(反テロ作戦に関する)米とサウジの立場は一つである」と米国で釈明した。しかし、サウジ政府の意図は、米国向けとサウジ国内向けで大きく隔たりがあり、米を含めた西側政府の「頭痛の種」となっていることは否めない。
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