投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 01 日 11:40:13:
【ワシントン30日=前田徹】
アフガニスタンに潜入した特殊部隊が国際テロリスト、ウサマ・ビンラーディン氏の捜索作戦を開始した米軍は三十日までに、アフガニスタンのタリバン政権の拠点とビンラーディン氏のテロ訓練基地を限定空爆するだけの配備を完了したもようだ。兵力二万八千人に加え三百機以上の航空戦力が臨戦態勢に入っており、アフガニスタン周辺にある十二基地が攻撃拠点として活用される見通しだ。
米中枢同時テロ直後からブッシュ大統領の命令で進められているアフガニスタン周辺への米軍配備は湾岸戦争以降、クウェートやサウジアラビアに常駐している兵力(二万人)を増強する形で行われた。また、空軍の場合はインド洋のディエゴガルシア英空軍基地への米戦略爆撃機編隊の増強として行われた。
この結果、湾岸からインド洋にかけて展開する二つの米空母艦隊と米英軍基地で出動を待つ空軍機をあわせると計二万八千人の米兵が集結し、B52とB1Bを主力とした五十機以上の戦略爆撃機など三百機以上が臨戦態勢に入ったことになる。
今後、空母セオドア・ルーズベルトと空母艦隊が加われば空軍力はさらに増すが、米国防総省筋は現在の兵力でも十分、戦略拠点への連続的な爆撃は可能としており、ブッシュ大統領の出撃命令があればいつでも作戦は開始できるとみられる。
一方、米国務省は米軍の作戦準備に並行する形でアフガニスタン周辺国のパキスタン、ウズベキスタン、タジキスタン三国に対し国境近くにある基地使用の許可を交渉していたが、それもほぼ終了したもようだ。
AP通信によると、パキスタンではペシャワルから八十キロ程度の距離にある同国北部のバレデル空軍基地やクエッタ基地など五カ所が候補にあがっており、ウズベクではテルメス基地、タジクではクリヤブ基地などが重視され、計十二基地が攻撃基地になる公算が大きい。
また、今回の軍事行動が湾岸戦争とは違ってかなり限定的なものにならざるを得ないことはほぼ一致した見方で、米軍事専門家らは「大兵力を集結するには時間がかかり過ぎるだけでなくアフガニスタンでは地上戦のシナリオは考えられない。限定的な攻撃で戦略拠点とテロ基地を破壊するしか選択肢は残されていない」と説明している。
米政府筋がCNNなどに認めた数日前からの特殊部隊の作戦活動も情報収集が中心で、ビンラーディン氏やテロ組織員の捕獲や破壊を目的にはしていないとみられている。あくまで限定爆撃の目標確認という作戦の一部として実施されているとの見方が有力だ。