投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 29 日 16:09:51:
【ワシントン布施広】
米メディアは28日、米英両軍の特殊部隊がアフガニスタン領内に入ったと報じ、ウサマ・ビンラディン氏とその組織「アルカイダ」を標的とする軍事作戦の準備が着々と進んでいることが明らかになった。特殊部隊の侵入は偵察が主目的との見方が強く、本格的な軍事行動はまだ先との見方が強い。しかしアルカイダの拠点が判明した場合、米英軍が電撃的な攻撃をかけることも予想され、アフガン情勢は波乱含みの局面に入った。
CNNテレビなどが報じた米英特殊部隊のアフガン侵入について、米政府は公式には確認していない。同日、ヨルダンのアブドラ国王と会談したブッシュ大統領は、テロ組織の「懸命な追跡」を続けていると記者団に語ったが、作戦行動の内容には言及しなかった。
アフガンでの軍事行動について、ブッシュ政権は「空母や巡航ミサイルでは、1人の人間は探せない」(ラムズフェルド国防長官)として、特殊部隊が主体になることを示唆、ノルマンディー上陸作戦のような明確な開始日(Dデー)もないとの立場だ。その意味では、アフガン領内の軍事作戦は既に始まっているとも言えるだろう。
だが、本格的な軍事活動に踏み切るには、(1)アフガンのタリバン政権の拠点も攻撃対象とするか(2)予想される大量の難民にどう対処するか(3)パキスタンの政治的安定が保てるか――などの問題を見極める必要がある。ウルフォウィッツ国防副長官が26日、「作戦立案はそう易しくない」と記者団に語ったのは、作戦立案に難しい政治的判断が絡むことを示している。
ただ、アフガン領内に入った特殊部隊が、仮にアルカイダの拠点や重要メンバーを発見した場合、政治的環境が整うまで攻撃を留保するかどうかは疑問だ。米軍は偵察衛星や無人偵察機でアフガン領内を克明に監視しており、標的を見付けた場合は、巡航ミサイルなどで攻撃することは十分考えられる。
ブッシュ大統領は28日の会見で、巡航ミサイル攻撃や空爆を「実施するかも知れないし、しないかも知れない」と言葉を濁した。機密維持のためでもあるが、今回の軍事作戦は、事前に一定の攻撃パターンを決められないことを示している。
[毎日新聞9月29日] ( 2001-09-29-13:03 )