投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 9 月 27 日 19:37:33:
09/27 15:06 「駐留は屈辱」との声も 作戦終了日のマケドニア 外信74
共同
マケドニア和平は北大西洋条約機構(NATO)の二十六日の武
器回収作戦完了で一つの節目を迎えた。一カ月にわたった作戦は本
当に和平プロセスを進展させ、民族紛争を沈静化させたのか。作戦
終了日の二十六日、首都スコピエとNATO部隊の武器集積場で、
市民と兵士にそれぞれ尋ねた。
「散歩中にNATOの兵士に出くわしたら、七歳の娘が聞くんだ
。私たちの国は彼らに占領されたのかって。情けなくなったよ」。
マケドニア人技師のミルコさん(43)はそう言うと肩をすくめた
。マケドニア人にはNATO駐留を内心では屈辱的と感じている声
が多い。ある青年は「外国軍はもういやだ。マケドニア軍だけでア
ルバニアゲリラと戦う」と声を強めた。
これとは対照的に、少数派アルバニア系住民には駐留を望む意見
が圧倒的に多い。市内最大のショッピングセンターで菓子店を営む
イズシットさん(36)の店は先週の夜中、ガラスをすべて割られ
た。今月に入り、アルバニア系商店や事務所の爆破事件が続発。「
NATOがいなくなると何をされるか。紛争前はマケドニア人のお
客も多かったが最近はほとんどいなくなった」。
一方、スコピエから南東約八十キロのクリボラクにある武器最終
集積場では、ちょうどアルバニア系武装組織「民族解放軍」から回
収した装甲車をショベルカーで解体する作業が行われていた。
応対に出たフランス部隊将校は「対戦車砲など重火器も多数回収
できたし作戦は成功だと思う」。ただ作戦開始以来、マケドニア国
会から視察に来たのはアルバニア系政党の議員だけだと指摘した。
現場の兵士たちの間には炎天下の作戦がようやく終わった安ど感
が漂っていた。二十歳代のギリシャ兵は「つらい任務だった。来月
五日にようやく帰れる。個人的には民族解放軍はまだ武器を隠して
いると思う」と声を潜めた。(スコピエ共同=小林義久)
(了) 010927 1505
[2001-09-27-15:06]