投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 9 月 27 日 19:37:03:
「米国はパキスタンまで敵に回すつもりはない。」米外交筋 タリバン政権打倒に興味なし
09/27 14:17 アフガン内政に距離置く 米、パキスタンに配慮か 外信76
【ワシントン26日共同=近沢守康】米中枢同時テロの「最重要
容疑者」としてウサマ・ビンラディン氏を名指しし、同氏を保護す
るアフガニスタンのタリバン政権打倒と同政権に対抗する北部同盟
を支援する動きを見せていた米国が二十六日までに、パキスタンの
強い反発を受けた形で、アフガニスタンの内政問題と距離を置き始
めた。アフガニスタンでの米軍の軍事行動が近いとされる段階にな
っても、米外交政策の腰はなお定まっていないようだ。
「テロリストを保護する者はテロリストと同罪」(ブッシュ大統
領)と、これまでタリバン政権に厳しい姿勢を示してきた米政府は
二十六日、「米政府も私自身もタリバン政権の運命について語る準
備はできていない」(パウエル国務長官)と発言を後退させた。
米国の゛ひょう変″の背景には、パキスタン側の強い反発がある
。同国のサッタル外相は二十五日の記者会見で「アフガニスタンの
人々にひとつの政権を押し付けるというような間違いは犯すべきで
ない」と述べ、米国の北部同盟てこ入れの動きに強い不快感を示し
た。
インドとの対立を長年続け、核兵器開発競争まで演じたパキスタ
ンにとっては、ロシア、イランのみならず、インドが背後で北部同
盟を支援してきたという事実が我慢ならない。
さらに国内に「親タリバン派」を多数抱えているという内政要因
ゆえに「(タリバン政権を打倒すれば)アフガニスタンの人々によ
り大きな災厄を招く」(同外相)と、米国への強い怒りを表明する
必要に迫られたとみられる。
これに慌てたのが米国だった。ブッシュ大統領はサッタル外相の
発言を受け「米国は(アフガニスタンの)国づくりに興味はない」
と従来の立場を軌道修正した。
パキスタンの反発が高まれば、アフガニスタンをめぐる軍事作戦
でパキスタン領内の前線基地を確保できなくなる恐れも出てくる。
そうなれば、米国の軍事行動に重大な支障をきたす。
米外交筋は「米国はパキスタンまで敵に回すつもりはない。当分
はタリバン政権打倒の方針の公言は控え、周辺国との摩擦を避ける
方法を選択する」と予測している。
(了) 010927 1416
[2001-09-27-14:17]