投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 9 月 27 日 19:26:58:
09/27 08:09 山肌あらわな高地の最前線 過酷さに目まい、吐き気 外信09
【サラン(アフガニスタン北部)26日共同=及川仁】草木も生
えない岩だらけの山肌。道を一歩外せばはるかな谷底。希薄な酸素
のせいか、目まいと吐き気が襲う。アフガニスタンの首都カブール
から北に約百キロ。タリバンと反タリバン勢力「北部同盟」がにら
み合う最前線、高地サランに二十六日入った。
過酷な自然環境は、米中枢同時テロの報復攻撃で米政権が可能性
を検討している地上軍投入がさまざまな困難に直面することを予感
させた。
四輪駆動車で険しい山並みを縫うように疾走する。次第に上がる
高度。激しい起伏に車内では体中がたたきつけられ、旧ソ連製車両
の扉は何度となく開く。
落石も数限りない。直径二メートル以上の岩が至るところで道の
真ん中に転がり、あちこちに放置された真っ赤にさびた戦車が長年
の戦乱を物語る。
パンジシール渓谷南端の北部同盟の拠点ジャボルサラジから約二
時間。山頂まであとわずかなところで道は突然途切れた。行く手に
は大きな爆破の跡。
「タリバンの通行を遮断するため(われわれの)ムジャヒディン
(イスラム戦士)がやったのさ」と北部同盟当局者。「あの向こう
はまだタリバンの支配地域だ」と約二百メートル先の山頂を指さす
。
両勢力の軍事境界線だ。しかし同地域一帯での戦闘は小康状態で
、最近は自動小銃などでの撃ち合いが時折あるだけという。
タリバン側支配地域のりょう線を見詰めていると、次第に頭痛と
軽い吐き気を催してきた。サランの海抜は二千五百メートル以上と
いう。「薄い酸素にまだ慣れていないからだ」とひげ面の男たちが
笑う。
北部同盟当局者によると、山岳地帯では約一カ月半後に積雪が始
まる。タリバン側は複雑な地勢と気候を知り尽くしている。「性急
な地上軍投入は思わぬ結果をもたらしかねないのではないか」。目
まいの中、そう実感した。
(了) 010927 0808
[2001-09-27-08:09]