投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 25 日 19:06:35:
【CJC=東京】
ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が九月二十二日、米国での同時多発テロ事件で情勢が緊迫するアフガニスタンに近い中央アジアの旧ソ連共和国カザフスタンとアルメニア歴訪に出発した。イスラム教徒が多数派を占めるカザフスタン訪問はイスラム教との融和を印象付け、『タリバン』らイスラム原理主義者らによる対キリスト教『聖戦』の阻止をはかる狙いがあると見られている。カザフスタンのカトリック者は人口の一%に過ぎない。
教皇は情勢急変の可能性を考慮し、九十五回目となる今回の外国訪問で初めて『ナンバー2』のソダーノ国務長官にバチカンにとどまるよう指示し、同長官は同行しなかった。教皇庁は緊張高まる国際情勢の情報収集に当たるため、と説明している。
教皇は二十二日、カザフスタンの首都アスタナに到着した。教皇のカザフスタン訪問はこれが初めて。
教皇はアスタナ空港で、ナザルバエフ大統領らカザフスタン首脳部の出迎えを受けた。キリスト教の象徴的な存在として、教皇もテロの対象になる恐れがあると見られており、カザフスタンでは軍と警察二千人以上が身辺警護に当たる。
教皇は二十三日、首都アスタナで野外ミサを行い、「民族・宗教による分断をもたらしてはならない」と述べ、米軍の軍事行動自制を求めた。教皇は「懸案は武力に頼らず交渉対話の平和的手段で解決すべきだ」とロシア語で語った。タジキスタン、トルクメニスタンなど周辺のイスラム諸国からも他宗教の信者が詰めかけ、五万人規模のミサになった。
教皇は二十五日に次の訪問国であるカフカス地方のアルメニアに向かう。
米ABCテレビは二十二日、米同時多発テロに対する報復軍事攻撃の時期について、ローマ教皇庁が中央アジア地域を訪問中の教皇がバチカンに戻る二十七日までは攻撃開始はないとの確約を得ていると報じた。