投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 11 日 11:31:36:
【カイロ小倉孝保】
ロンドン発行のアラビア語有力紙「アッシャルク・アルアウサト」は10日、サウジアラビアが駐留米軍に関し毎年、米政府と行っている軍事協議を、今年は拒否していると伝えた。イスラエル・パレスチナ紛争での米国のイスラエル寄りの姿勢に抗議するためとみられる。
協議は湾岸戦争(91年)後、両国が毎年8月末に開いているもので、今年は8月29、30日の2日間予定されていた。しかし、サウジが米国に延期を通告。米国は期日の設定を求めているが、同紙によると、サウジ国防省はこれまでのところ、再設定も拒否しているという。
サウジのファイサル外相は先週、訪問先のアンマンで「米国の対応にアラブ諸国はがまんの限度にきている。イスラエルの攻撃を止めさせるため、米国は責任を果たすべきだ」と米国の姿勢を強く批判しており、軍事協議の拒否も抗議の姿勢を示すものと考えられている。
イラクがクウェートに侵攻した90年、サウジは米軍主体の多国籍軍の駐留を容認。現在でも、対イラク戦略の一環として米軍部隊約6000人が駐留し、ペルシャ湾岸防衛の米軍の重要拠点になっている。
サウジでは健康状態の優れない親米派ファハド国王に代わり、アブドラ皇太子が実権を握っているが、アブドラ皇太子は同国王に比べアラブ寄りといわれる。また、サウジ国内ではイスラエル・パレスチナ紛争の激化で国民の反米感情が高まり、政府も米国追従一辺倒の政策を取れなくなっている。
[毎日新聞9月11日] ( 2001-09-11-10:04 )
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