投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 23 日 12:26:42:
政府は22日までに、同時多発テロを受けた米国などの軍事行動開始後、パキスタンに邦人が残されていた場合を想定し、自衛隊機派遣に向けた準備作業に入った。邦人を安全な場所に輸送するためで、すでに現地の情報収集などを開始している。
政府はこれまで、騒乱地域の隣接国に邦人輸送のための自衛隊機を準備行為として派遣したことはあるが、実際に輸送したことはなく、実現すれば初のケースとなる。
政府はアフガニスタンからパキスタンへ大量の難民が流入してきた場合、難民救済のために自衛隊部隊を派遣することを検討しており、その準備作業の意味合いもある。
米国はテロ犯と断定したウサマ・ビンラーディンが潜伏しているアフガニスタンの拠点への攻撃を準備しており、隣接するパキスタンにも混乱が及ぶ可能性が高い。外務省は21日、パキスタンのアフガニスタン国境から100キロ・メートル以内の地域に「退避勧告」、それ以外の地域にも「家族等退避勧告」を出しているが、なお400人以上の邦人がパキスタン国内にとどまっているという。
このため、政府は軍事行動が始まった場合、自衛隊法100条の8の「在外邦人等の輸送」を適用して自衛隊機を派遣することを想定し、準備に着手したものだ。
派遣機は政府専用機(ボーイング747―400型)または航空自衛隊のC130輸送機になる見通しだ。政府専用機は現地まで直行が可能だが、航続距離が短いC130はフィリピン、タイなどを経由する必要があるため、着陸許可を得られるかどうか関係諸国に非公式に打診している。戦況によっては邦人の安全を確保しながら機内に誘導するため、陸上自衛隊の誘導隊派遣も検討している。
ただ、邦人が自力で脱出する可能性もあることや、戦火が拡大した場合は、戦闘地域への派遣が憲法上禁じられていることなどから、実際に派遣が実現するかどうかは流動的な面も残されている。
政府は1997年7月のカンボジア騒乱の際、邦人救出に備えた「準備行為」としてC1303機をタイ・ウタパオ空港まで派遣した。98年5月のインドネシアでの暴動では、準備行為としてC1306機をシンガポール・パヤレバ空港に派遣した例がある。
(9月23日10:58)