日本国内でこれを公然と広めるのは、きっと恐れられるのだろう

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投稿者 無断転載 日時 2001 年 9 月 23 日 01:59:54:

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「197」 事件に大陰謀の背景はあるのか 2001.9.20

副島隆彦です。  今日は、2001年9月20日です。

9月11日の米中枢同時テロ事件――アメリカでは、Tuesday's attack 「火曜日の攻撃」と総称されているようだ――から1週間が過ぎた。

大したことも無く、その後の世界は平穏に続いている。アメリカ軍がインド洋海域に艦船を結集して、パキスタンの港や都市や飛行場に軍隊を駐留させた後、アフガニスタンに侵攻(報復 retaliation リタリエイションのための軍事行動 military actions ミリタリー・アクション)するとしても、準備にもうしばらく掛かるだろう。

今度の戦場は、アメリカ本土なのだから、急にアフガニスタンなどに矛先を変えようとしても無駄だと思う。アフガニスタンの岩石砂漠のようなところに「多国籍軍」が侵攻して、一体どうなると言うのだろう。アメリカは、いよいよ、裸の王様 emperor's clothe だ。自分たちが、世界帝国になって、「海も、空も、陸も、それから宇宙も、全て自分たちのものだ」と豪語したのが、ソビエトを打倒したあとのアメリカの権力者たちの傲慢な態度(フューブリス)だった。アメリカは、軍事力にものを言わせて何でも出来る、どんな国でも屈服させることが出来ると、考えたこと自体が、大間違いだった。ゲリラ相手の手探りの戦争を仕掛けてみても「長期戦を覚悟」と言えば言うほど、自分たちの落ち目は、見えている。

いよいよ、世界恐慌へ向けて人類は、ひた走っている。日本は、このアメリカの泥沼に引き摺り込まれるが、仕方が無い。被害を最小限度に留めて、生き延びる道を考えれば良い。 いよいよ、実物経済(タンジブル・エコノミー)の時代だ。金融経済(ペーパーマネー)の時代は終わった。株式や債券の類は、当てにならない。出来るだけ早く処分して、金や非鉄や、希少金属(レア・メタル)の形に自己資産を変えた方がいい。デフレ経済は、このあと2年間は続くだろうから、物価も賃金も地価も下がり続ける。それでも、土地は、実物資産だから、やっぱり大事だ。ここが底だ、と思ったら、住宅地や畑(農業者でなくてもうまく買うやり方はあるらしい)を、できるだけ安値で買うべきだ。このあと、2年たったら、今度は、ハイパー・インフレが襲いかかって来て、現金(紙幣)が、どんどん減価する。日本のお札や国債も刷り散らかし過ぎているから、これらが「紙キレ」とまでは言わないが、価値が半分から3分の1になってゆく。それが、2005年を目途にして起きる。

私は、このことを、昨年の8月に出した『堕ちよ!日本経済』で書いた。まさしくこの通りに事態は進んでいる。私は、自分の言った(書いた)事は、外れていない、と確信をもっているので、今も、自信を持って、言論人として突き進んでゆく。

さて、私は、今回の旅客機乗っ取り特攻ゲリラたちの中に、イラクやエジプトやパキスタンの正規軍人の空軍パイロットたちの影がほとんど無い事に、すこし奇異な感じを抱いている。

日本の1930年代の戦争突入準備段階の国内クーデターの主力であった、2.26事件の首謀者の青年将校たちのような、日蓮宗「国柱会(こくちゅうかい)」系の強固な確信(狂信)にまで至りついたブッディズム・ファンダメンタリスト Buddhism fundamentalists のような正規のイスラム教過激派軍人の参画がないようだ。これがすこし奇異な感じがする。

日本の優れた軍人戦略家で、当時の世界の動きを何とか解読出来ていたのが石原莞爾(いしはらかんじ)である。石原は、 自分の士官学校時代の仲間でもあった2.26の反乱将校たちを見殺しにして、その後「満州王道楽土建設」と「世界最終戦争論」を唱えて世界ブロック間再分割戦争に備えた。その石原莞爾でさえ、国柱会系軍人即ち、アジア的な宗教原理主義者であった。

以下に、私の今回の同時テロに対する疑問点をわずかな証拠と共に列挙して、あの攻撃の背後にある要因を考えてみたい。資料と証拠は、そこらに流布しているメディア情報だけである。アメリカの軍事問題(安全保障問題)のシンクタンク研究員たちにも新しい情報は無いようだ。だから、ここからは手探りで自分で考えなければならない。

まず、昨日のことだ。私は、さる大手新聞に寄稿したコラム記事を、「副島さん。すいませんが、ちょっとこれは、今の時期にはうちでは、掲載出来ません。申し訳無い」と断られた。私は、原稿依頼したこの新聞記者(編集委員)と、すこし押し問答したが、諦めた。私は、「商業新聞の枠に入らないというのであれば、仕方がないですね」と、掲載拒否を承諾した。原稿料だけはちゃんと貰う。私が書いた内容は、「アメリカは、驕(おご)りが過ぎた。だからあれほどの憎しみを買ったのだ。これは、それに対する復讐の吹き戻し(ブローバック)である。オサマ・ビン・ラディーンを育てたのはアメリカだ。日本は、どうせ局外中立だし、カヤの外だから何の心配もいらない。日本は比較相対的に勝つのだ」と言うような事を書いた。

今の時期に、何とかして国内にブローバック理論を広めようと、と思っているからだ。そうすれば、日本国内の、グローバリスト(ネオ・コン派)の手先言論人たちが、アメリカの自分の親分たちの意向にがむしゃらに忠誠心を過剰に示しているのを牽制しなければならない、と思っている。たとえば志方(しかた)俊之という、アメリカに育てられた机上の幹部自衛官あがりが、「日本はアメリカと一緒になって、アフガニスタンに軍事進出すべきだ」というような、うわずった事を言っている。岡崎久彦も同様だ。彼らの、日本庶民の感覚から離脱して、伸び切ってしまった現実感覚の無さを、いまこそ叩(たた)くためにも、「日本政府は、アメリカ政府に、今だからこそ、『アメリカも反省すべき点があるのではないか』と教え諭すことをすべきだ」と書いた。

ブローバック理論は、おくやま君の「アメ政」サイトにKS君がネットから探して来てくれて載せてくれたのだが、私の大好きなパット・ブキャナンが、次のように言っているとおりだ。

Our global adventuring has fomented resentment around the world.――Pat Buchanan
Sep.13th ,2001
「我々アメリカの世界各地での乱暴な行動が、世界中で、憎しみをかきたているのだ」(パット・ブキャナン)

ブローバック理論が、今の日本の風潮には合わないことは無いと思うのだが、アメリカの手先言論人がほとんどの現状では、日本国内でこれを公然と広めるのは、きっと恐れられるのだろう。どうせ日本は、アメリカ帝国の属国  a tributarly state  トリビュータリー・ステイトである。帝国にとっての属国のことを、同盟国 an ally アライ とも言う。

だから、日本は、アメリカの言いなりになって、パキスタンのラホール(ここに三菱商事の大きな拠点がある。綿花取引で築いたものだろう)やら、カラチやチッタゴンにまで延びる輸送路を荷う「人足」仕事に狩り出される。日本は、アメリカの、良く言えば、ロジスティカル・サポート(後方支援の補給部隊活動)、悪く言えば、戦国時代の「小荷駄方(こにだかた)」つまり物資運搬掛かりの人足部隊をやらされるのだ。

これが日本の運命だ。それでいいんじゃないか。「武力行使には関わらない範囲での、主体的支援活動をする」と小泉首相も、官僚たちの敷いて来た堅実な「密かな対米防衛抵抗線」の外交方針に従って、やっている。これでいいのだ。もっと言えば、「他人(ひと)の不幸は、自分の・・利益」、「対岸の火事は・・・・美しい」と江戸時代の庶民が語り継いでいる処世訓が、ここでは通用するだろう。どうせ苦しむのは、アメリカだ。

東アジアの経済繁栄もまた、戦争によって築かれたのである。1960年代から70年代中期にかけて、ベトナム戦争があったから、東アジアのその後の繁栄があったのだ。日本だって、たとえば、日清食品のカップ.・ヌードルが何億食も注文が来て、南ベトナム軍の兵士用に輸出されたり、ニッサン(ダットサン)のピックアップ・トラックや、三菱のトラクターやコマツのブルドーザーが大量に兵器代わりに輸出されたりで、それでどれぐらい各企業が儲かった事か。

「蕩尽(とうじん)理論」に従えば、「ある地域で、財貨を燃やし尽くし、破壊し尽くす行動が起きるから、全体としての世界経済が、活況を呈して、経済発展があるのだ」となる。「戦争は買いだ」と投機家なら直感的に考える。冷酷な資本主義理論には、この側面が、どうしても存在する。これを無視して、資本主義理論は、綺麗事だけで存立するのではない。大破壊の中からしか、次の大繁栄は生まれない。他人の不幸は、自分の幸せ、というのは、こういう実感から生まれるものだ。

R・アーミテージ国務副長官が、日本の自衛隊の出動を、柔らかく要請して "Show the flag " 「ショー・ザ・フラッグ」 (日本の軍事力を見せてみろ)と言ったそうだ。それでは、海上自衛隊(日本海軍)が今もなお使いつづけてきた、ライジング・サン 日章旗 をなびかせてダッカやチッタゴンやラホールまで行けば良いのだろう。

これから日本の自衛隊が、PKO出動で、パキスタンでどういう任務につくかを予測してみよう。日本の自衛隊は、中東に今も現にPKO部隊を派遣している。それは、カンボジア以外の主要なPKO(国連平和維持活動参加)である、中東のレバノンの北部の、ゴラン高原での、各国停戦監視団に派遣している。それは500人の自衛隊の兵力である。この日本からの派遣部隊がゴラン高原で何をやっているのか、知っている人は、少ないのではないか。

便所係をやっているのだ。 各国の駐留軍が停戦ライン沿いにずっと並んで設営している兵舎群がある。それらの基地ごとにある便所の便槽(べんそう)を定期的に取り替えて、高原の軍事封鎖線をいくつも越えて、シドン(サイダ〉の港まで、大型トラック部隊でコンボイを組んで行進するのだ。毎日、毎日これをやっている。冬場は、凍りつく高原の危険な道路らしい。そりゃあ、便所掃除の「汚わい屋」さんだもの、きっと、各国の駐留軍に深く感謝されているだろう。人間(人類)にとって、あらゆる現場で、一番いやな事をやってくれる人が、一番、貴重であり、ありがたいはずだ。どの程度、感謝されているかは知らないが。日本の国際貢献というのはそういう、地道な姿なのだ。上記の便所掃除係が、「武力行使活動には参加しない者」に課された、後方支援活動(ロジスティカル・サポート)なるものの真実の姿だ。このことは、別段、秘密でも何でも無くて当然、自衛隊関係の広報誌には載っている。

さて、いよいよ、「米中枢同時テロ事件」の怪しい部分について書く。

私は、この1週間で5本、雑誌記事、週刊誌記事を書いたが、そのうちの一本が、前述した新聞記事でこれは没にされた。このとき、私にとっては知己であり、わりと長く世話になっているその新聞記者が、「没稿」ついでに、教えてくれたことがある。それは、「栗本慎一郎さんのサイトで、彼は、この事件は、アメリカの陰謀だろう、と書いていますよ」と教えてくれた。私は、栗本のサイトなど見た事は無いし、どうでもよいから見ない。どうせ思いつき半分のいい加減なことを書いているのだろう。このごろは、軽い脳卒中を起して、選挙にも落ちて、つい最近、言論界失脚した宮崎学の御同僚だったのはどうしたのだろう、ということぐらいしか知らない。

私は、栗本慎一郎については、この人が、どういう人物か、それなりに過去に「遭遇」して知っている。そのことは、今は書かない。来年の始めから、ここの「今日のぼやき」を半分有料化するときに、その有料の方で、おもいっきり書こうと思う。こういう人物論は、きわめて泥臭い諸事実を含むので、とても、大っぴらには書けない。有料化は、私にとって表現領域の拡大を意味する。乞うご期待である。

それで、私は、今回の大事件の「陰謀論的な可能性」についてこれから書こうという気持ちになった。

状況証拠しかない。正確な証拠はほとんどない。それでも怪しい事実がいくつか出てきている。1番目は、前述した通り、実行犯人たちの中に、イラクやエジプト(この国が、何と言っても、イスラム原理主義知識人のメッカであり、アラブ諸国の長男格である)やパキスタンあるいは、キューバの空軍パイロット経歴者が、いない、ということが疑問点だ。19人の公開された犯人たちの経歴は、すべて、地味でひっそりとしたものだ。とても軍人あがりのテロリストには見えない。彼らが、オサマ・ビン・ラディーンと関係がある、と言う証拠は一切出ていない。

2番目に、次の点が、やはり気になる。それは、あの世界貿易センター・ビルの50階から70階ぐらいを借り切っていたモルガン・スタンレーの3500人の社員のうち、行方不明者(即ち、死者)は、たったの18人しかいない、という事実だ。これは、ここのサイトに誰かが、持ち寄った情報として書いてあった。

このモルガン・スタンレー証券会社関係の記事は、私たちのサイトへの投稿と、日経ネットの記事が参考になる。

(転載貼りつけ始め)

[2567] 雑感。 投稿者:猫公爵Poitrine 投稿日:2001/09/14(Fri) 03:53:24

>モルガン・スタンレーの従業員の大半が無事

 これTVニューズで、朝に神風突撃があるというビラがまかれたフロアがあったというのを聞きましたよ。たしかモルガンのとこだったと思います。そういうことではないでしょうか。

>日本のあほニューズ 

ブッシュの演説ではっきりと「 America  and  allies  は必ず報復する」といってるのに、言論統制下の日本だから当然なのか、「我々は」と意訳されていた(笑)。

 しかし最低限の英語リスニング能力くらいは持つだろう、解説者の連中や、そして日本の政治家どもは、カマトトぶって「今後の日本の対応は…」とか、ぬかしておったが、属国に選択権なんかあるかいな、巻き込まれるのは「規定方針」ちゅうことですよね、ブッシュの一存で。

 もっとも湾岸戦争の時のように、日本に向かって金を出せといえる状況でないことくらいは分かってる筈だから、従ってまだ法整備上の不備があればこの機に直しとけとか、あるいはもちろん、「人は出せよ」ということではないでしょうか。

 または今度は、ドルに対する基軸通貨発生前のECから金をむしるとか……。でも、湾岸戦争のときほど、武器を在庫消化できるような戦争が出来るとも思えませんが。とはいえ、アフガニスタンからみんな逃げだしてるようですね(貘)

 個人的には、金融グローバリストの牙城と、世界に悪を振り巻く巣窟ペンタゴンに一矢を報い、それらの薄っぺらさを象徴的にも、実質的にも白日の元に晒した、神風精神を受け継いだジハードを支持したいくらいです。神風blow backですな(笑)。

 アメリカで早い時期に、日本赤軍説まででたのには、いろんな意味であきれかえりましたな。いくら真珠湾を彷彿させるからといって、そんな安易に日本を仮想敵に持ってくるとは。「パールハーバー」なんちゅう馬鹿映画を世界配給しとるから、ばちが当たったのです。


(転載貼りつけ終わり、そして、つぎの貼りつけ)


 [2577] 今日の返信 投稿者:おくやま 投稿日:2001/09/14(Fri) 13:05:25

まさにオートパイロット状態です。うれしいなぁ。

▼ヒロシさんへ

>「帝国への逆襲」という解説とともにアメリカ陰謀説が主張されています

一体どこでそういう解説が主張されているんでしょうか?教えて下さい。

>ラムズフェルド国防長官、ディック・チェイニー副大統領は執務していますからね。この二人の「戦争好き」がみすみすテロで殺されるようなことを甘受するでしょうか

徹底的に陰謀論で考えてみると支配階級からはもうチェイニーとラムズフェルドが用なしになった、ということも考えられるでしょう。つい最近もこの2人が相次いで力を失ったという記事がでましたしねぇ。

>朝日新聞は天声人語、船橋洋一、社説をはじめとして、ルールを守りつつならば戦うことは容認できる、というスタンスを取っているようですね

へー、変るもんですねぇ。

>産経新聞が益々ネオコン紙化して憂慮に耐えません

そうですよねぇ。

>保守派コラムニストのチャールズ・クラウトハマー氏はワシントン・ポスト紙十二日付の論文で

さすが古森さん。クラウトハマーをチェックしておりましたか。彼は同じ記事をウィークリースタンダード誌にも寄せております。彼はネオコン派の重鎮です。

>こうした思考に基づく共和党系の新政策の内容は、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官も十二日付の各紙への寄稿で紹介している。

これは私も見つけられませんでした。どこにあるんでしょうかねぇ。情報ありがとうございました。

▼少しのぞきましたさんへ

>ナスダック本部も崩れたというのは本当ですか

いやー、それは知りませんなぁ。

>自作自演であればこれ以上、景気悪化、株暴落はさせないと言うブッシュのメッセージが聞こえてくるような気がします

まあそういう見方だったらまさにそうですよね。どう考えても今回のテロで一番得をしたのはアメリカのような気がするのは私だけなんでしょうか?書き込みありがとうございます。

▼Shibataさんへ

>中東関係ではいい本を出しているので、期待して見ていたら、「12億のイスラム圏の市民とイスラム原理主義のテロリストは、同一視すべきではない」(つまり、イスラム教徒を差別しないように、といいたいのかな)というような旨をしか話さなかったのには拍子抜けした

やはり当たり障りのないことしか言えないんでしょうかねぇ。

>小室直樹が対談(「世界戦略を語る」展転社刊)で「いまこんなにエレクロトニクスの発達した中でも、一番強いのはやっぱり死を恐れない者がいるということですよ。」と語っていることを改めて思い出す。

これは私も読ませていただきました。面白かったなぁ。それにしても同じ事を中東専門家のダニエル・パイプスが申しております。あとでこの記事を貼り付けておくつもりです。

>小泉は日経平均株価の1万円割れが自分の経済政策にではなく、今回の事件のせいにできるので、内心ほくそえんでいることだろう

なるほどなぁ。そういう見方がありましたねぇ。

>アメリカの主流メディアは「自由に対する挑戦」とし、早々に、この事件を狂信的なイスラム教徒による仕業として、言論統制に乗り出している

まったくその通りです。敵はアフガニスタンとイラクですな。

>今回のような(小さな)動きを事前に取るだけの(人的)諜報能力があるのかどうか疑わしい。こと中国、アラブ世界に関しては。中国は台湾、アラブはイスラエルに頼っているのが現状なのでは。

かも知れませんねぇ。特にイスラエルの情報網はスゴイらしいですが。

>国民の目を経済から逸らし(小泉も同じ)、軍事特需が期待できるので全く困らないと思う

そうなんですよ。一番得したのはあくまでもアメリカ自身なんですよね。情報ありがとうございます。

▼Bread'n'butter さんへ

>昨日のABC Nightlineでも取り上げてましたね

私は最近 ABC の Nightline とはご無沙汰ですなぁ。どうしてもNBC系のほうに目が行ってしまって・・・。むかつくダン・ラザーのいるCBSも見てますが(笑

>米国籍を持つアラブ系住民らに対する脅迫や嫌がらせが米国各地で相次ぎ、アラブ系団体などが米国民に自制を求める事態となっている。

そういえばさっきCNNでもアラブ団体の代表が、「犠牲者の方には追悼の意を表する」みたいにしてアラブ人に対する嫌がらせを押さえようとしておりましたねぇ。まあ(真珠湾攻撃のあとの)日本人なんかの場合は、もっとすごかったんでしょうなぁ。情報ありがとうございます。

▼猫公爵さんへ

ものすごくお久しぶりなような気がしますねぇ

>朝に神風突撃があるというビラがまかれたフロアがあったというのを聞きましたよ

なにーーーーー!やはり知っていたのか????

>言論統制下の日本だから当然なのか「我々は」と意訳されていた(笑)。

わははははは。これは行けますねぇ(笑)

>「今後の日本の対応は…」とか、ぬかしておったが、属国に選択権なんかあるかいな、巻き込まれるのは「規定方針」ちゅうことですよね、ブッシュの一存で。

まったくその通りでんな。「日本は違うんだよ」と暗に示している日本のメディアの偽善を見たような気がしますなぁ。

>個人的には、金融グローバリストの牙城と世界に悪を振り巻く巣窟ペンタゴンに一矢を報い、それらの薄っぺらさを象徴的にも実質的にも白日の元に晒した、神風精神を受け継いだジハードを支持したいくらいです。神風blow backですな(笑)。

うわっ、なんて危ないことを(苦笑

>こたびの事件、石油と金を上げるための深謀遠慮というのは邪推ですかね

結果からいうとそういうことが言えますねぇ。とにかく誰が一番得をしたか、ですな。書き込みありがとうございます。


(3つ目の記事の転載貼りつけ始め)


[2560] なんで無事?? 投稿者:おくやま 投稿日:2001/09/13(Thu) 17:46:55

(貼付けはじめ)

モルガン・スタンレーの従業員の大半が無事・CEO

 【ニューヨーク12日=米州総局】世界貿易センタービルでテロ攻撃当日2500人が勤務していた大手証券モルガン・スタンレーの最高経営責任者(CEO)、フィリップ・パーセル氏は12日記者会見し、「奇跡的にも2500人のうちの大半の無事が確認された」と語った。同社の個人投資家部門、資産運用部門の事務所が貿易センター2号棟の22フロアー、同センター5号棟の三フロアーに入居していた

(貼付けおわり)

なんだか納得いきませんねぇ。やはり知っていた?というのはあまりにもかんぐりすぎでしょうか?

(9/12 nikkei.co.jp)

http://www.nikkei.co.jp/kaigai/us/20010912dfni031212.html


(4つ目の記事の転載貼りつけ始め)

 NIKKEI NET

(9/18)  ビンラディン氏の株式運用、米欧市場が実態調査
  

 米証券取引委員会(SEC)や英金融サービス機構(FSA)など米欧日の市場監督者が、米同時テロの主要な容疑者と米国が断定したウサマ・ビンラディン氏の株式市場での資金運用の実態調査に一斉に乗り出した。同氏についてはテロ発生前に欧州の保険会社の株式を先物市場で売却したとの観測が出ている。

 米SECや英FSAは9月初めから米株式市場が閉鎖していた14日までの証券会社の売買を調べているもよう。調査結果は主要国の監督機関で構成する証券監督者国際機構(IOSCO)に集められ、最終的には米当局に報告される。

 米英の報道などによると、ビンラディン氏と関係があると見られる投資ファンドが9月10日までにドイツのミュンヘン再保険やフランスのアクサ、スイス再保険などを大量に空売りした。これら企業の株式はテロで急落、同ファンドは買い戻し利益を得たという。(ロンドン=小平龍四郎)


(以上、4つの記事の貼りつけ終わり)

副島隆彦です。モルガン・スタンレー Morgan Stanley の社員3500人のうち18人しか死んでいないということは、簡単に考えれば、ヨーロッパ・ロスチャイルド系は、始めから情報を持っていた、ということになる。そして、この攻撃は、アメリカの政治経済を握り締めているロックフェラー系に対するすさまじい破壊攻撃だった、という構図になる。大きな見方では、このあと、この方向に流れてゆくだろう。

ロックフェラー系である、ソロモン・スミス・バーニーの社員たち(金融トレーダーやアナリスト)にも、事前に「自宅待機の指示」が出ていたという噂が、今、ニューヨークで広がっているそうだ。

3番目。イスラエルの情報機関のモサドが、このテロ攻撃の事前情報を何も持っていないはずが無い。それをブッシュ政権に伝えなかったのは何故か、という疑問がある。

田中真紀子外相が、先々週、アメリカから帰って来る時に、極端におびえながら、用心しながら帰ってきたという。真紀子外相には、ヨ―ロッパの政治家たちからの秘密情報が入っていたのだろう。

イランの現ハタミ大統領派は、穏健なリベラル路線であり、アメリカとの協調を大切にしている。イラン政府は、80年代のレーガン政権も「イラン・コントラゲート」事件の頃にアメリカ政府と、裏でつながっているから、このテロは、イランが仕掛ける事は無い。イランの強硬派の宗教指導者たちは、もっと豪胆に構えているからこのようなテロ攻撃はしないだろう。

オサマ・ビン・ラディーン Osama bin Laden の資金運用は、ボストンの銀行で行われていることが判明している。それなのにアメリカ政府は、ここを強制捜査したり凍結したりしていない。これも変だ。ビン・ラディーンは、犯行声明を出していない。アフガニスタンのタリバーン政府は、アメリカに対して「ビン・ラディーンが事件の首謀者である証拠を出せ」と交渉の席で要求している。

従って、ここからは、私の推測である。恐らく、この事件の背景には、アメリカの石油資本と金融資本を握り締めるロックフェラー財閥に対して、この数年、かなり追い詰められて劣勢に立っていたヨーロッパ勢力が、アラブ・イスラム原理主義者を唆(そそのか)して、実行させた、という大きな構造があると思う。

真犯人は、エジプトのサウド王家の中にありながら、サウド家の支配を覆そうとしている者たちだろう。ここの内部事情は複雑だろう。ビン・ラディーンは、反サウド王家の強硬派だ。反サウド家で団結している中東の各王家や土侯(エミレイツ)たちのネットワークに支えられている人物だ。

映画「アラビアのロレンス」のなかにも描かれているが、イギリス情報部員であるロレンス中佐は、今のヨルダン王家であるハーシム家の祖先であるヴェドウィン(勇猛な砂漠の民)と共に、オスマン・トルコ帝国の支配を転覆するために、列車爆破や、アカバの砲台要塞の破壊襲撃を行っている。イギリスは、始めは、これらのアラブ民族主義の側に立って彼らを応援し、独立闘争を始めたハーシム家に、トルコの支配を打ち破った後は、独立する事を認める約束していた。ところが後に、「バルフォア宣言」を出してこれをひっくり返した。

バルフォア外相が、ライオネル・ロスチャイルド伯爵に向けて、書いている文書だ。この「宣言文」というか、有名な重要外交文書は、ロスチャイルド卿に宛てて書かれているのである。バルフォア宣言と言うのは、ヨーロッパのユダヤ人の代表であるロスチャイルド卿にあてた、手紙文なのである。その証明は、後日、引用文でやる。

ロレンスは、アラブ諸国独立支援の夢を破られ、自分がイギリス上層部に利用された事を知ったが、どうしようもなかった。自分と一緒に「アラブの大義」(the cause of the Arabs ザ・コウズ・オブ・ジ・アラブズ)の為に戦ったヴェドウィンの土侯たちを裏切った。それから、退役して、あの『知恵の七柱』という本を書いた。 ロレンスは、その後、イギリスで、自動車事故で殺されている。口を封じられたのだ。

ロスチャイルド家は、このようにアラブの諸国と深くつながっている。従って、今回の事件の背景には、壮絶な、アメリカ・ロックフェラー帝国(グローバリスト)と、その「ドル=石油一極支配体制」(IMF世界銀行体制)を突き崩そうとする、UE(ユナイテッド・ヨーロッパ!)とそれを動かすロスチャイルド家(ヨーロッパ・グローバリスト)の大抗争の影がある。この視点を取らないと、どうも事件がすっきりと見えない。

ブッシュ大統領の、事件当日、1日逃げ回って怯えたあの顔つきには、獰猛(どうもう)な世界支配者の決意は感じられない。彼は、やっぱりデイヴィッド・ロックフェラーの子分であり、親父に続くボンボン息子の、小物のあやつられ人形にしか過ぎない。

昨年11月5日から今年初めまでもめ続けた大統領選挙は、大きな政治謀略だ。ロックフェラー系が、あれほどの八百長と謀略をしかけて、ヨーロッパ・ロスチャイルド系であるアル・ゴア(カナダ経由のオキシデンタル・オイルが資金源)を叩きのめしたのだ。本当は、アル・ゴアが得票数で勝っていた。それを、おかしな事をやり尽くして謀略で勝ったブッシュにたいして、ヨーロッパ勢は、激しく怒っていたのだろう。マイアミの海に投票箱をいくつも投げ込んで捨てたりしている。アル・ゴアの出身地のテネシー州でさえ、ゴアが勝てないように各種のあらん限りの妨害工作をしている。

政治の裏側は、どこの国でもそれぐらい汚らしいものなのだ。ロックフェラーたちは、ヨーロッパ人たちの底力を甘く見ていたのだろう。ヨーロッパ人の反撃の恐さを今回、見せてもらった。もはやヨーロッパは、アメリカ人の言いなりにはならないだろう。アメリカ帝国は、はっきりと衰退期に入った、といえるからだ。帝国の支配地域どころか、本国の統治をうまく行えないというのは、いかにも大失態であり信用の失墜である。しかも、見えない敵に勝つ、という保証はどこにもない。見えない敵に向かって、宣戦布告(ザ・デクラレイション・オブ・ウォー、アメリカでは、大統領ではなく、上院議会が行う)をする、という愚かな行動に出ている。

中東アラブ人たちを手なずけて、協力しあって世界を動かすだけの歴史的な戦略をヨーロッパ人は持っている。昨日19日のフランスのシラク大統領の、ブッシュ大統領の歯の浮くような、「対米テロへの、共同報復行動への賛意」の様子は、テレビで見ていても伝わってくる。日本の中世の狂暴な武士たちの権力を、なだめすかしながら上手に操っていた京都の朝廷の公家(くげ)の貴族たちのようなぬめぬめとした感じだ。

J・P・モルガンが、チェース・マンハッタン銀行と合併した、というか、吸収合併されざるえなかった2000年9月の時点で、ヨーロッパのロスチャイルド=ハプスブルグ貴族連合(それが、政治的に、EU議会を作っている)は、怒り心頭に達していたのだろう。それで、アラブの原理主義者たちが、奇想天外のテロ攻撃をかけることをそれとなく支援している。ロスチャイルド家と歴史的につながり、後押ししているサウジの王家の中に、今度の事件を主宰した人々がいるだろう。その内部の話は錯綜していて私にもこれ以上は今のところは分らない。

幕末・明治期に、ロスチャイルド家が、日本も操(あやつ)っていた。だから伊藤博文(初代総理大臣)が、既に、幕末の「尊皇攘夷」が荒れ狂っている真っ最中の、1863年(文久3年)に、イギリスに渡って、ロンドンのロスチャイルド家に寄宿して、勉強させてもらっている。2年後に、下関戦争(馬関戦争)の時に送り返されて、暗躍している。だから、明治維新の最大の立役者なのに、伊藤博文を描いた「NHKの大河ドラマ」は、制作されないのだ。尊皇攘夷とは、今のイスラム過激派の思想と同じようなものだ。外国人を皆殺しにして、追い出して、神州日本を守れ、と言う思想である。徳川家茂(いえもち)将軍と、孝明天皇が連合して強力に推進していた。この二人は、毒殺された。尊皇攘夷を掲げながら、その実は内部から裏切って、イギリスとつながって、資金と軍事支援をしてもらっていたのが長州だ。高杉晋作や、山県有朋も怪しい。幕末に、よく、上海まで密出国している。

伊藤博文や井上馨(かおる)のパトロンは、ネイサン・ロスチャイルド伯爵(通称、ヴィクター)である。これらの奇怪な事実からも、日本国の運命についてもあれこれ考えなければならないのだ。このあたりの事については、私は、既に、拙本『属国・日本論』(五月書房刊)の後ろの方で、歴史事実のおかしな諸問題点、としてはっきりと、えぐりだして書いた。まだ読んでいない人は、是非読んでほしい。伊藤博文らは、それから17年後に、また、ロスチャイルド家に迎えられて、今度は、「大日本帝国憲法」を作る仕事を、ドイツ人の二流の法学者たちに家庭教師をしてもらって、やっている。

日露戦争の前後も、ロスチャイルドやモルガン財閥(アメリカにおける、ロスチャイルドの大番頭家であり、利益代理人)が、日本の国債を大量に引受けてくれて、助けている。司馬遼太郎の描いた、綺麗事だらけの『坂の上の雲』の主人公の、秋山真之(あきやま さねゆき)は、海軍の情報将校であり、そのように育てられた人物だ。これらの事実を、日本人歴史家も政治学者も、誰も、はっきりと書こうとしない。

それは、彼らが、ただ単に馬鹿だからだろうし、このあと、私の真似をして、チョロチョロと書き出すのだろうが、私の目の黒いうちは、すべて監視する。ちゃんと私の本の名前を出して、引用しない者は、全員、筆誅(ひっちゅう〉を加える。

ところで、チェース・マンハッタン銀行のことを、ロックフェラー系だと、思っている人が多い。それは、デイヴィッド・ロックフェラーが、60年代から70年代にかけて、ここの会長もしていたからだ。しかし、真実はそうではない。シプリーというチェースの会長と、その前の会長が、一生懸命、チェースをロスチャイルド系に、引き戻そうとして、資本の統合をすすめていた。ロックフェラー系が仕掛けたIT=ネット株の狂乱ぼろ儲けの時期もすっかり損をして、やられてしまって、J・P・モルガンは危ないところまで傾いていた。それで、苦肉の策で、チェースとの統合を選んで、アメリカにおけるロスチャイルド家の利権を守り抜こうとしたのだ。しかし、それも相当追い詰められていたのだろう。ニューヨークの金融法人や大企業群の株式は、複雑に持合いになっているから、一体、どの人物が、どっちの勢力なのか、簡単には分らないようになっている。ここらあたりはものすごく複雑である。

今は、私は、旅先だから、手元にあれこれ資料が無いので、これ以上は、正確に検証出来ない。私にも、これ以上は、いまのところ分らないのだ。

私が、このように書くと、きっと陰謀論の一種 a conspiracy theory を披露したことになるのだろう。しかし、おそらく、この後もおかしな事実がどんどん明らかになってゆくだろう。その時にも、私は、怖れずに、全ての明らかになった情報だけから、真実の諸相を推理して行く。

これらの経緯の背景になる諸事実については、私は、拙本『堕ちよ!日本経済』(祥伝社、2000年8月刊)ではっきり書いている。特にこの本のかなり後ろの方で、ぎゅーと縮めて「危ないこと」を一まとめに書いた。あそこで私が書いた諸事実を、今、誰か検証してみてほしい。

私が、『堕ちよ!日本経済』で書いた通りの筋書きで、事態は進みつつある。日増しに、世界同時不況と呼ぶようになったが、本当は、世界大恐慌(グレイト・ディプレッション)である。そこに世界は、向かってひた走っている。それでも、ヨーロッパ連合は、ユーロ通貨を作って、内部を守り抜くので大丈夫なようになっている。今、1ユーロは、0.91ドルから、0.93ドルに値を上げて、下落する一方の米ドルに較べて、強さを発揮しつつある。

ロックフェラー帝国のテキサス石油の代理人で、ハリバートンという軍事政商の出であるチェーニー副大統領(今回、ホワイトハウスにいて爆殺されかかった)の作った、「戦争を起して、不況を吹き飛ばしてしまえ」という戦略は、一見、的中したように見える。アメリカは、目下、戦争経済(ウォー・エコノミー)=統制経済(コントロールド・エコノミー)に向かって突き進んでいる。そうするしかないからだ。しかし、今回の事態は、アメリカ帝国の本国、本土が戦場になってしまったという、彼ら、グローバリストの予想を越えた荒々しいものなので、チェーニーの戦略は、通用しなくなる。自分の国が戦場になると、商業や工業の基幹部分をやられるので、安定して金儲けが出来なくなる。それで、この「戦争をして不況を吹き飛ばせ」という戦略は破綻した。

このあと2年は、激しいデフレ経済が続いて、日本は、もっともっと物価が下がり、賃金も下がり、地値も下がる。株価も債券も暴落を続けて行く。どこまで落ちるか予測もつかない。しかし、私が、力説して来た通り、日本は、比較相対的に大丈夫なのだ。今、激しく崩れつつあるのは、アメリカ帝国本国なのであって、日本は、「比較相対的に」大丈夫なのだ。日本が買いこんでいる(無理やり買わされて、売れなくさせられている)3兆ドル(300兆円から400兆円)の米ドル債は、もう、諦めるしかないないだろう。ボロ屑の値段になってしまうだろう。そんなものはもう、消えて無くなったものとして我慢するしかない。属国の運命などというものは、そういうものだ。それ以外の国内の資金を大事にして、これからの生き残り作戦を考えた方がよい。日本は、大丈夫だ。日本国が戦場になるわけではないのだから。

ここで、揶揄(やゆ)したくなったが、どうして、ムーディーズと、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)の債券格付け会社は、さっさと、米国債の格付け(レイティング)を見直して、下げないのだろうか。アメリカの株価も債券市場も激しく下落して行くことは目に見えているのに、それに対する評価を厳しく公平にしなければいけないはずなのだ。

EU(ヨーロッパ連合)は、目下の崩れ行きつつあるアメリカの「ドルと石油」の世界体制にもびくともしない。ユーロという統一通貨を作ってあるので、これで、しっかりと域内を管理して、米ドル紙キレ体制が崩壊して行くのを冷酷に眺めてゆくつもりなのだろう。2回の大戦で、ヨーロッパ大陸は戦場にされて、ひどい目にあった。しかし、今度は、アメリカが戦場になる番だ、と考えているのだろう。

フランシス・フクヤマが書いたそうだが、 the end of America's exceptionalism 「アメリカ例外主義のおわり」だそうだ。アメリカは、帝国だから世界の各地域(region リージョン)での地域紛争は、遠くの方で起こるのである。ところが、今後はそうは行かなくなった。アメリカは紛争の例外地帯なのだ、という考え自体が、これで吹き飛んだ。アメリカ本国もまた世界の動乱から例外(イクセプション)では済まされないのだ。アメリカもまた、世界歴史の中に平等に組み込まれている事がこれで、はっきりしたのである。また、そうでなければ済まない、ということだ。

この次は、小型戦術核兵器が、アメリカの都市で炸裂する可能性が出て来た。ゲリラ(テロリスト〉を相手の闘いで簡単な勝利など有り得ない。すさまじい消耗戦になるだろう。ゲリラ戦なのだから、一般民衆が、今後もたくさん捲き込まれて死ぬだろう。それが人類の闘いの歴史だから仕方ない。

「事件の犠牲者の皆さんに哀悼の意を表します」などとすぐに書く人たちがいる。自分の血縁者や知人が死んで悲しい訳でもないのに、そういう事を書く事で、自分の局外中立性を宣言しようとする。「素朴に、人がたくさん死んだことを悼んだだけだ」と言うだろうが、それでは、自分の家のそばの道路で猫が撥ねられて死んでペチャンコになって、転がっているのに対して、可哀想だ、と思って、「哀悼の意を表明」するのと、どれほど違うというのだ。世の中は、可哀想なことで満ちている。

テレビを通して映像で見る世界的な大事件というのは、どうせ、政治的な事件である。ここには、どうしても政治的な判断(態度決定)というものが付きまとう。どっちが悪で、どっちが善か、というような判定はすぐにはつかない。一般の犠牲者というのは、どうしても発生するものだ。それに対して、「哀悼の意を表明します」をいうのは、「明けましておめでとう」「謹賀新年」と書くのとよく似ている。私は、そういう無定形で無内容なヒューマニズムと無邪気な正義を振りかざす立場には立たない。すべての政治紛争は、深く仕組まれているのだ。そしていつの時代も、悪賢い人間たちは、必ず大衆を騙して、扇動するのだ、と思っている。どんな事件の陰にも別の隠された真実のストーリーがある。

これからもそうだろう。今度の事件もそうだろう。だから、知りうる限りの情報を集めて、考えられる限りの推測をして、立ち向かって行かねばならない。「50年後に判明する歴史の審判に委(ゆだ)ねよう」などと、うそぶいている訳には行かない。

だから、今のところは、私は、ここまでは書いた。この後も、もっと分り次第、かつ、自分の推測できる限りで書いて行くだろう。私は、日本言論人、思想家として、これまでの所、予測を外さないでやって来た、という自信がある。そうでなければこれほどの事を自信を持って書けない。盗み読みに来ている、他の馬鹿な言論人など、私の足元にも及ばない。

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副島隆彦拝



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