投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 9 月 22 日 19:05:27:
09/22 16:36 大統領権力維持に追い風 核施設攻撃が最大の懸念 外信92
共同
米中枢同時テロへの報復攻撃を準備する米国に対しパキスタンは
全面協力を決めた。地元有力紙ドーンのイスラマバード版編集長、
モハマド・ジアウディン氏は、対米協力が「終身大統領を狙うムシ
ャラフ大統領にとって追い風となる」と分析、核施設を狙ったテロ
リストからの報復攻撃が最大の懸念と指摘した。(イスラマバード
共同=三宅和久)
―対米協力をどうみるか。
「ムシャラフ大統領は終身大統領を狙っている。米国への協力は
これをさらに容易にする。(民政移管を求めてきた)米国が今回パ
キスタンに要求している項目に『民主主義』はない。インドと米国
の接近を懸念するパキスタンにとって、今回の事件は(対米関係改
善に向け)利益となる」
―ウサマ・ビンラディン氏の報復の恐れもあるが。
「ムシャラフ大統領は対米協力を拒否すれば、米国に核兵器を排
除されると考えて協力を決めたが、報復のリスクも背負い込んだ。
ビンラディン氏が犯人ならば報復は爆弾テロ程度では済まないだろ
う。最悪のケースは核施設への攻撃だ。各施設の占拠も想定される
」
―国内のイスラム原理主義勢力から対米協力への反発も強いが。
「軍はこれまで、非宗教政党の力をそぐために原理主義政党を利
用してきた。抗議デモがあっても軍が統制し、政権が揺れるような
事態には至らない」
―一般の世論はどうか。
「現在は軍事政権だ。国民は軍が優秀な組織である点や軍の力を
認識しており、経験的に軍には逆らわないはずだ」
―ビンラディン氏が潜伏するアフガニスタンへの米国の軍事作戦
はどうなるか
「山岳部が多く身を潜めるのが容易という点で、ビンラディン氏
やタリバン側に利がある。あぶり出すために化学兵器などを使う必
要が出てくるのではないか」
モハマド・ジアウディン 1937年インド・チェンナイ生まれ
。カラチ大卒業後、地元通信社などを経て、81年有力英字紙「ド
ーン」入社。今年3月にイスラマバード版編集長に就任。
(了) 010922 1635
[2001-09-22-16:36]