投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 21 日 23:47:27:
米国での同時多発テロに対するアフガニスタンへの報復攻撃への動きをめぐって21日、パキスタン各地でイスラム原理主義の宗教団体や政党が主導する反米デモが行われた。デモ隊は、米ブッシュ政権に協力姿勢を示しているムシャラフ大統領に厳しい批判を浴びせた。カラチでは警官隊が発砲し、死傷者が出た。今後、米軍がパキスタン領から出撃するような場合、国内外の過激派によるテロや反政府暴動も懸念され、米軍の動静はムシャラフ政権の基盤を揺るがしかねない。
人口1200万の南部の商都カラチでは、朝からタリバーンと同じ民族のパシュトゥン人を中心にした約3万人の反米・反政府デモがあった。
暴徒化したデモ隊に警官隊が発砲し、マドラッサ(宗教学校)の神学生1人が死亡、8人が負傷した。4人死亡の情報もある。デモ隊は「ブッシュ米大統領のタリバーン敵視や攻撃は許せない」「オサマ・ビンラディン氏に勝利を」などと叫び、ブッシュ米大統領の人形や星条旗、タイヤなどを路上で燃やして気勢をあげた。
アフガン国境、北西辺境州のペシャワルでは、約7000人がデモに参加。口々に「ジハード(聖戦)だ」と叫び、対米協力を表明したムシャラフ大統領にも「裏切り者」「米CIAの手先」などと容赦なく非難した。
デモ主催者は商店に抗議ストライキを強要。営業中の店を見つけると、店の壁を棒でたたき、大声で怒鳴って、強引に店を閉めさせた。政党関係者以外の参加者も目立ち、教師のムハマド・カミルさん(46)は、「明確な証拠を示さずに犯人扱いして引き渡しを求める方が常識外れ。対米協力に応じる政府もどうかしているよ」と話した。
やはりアフガン国境のクエッタでもパシュトゥン系民族がデモをした。 首都近郊ラワルピンディでは約2000人がデモをした。「アフガン問題が終わったら、パキスタンは米国に見向きもされなくなる」。イスラム協会の呼びかけで参加したデモ隊は「オサマは英雄。ユダヤ人は最悪のテロリストだ」などと、反米とビンラディン氏擁護のスローガンを叫び行進した。
モスクのすぐ近くで宝くじ店を経営するマンスール・エハメットさん(32)は「イスラムは本来平和主義。私は扇動的なことは嫌い。店を閉めて、昼飯を食って帰るよ」とうんざり気味に話していた。(23:42)