投稿者 dembo 日時 2001 年 9 月 21 日 22:24:50:
2001年9月11日の自爆テロに対する国際行動センター(IAC)の声明
http://www.am.il24.net/~gitani/iac-statement.htm
この声明は、ニューヨーク市から発信されています。
ここにいるすべての人たちは、きょうの出来事に、深く心を痛めています。国際行動センターは、きょう南マンハッタンで働いていた人々、そしてそれら愛する人たちを失った方々に対し、心からの同情と、弔意を表明します。
いま、たくさんの家族が、愛する人の死や負傷を嘆いているというのに、ブッシュ政権はペンタゴンによる戦争推進を、ことに中東において強化して、抑圧の力を強めるために、悲劇的な人命の犠牲を利用しようとしています。
米国のアラブ人やイスラム教徒からは、職場や地域やモスクで、人種差別的な嫌がらせを受けていることが報告されています。反アラブの人種差別主義は、拒否すべき毒です。私たちは、人種差別に反対する人々に、アラブ系米国人たちと連帯して、こうした反動的熱狂の前に立ち上がることを呼びかけます。
1995年にオクラホマシティで連邦ビルが爆破されたとき、政府やメディアは、即座にアラブ、イスラム組織の犯行だとの推測を流しました。しかし、誰もが知るように、犯人は、極右の退役兵士ティモシー・マクベイでした。
新たな戦争の脅威
国際行動センターは、すべての反戦活動家と進歩的な人々に、ブッシュ政権とペンタゴンがこの危機を利用して第三世界、ことに中東の民衆に対し新たな侵略を行なおうとしていることに、最高度の注意を払って反対するよう、つよく要請します。
1998年8月、ペンタゴンは何の証拠もないのに、ケニアの合州国大使館爆破事件の報復と称して、スーダンの製薬工場に巡航ミサイルを撃ち込みました。巡航ミサイルが破壊したアル・シファの製薬工場は、スーダンの薬品のほとんどを供給していた工場でした。この爆撃の直接の結果として、何千というアフリカの民衆が、亡くなりました。
1983年にロナルド・レーガン大統領は、レバノンにある海兵隊基地でトラック爆弾爆発事件が起こるとすぐに、カリブ海のグレナダへの侵攻を命じました。父ブッシュ(現大統領の父親)のもとでは、1989年クリスマスイブの夜、2000人以上のパナマ人が、麻薬戦争との口実で殺害されました。
1986年には、ドイツで起こったディスコ爆発事件はシリア、イラン、およびいくつかのパレスチナ組織の仕業だと断定した合州国は、軍機をリビアに送ってトリポリとベンガジを爆撃しました。夜間にこっそりと行なわれた、この米国空軍の襲撃によって、子どもを含む数百人の非戦闘員が、寝ている間に殺されました。
我々は、この国の活動家と民衆に、これからの時期にペンタゴンが行なおうとしている新たな侵略に抗議する準備を整えることを要請します。
ブッシュ政権は、住宅、教育、健康、雇用などの予算を犠牲にしてペンタゴンの戦争予算をいっそう拡大することを正当化するために、現在のこの危機を利用することでしょう。
国家による抑圧がさらに強まる危険性
この国全体で、軍とFBIと地方警察が、都市の広い区域に非常線を張り、橋やトンネルや道を閉鎖し、警察や州兵を大量に動員しています。この事態全体が示しているのは、進歩的運動や労働運動、黒人、ラテン系、アジア系、アラブ系その他の抑圧されている民衆に対する国内での抑圧の計画がひとつ進んだ段階に来たということです。
それだけに、なおのこと、現下の危機をかくれみのにして治安対策を増強しようとする今の策動には抵抗すべきです。
連帯を築こう
ニューヨーク市民、そして米国民は、ブッシュ政権とペンタゴンが、人々がほんとうにショックを受け、不信の念をもったことにつけこんで、反動を煽り、抑圧的な諸力を強化しようとするのを許してはなりません。それは、この国でも、またいかなる国でも、働く人々や抑圧された人々の助けにはならないからです。
今日の事件に応える唯一の道は、世界貿易センターとペンタゴンで亡くなっ
たり負傷した人々の家族や友人に対して連帯の手をさしのべること、世界中で戦争、貧困、搾取
と闘う人たちとの国際的な連帯を築くこと、そして、ペンタゴンによる新たな侵略
に対する異議申し立ての運動を深化させることです。
(訳 今井恭平)
(IACは、ジョンソン政権の法務長官だったラムゼイ・クラークを代表とし、湾岸戦争やユーゴ空爆など米国の侵略と残虐行為を告発しつづけている民間団体です)