投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 9 月 21 日 19:03:06:
09/21 15:51 軍事力の前に国連制裁を 米政権の「戦争」批判 外信100
米外交・安全保障政策の立案に長年携わるモートン・ハルペリン
前国務省政策企画局長は、対テロの総力戦の準備に走るブッシュ政
権を批判、国連を利用した反テロ国際包囲網の構築を唱えた。(聞
き手ワシントン共同=杉田弘毅)
―これは戦争か。
「戦争という表現は適当でない。テロとの戦いでは軍隊がぶつか
り合う戦場がない。軍事だけでなく、外交、経済、文化、心理など
多面的な長い活動となる。米政権も予想に反して発生から十日もた
って爆弾一発も落とせていない」
―米政権は何をすべきか。
「国連安保理でアフガニスタンのタリバン政権に対する完全な経
済制裁を実現すべきだ。それでもウサマ・ビンラディン氏を引き渡
さないならば、軍事力行使を認める決議の採択を求め、国際社会全
体を代表して攻撃する。アフガニスタンのテロ支援には五常任理事
国とも反発しており、安保理は米国に賛成する」
―米政権は単独行動を好んでいる。
「国際テロに対抗するには世界の国々が米国と共同歩調をとれる
ような多国間主義をとるべきで、ブッシュ政権は間違っている」
―空爆と特殊部隊を組み合わせた作戦とされるが。
「ビンラディン氏の居場所を特定できなければ、意味がない。私
は軍事作戦の即時実施を推薦はしない。作戦開始の前に本当に同氏
が犯人だと特定する必要があるし、すべての平和的手段が尽きたと
世界が納得しなければならない」
「テロ対策の究極の策は民主主義を広める息の長いやり方しかな
い。民主国家はテロを支援しないし、対テロの戦いに参加する。テ
ロ支援政権は最終的にイラクとタリバンだけになるだろう」
―超大国の米国はテロの犠牲になる宿命か。
「米国人は米国の国益は国際協調でなければ、実現しないことを
理解すべきだ。米国は世界で一番強い国だが、他国の人の腕をねじ
上げて命令しては、米国の望む世界はつくれない」
【略歴】ハーバード大助教授を経て、ジョンソン政権で国防副次
官補、ニクソン政権で国家安全保障会議上級スタッフ、クリントン
政権で大統領特別補佐官、国務省政策企画局長。現在外交問題評議
会上級研究員。63歳。1938年6月13日生まれ。
(了) 010921 1551
[2001-09-21-15:51]