投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 9 月 19 日 18:49:52:
09/19 16:06 文明の衝突の下で米に挑む あり得る別の過激派のテ 外信85
共同
米中枢同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン氏。同氏
のようなイスラム過激派によるテロがなぜ多発しているのか。その
動向に詳しいイスラエル軍歴史部長のシャイ・シャウル氏(46)
に聞いた。(テルアビブ共同=島崎淳)
―なぜビンラディン氏なのか。
「ビンラディン氏はフィリピンからアルジェリアまで広範なネッ
トワークを持つイスラム過激派のシンボルだ。『文明の衝突』と言
われるイスラム主義と西欧文明との対決状況の中で、過激派を代表
するビンラディン氏が敵と見なす米国に戦いを挑んだ」
―イスラム過激派のテロにどう対応すべきか。
「中東や旧ソ連、アジアなど、世界中で噴出する根の深い問題で
あることを理解し、イスラム過激派全体の問題に対処しなければな
らない。ビンラディン氏を攻撃するだけでは意味がない。世界全体
の問題として各国が政治、経済、軍事面であらゆる協力を惜しまな
いことだ」
―パレスチナのハマスやレバノンのヒズボラなど、他のイスラム
過激派組織はどう動くか。
「ハマスやヒズボラなどは戦術的にイスラエルへの攻撃を当面、
見合わせるかもしれないが、時期が来れば、再び攻撃に乗り出すこ
とは確実だ。その意味からも、ビンラディン氏だけを相手にしても
、テロ根絶はできない」
―ビンラディン氏を保護するアフガニスタンのタリバン政権は同
氏の引き渡しに応じるか。
「一九九八年のケニア、タンザニアの米国大使館同時爆破事件の
際にも引き渡し要求を拒否しており、応じるとは考えにくい」
―米国はどのような報復に出るのか。
「ビンラディン氏の身柄だけが目標なら、短期間に激しい作戦に
出るだろう。十一月になれば、アフガニスタンの山岳地帯は雪に覆
われ、軍事作戦は非常に困難になる。だが、タリバン政権の打倒も
視野に入れるなら、長期にわたる困難な作戦となるだろう。こうし
た作戦はリスクがあり、十分な結果が得られなければ、逆効果だ。
米国には大きな試練となるだろう」
シャイ・シャウル 1955年イスラエル中部のアラド生まれ。
73年イスラエル軍に入り、空挺(くうてい)部隊、情報部を経て
現職。専門はイランやアフガニスタンなどのイスラム過激派の動向
研究。
(了) 010919 1605
[2001-09-19-16:06]