投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 9 月 19 日 18:30:21:
09/18 19:15 単独作戦では米が敗北 宗教対立の構図避けよ 外信98
共同
米中枢同時テロで、タリバン政権が実効支配するアフガニスタン
への攻撃準備を進める米国について、エジプトのアルアハラム政治
戦略研究所のアブデル・モネム・サイド所長は「キリスト教対イス
ラム教」の対立の構図の危険性を指摘し、「米国は単独作戦では敗
北する」と語った。（カイロ共同＝半沢隆実）
―米国がイスラム原理主義のタリバンと武力衝突することの影響
は。
「アラブ人の目には『キリスト教とイスラム教の対決』と映る。
米国は単独で作戦に踏み切ってはならない。この宗教対立の構図を
否定するためには、イスラム諸国の参加を得て多国籍部隊で軍事作
戦を展開する必要がある」
「米国が単独で勝利しようとしたら、極端な話、核爆弾を使うし
かなくなるだろう。国際協力の中で、容疑者と名指しされたウサマ
・ビンラディン氏とタリバン政権を排除し、国際社会が合法性を認
めるような政府を樹立させる必要がある。政教分離体制は無理だろ
うが、穏健なイスラム主義勢力を政権に就けることは可能だ」
―ビンラディン氏を排除しても第二、第三のラディンが現れる可
能性がある。
「米国はビンラディン氏個人を敵とすべきではなかった。戦争の
相手はテロを支援する国家であり、政府であり、テロという概念で
あるべきだった。ビンラディン氏が殺されても『殉教者』とみなさ
れ、より多くの崇拝者を引きつける」
「既にビンラディン氏は、米国に立ち向かう映画の中の悪役のよ
うな役割を与えられている。たった一人で米国に立ち向かう強力な
悪の『英雄』といった役どころだ。その意味では米国は既に負けて
いる」
―激化するパレスチナ情勢にアラブ民衆はいら立っている。多国
籍軍に参加するイスラム国家がタリバンと戦闘する事態となれば、
参加した政府への不満をかき立てるのでは。
「その通りだ。アラブを入れた多国籍部隊の活動と並行してパレ
スチナ和平を推進しなければならない」
―タリバン対米国の武力衝突による中東の政治バランスへの影響
は。
「一部で観測が流れているイラクなどへの攻撃は、関与したとい
う明確な証拠が出ない限りないだろう。アフガンとイラクへの二正
面作戦は現状では米国の手に余る」
アブデル・モネム・サイド １９４８年エジプト北部生まれ。カ
イロ大卒。７５年アルアハラム政治戦略研究所入り。米イリノイ大
で博士号取得。９４年、同研究所所長に就任。
（了） ０１０９１８ １９１４
[2001-09-18-19:15]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。